秩父宮と昭和天皇 の商品レビュー
私が生まれた年に亡くなった私にとって謎の故人であった秩父宮という魅力的な人物が昭和天皇の1歳下の弟として生まれ、才気煥発、行動的、庶民的であった故に国民の英雄となり、2・26では陸軍から担がれそうになったり、戦後、昭和天皇に代わる新天皇の候補として名前が挙がったり、いろいろな意味...
私が生まれた年に亡くなった私にとって謎の故人であった秩父宮という魅力的な人物が昭和天皇の1歳下の弟として生まれ、才気煥発、行動的、庶民的であった故に国民の英雄となり、2・26では陸軍から担がれそうになったり、戦後、昭和天皇に代わる新天皇の候補として名前が挙がったり、いろいろな意味で天皇や側近から誤解を受けたこと。また、親英主義で戦争に反対しながら、ずっと過激派として誤解を受け、兄天皇のため、そして天皇家に仕える弟宮として2人の弟、高松宮、三笠宮の模範となろうとし、仕事・勉強に粉骨を惜しまず、遂に肺結核で若い命を失う悲劇の皇子。寂しい秩父宮の晩年。遠い昔ではなく、ついこの間、昭和にこのような歴史があったことを感動とともに知りました。特に高松宮との美しい兄弟愛、そして兄天皇との悲劇の擦れ違い、死に際に遂に遭えなかった兄天皇の孤独、兄弟の人生のドラマとともに、天皇を無視し、戦争に突入していく陸軍の愚かさ、著者の豊富なヒアリングに基づく史実の再現に涙を禁じ得ませんでした。
Posted by
- 1