尼将軍政子(3 実朝篇) の商品レビュー
著者の小説家としての性がそうさせるのか、文学に秀でていた実朝は、このシリーズを通じて唯一好意的に描かれている人物。頼家といい、実朝といい、どちらも大学生くらいの年頃。いくら貴種とはいえ命懸けで権力争いを繰り広げている武士社会の頂点に君主し、坂東の猛者どもを従えて行くのは容易ではな...
著者の小説家としての性がそうさせるのか、文学に秀でていた実朝は、このシリーズを通じて唯一好意的に描かれている人物。頼家といい、実朝といい、どちらも大学生くらいの年頃。いくら貴種とはいえ命懸けで権力争いを繰り広げている武士社会の頂点に君主し、坂東の猛者どもを従えて行くのは容易ではないのは明白。それにしても「実朝編」では「頼家編」に比べると政子はやや大人し目なのに対し、北条義時に良いように使われる三浦義村の滑稽な役回りは印象に残った。今度鎌倉にゆく時には和田塚を見に行こうっと。
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