ななつのこ の商品レビュー
ピリッとスパイスの効いた連作ミステリー 身の回りに起きた小さな事件の謎解きです 主人公の駒子は書店の新刊コーナーで、短編集「ななつのこ」の表紙に一目惚れして購入します。 そして作者の佐伯綾乃に人生初のファンレターを書き、最後に自分の周辺で起きた事件についても書き記しました。 ...
ピリッとスパイスの効いた連作ミステリー 身の回りに起きた小さな事件の謎解きです 主人公の駒子は書店の新刊コーナーで、短編集「ななつのこ」の表紙に一目惚れして購入します。 そして作者の佐伯綾乃に人生初のファンレターを書き、最後に自分の周辺で起きた事件についても書き記しました。 するとなんと、返事が届いたんです! ファンレターに返事がくるなんて、めちゃくちゃ嬉しいですよね。 しかもそこには、駒子の事件についての謎解きが書いてあるんですよ。 鮮やかにカッコよく! こんなふうに駒子と綾乃の文通がはじまり、駒子の疑問を綾乃が解いていくというストーリー。 で、すごいのは作中作「ななつのこ」に登場する〝はやて〟と〝あやめさん〟のストーリーとも交差していくこと。 そして驚きのラスト! 私は六話目の「白いタンポポ」が一番好きです。 駒子はちょっとトボけたキャラなんだけど、真雪ちゃんという小学生の女の子への接し方に優しさか溢れていて、胸がぎゅっとなる。 この作品は、ブク友・ひろちゃんのオススメです。 読むのが随分遅くなったけど、読んで良かった。 やっぱり加納朋子さんは良いですね。 ありがとうございます♪
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【収録作品】スイカジュースの涙/モヤイの鼠/一枚の写真/バス・ストップで/一万二千年後のベガ/白いタンポポ/ななつのこ 短大生の駒子が『ななつのこ』という童話の作者にファンレターを送ったことをきっかけに、駒子が提示する日常の謎に作者が答えるという形で交流が続く。
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加納朋子さんのデビュー作にして、第3回鮎川哲也賞受賞作は、日常の謎を題材にしており、それに挑むのが、陽気で溌剌としながら飾り気のなさが魅力の、駒ちゃんこと「入江駒子」に、彼女が好きな小説家にして文通相手の「佐伯綾乃」。 駒ちゃんが見付ける謎と、綾乃が書いた作中作の「ななつのこ」...
加納朋子さんのデビュー作にして、第3回鮎川哲也賞受賞作は、日常の謎を題材にしており、それに挑むのが、陽気で溌剌としながら飾り気のなさが魅力の、駒ちゃんこと「入江駒子」に、彼女が好きな小説家にして文通相手の「佐伯綾乃」。 駒ちゃんが見付ける謎と、綾乃が書いた作中作の「ななつのこ」が、違和感なく組み合わさって楽しめるのに加え、人として少しずつ成長する駒ちゃんは微笑ましかったし、7章の真相も意外で面白かった。ただ、最後の追伸は少々くどかったかも。 また、推理ものとは別にして、作者自身の視点の中立さや広さも印象的で、真雪ちゃんのような子供もいるということや、駒ちゃんを白いたんぽぽに例える点には、固定観念や常識にとらわれない、ものの見方を示してくれており、好感をもてました。 この作品が発売されたのは1992年。その頃の私が読んでればなあ、なんて、今となっては後悔先に立たずなのだが、あの頃の自分に教えて上げたい。 常識ってなんなんでしょうね、本当に。
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「ななつのこ」という物語を基に書かれており、面白い。また、謎が解けた時の爽快感がすごい。新しいミステリー小説のように感じた。
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身近で起った謎を書き添えて送った小説家へのファンレター。その返事で鮮やかに謎解きがされていた。 第3回鮎川哲也賞受賞作、手紙がつぐむ連作短編ミステリー。 一話目が「スイカジュースの涙」という可愛らしいタイトルのわりに「うへぇ」となる事件(?)だったので、ホラー系かな?と思った装...
身近で起った謎を書き添えて送った小説家へのファンレター。その返事で鮮やかに謎解きがされていた。 第3回鮎川哲也賞受賞作、手紙がつぐむ連作短編ミステリー。 一話目が「スイカジュースの涙」という可愛らしいタイトルのわりに「うへぇ」となる事件(?)だったので、ホラー系かな?と思った装丁からも心して読もうと構えたのだけれども、その後は全くそういうこともなく。むしろちょっと笑えたり微笑ましかったりの正に日常の謎。 短編でありながらも謎解き部分もしっかりとしていたし、伏線の張り方がさりげなくちょうどいい感じ。登場人物もそれぞれ好ましかった。 本分の中で大事な役割を担っているのがタイトルを同じとする「ななつのこ」という小説、こちらの中身も中々楽し気で、さらにラストでこの入れ子構造にもう一段被せてくる仕掛けにはやられた。 続編があれば読みたいと思わせてくれる一冊。
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簡潔で読み易い文章でしたが、何か文章の合間合間に色々詰まっていて非常に読み応えのある感じだった。 ミステリーとしてより、只単純に物語として面白かった。
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昔読んだ感想が、あっさり「おもしろかった」としか書いてなくて、内容が思い出せずに読んだの。そうか、感想を内緒にしときたかったのか。
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鮎川哲也賞。日常系ミステリというらしい。 主人公の女性が子供の頃読んだ「ななつのこ」というお話。 ファンレターがきっかけで、その作者との手紙をやり取りするようになった主人公。 その手紙につづった主人公の日常の出来事が、実は「ミステリー」で、別の結末があることを、物語の作者が解き明かす。 「ななつのこ」の中のお話も、その「ミステリー(とも呼べない出来事)」に上手に絡ませて、優しくきれいにまとまっているとは思いましたが、大きな感動はない。 1回読んだらそれでいいかな。 表紙の絵(たぶん「ななつのこ」の主人公の少年)がちょっとグロテスクで不気味な感じだったので、そういったお話かと思ってしまいました。 内容に合わせて淡彩とかの装丁の方が良いのでは。
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なぜだか判らないけれど、心惹かれて止まない作品を著した作家さんへと、生まれて初めてファンレターなるものを出したことから、それは始まった。 駒子さんシリーズの記念すべき1作目。 殺人事件を解決するだけがミステリじゃないと改めて思う。 「こうじゃないかな、と思うのです。」 と、断...
なぜだか判らないけれど、心惹かれて止まない作品を著した作家さんへと、生まれて初めてファンレターなるものを出したことから、それは始まった。 駒子さんシリーズの記念すべき1作目。 殺人事件を解決するだけがミステリじゃないと改めて思う。 「こうじゃないかな、と思うのです。」 と、断定するのではなく、あくまで考え得る可能性を示唆するにすぎない推理。 そのことが逆に、やさしさを生んでいるのかも。 白黒つけることだけが、良いことじゃないって、気づかせてくれる。 ほんわかしたラストもよかった。
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