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ガルシン短篇集 の商品レビュー

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2014/02/16

 ロシアの作家といえばトルストイやドストエフスキーなどの長編作家が有名だが、こんな素晴らしい短編の作家もいた。以前は日本の教科書にも登場したことのある短編の名手で広く読まれていたそうだ。「英語で読む村上春樹」(1月号)で短編作家であるガルシンが紹介されていたので読んでみた。チェー...

 ロシアの作家といえばトルストイやドストエフスキーなどの長編作家が有名だが、こんな素晴らしい短編の作家もいた。以前は日本の教科書にも登場したことのある短編の名手で広く読まれていたそうだ。「英語で読む村上春樹」(1月号)で短編作家であるガルシンが紹介されていたので読んでみた。チェーホフに先行する短編作家としてロシア文学では重要な地位を占めているという。  ガルシンは優秀な短編作家と言われるだけある。戦争ものから子どもたち向けの童話まで、それぞれの作品に惹きつけるものがある。  この短篇集では処女作といわれる冒頭の「四日間」そして次の「臆病者」は戦争がテーマになっている。当時のロシアでは戦争が大きな社会問題となっていたのだ。  しかし他の作品にはメルヘンチックなものもあり、ガルシンの柔軟性が現れていると言えるのではないだろうか。ただ、比較的評価の高い「赤い花」は、私はあまり良く理解できなかった。解説を熟読し、落ち着いて再読してみたい。そうすれば些か理解が深まるかもしれない。  Kindle版を購入した「憂愁のロシア文学傑作集」には、この短編集に収められていない2つの作品(「アツタレーア・プリンケプス」「夢がたり」)が収録されており、そちらを読むのも楽しみである。

Posted byブクログ