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殺人書簡集 の商品レビュー

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2024/10/22

佐野洋のミステリ短篇集『殺人書簡集』を読みました。 佐野洋の作品は先月に読んだ『墓苑とノーベル賞 岩中女史の生活記録』以来ですね。 -----story------------- 小泉法律事務所に届いた一通の手紙。 差出人は福島武彦。 妻の不貞による離婚訴訟の問い合わせだが、依...

佐野洋のミステリ短篇集『殺人書簡集』を読みました。 佐野洋の作品は先月に読んだ『墓苑とノーベル賞 岩中女史の生活記録』以来ですね。 -----story------------- 小泉法律事務所に届いた一通の手紙。 差出人は福島武彦。 妻の不貞による離婚訴訟の問い合わせだが、依頼人は姿をみせず、往復書簡による方法にこだわった。 これまでの書簡では不貞の立証がむつかしいことを通知すると依頼人の連絡は途絶えてしまった―。 法律の条文を駆使し、完全犯罪を企むのは誰か? 軽妙なタッチでミステリー・ランドに誘い込む珠玉の短編小説集。 ----------------------- 1962年(昭和37年)に刊行された作品です。 ■殺人書簡集  ・完全離婚  ・失踪計画  ・お試し下さい ■かわいい悪魔  ・愛すればこそ  ・御用の節は  ・一等車の女  ・割れたガラス  ・あなたも犯罪者  ・迷惑なプレゼント ■推理小説を読みましょう  ・E・Pマシン(問題篇)  ・E・Pマシン(解決篇)  ・推理小説を読みましょう ■解説 北村孝之 『殺人書簡集』の3篇は、手紙のやりとりだけで構成された企画色の強い作品……手紙だけに、送った人物の主観で書かれており、そこに受け取る人物を陥れようとする陰謀、謀略が含まれている場合もあるのですが、そこに最後まで気付けず、巧くミスリードさせられる展開が愉しめましたね。 『かわいい悪魔』の6篇は、比較的ソフトなミステリ……軽めだけど、皮肉な結末、推理ゲームが愉しめましたね。 『推理小説を読みましょう』の3篇は、本格ミステリを意識した『E・Pマシン(問題篇)』、『E・Pマシン(解決篇)』と推理小説好き、マニア振りが発揮された『推理小説を読みましょう』で構成されていました……E・PマシンのE・Pは"Enemy of Police(警察の敵)"の略だそうで、これは警察組織の捜査技術を皮肉った命名でしたね。 重くなく、気分転換にちょうど良いくらいの一冊でした……手紙というツールもメールやSNSに置き換えれば、現代でも愉しめる展開だし、60年以上前の作品とは思えないクオリティでしたね。

Posted byブクログ