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殺意の風景 の商品レビュー

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ミステリアスな掌編小…

ミステリアスな掌編小説集。うすらさむく無気味な感じがよく出ていて、かなり面白いです。

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省略の多い文体で綴ら…

省略の多い文体で綴られる、冷徹で恐ろしい世界。グロくない平山夢明といった感じで、かなり面白いです。

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こういう感じの本も書…

こういう感じの本も書くんだ、と意外な一面を見た気がした。

文庫OFF

2016/08/28

鉄道紀行の大家による、異色のミステリー短編集。全18話(雑誌連載当時は20話だったらしい)に殺人シーンは一度も出てきません。それでも人は死んでいるかもしれない、あるいは全て思い過ごしなのかもしれない。描かれるのは、殺してやろうという、あるいは殺されるかもしれないという心理描写。そ...

鉄道紀行の大家による、異色のミステリー短編集。全18話(雑誌連載当時は20話だったらしい)に殺人シーンは一度も出てきません。それでも人は死んでいるかもしれない、あるいは全て思い過ごしなのかもしれない。描かれるのは、殺してやろうという、あるいは殺されるかもしれないという心理描写。その心模様が地理にことさら造詣の深い作者による風景描写と織り交ざって、何とも不思議な読後感を与えてくれます。 本業ではないジャンルだけあって、筆致にはどこかぎこちない部分もあります。特に、女性の一人称語りには少々違和感が。でもこれ、"プロ"のミステリ作家には書けない作品でしょうね。門外漢だからこその思いもかけない切り口が全編を通して冴えわたっています。 舞台のチョイスや登場人物のセリフの端々には、氏の鉄道紀行を連想させる部分が相当散らばっています。宮脇ファンから見ても本作は決して亜流ではなく、むしろ読めば読むほど味が深まる作品かと思います。 ちなみに本作、直木賞候補作だったとか。もし受賞していれば、宮脇俊三の名は鉄道紀行の第一人者としてではなく、異色のミステリ作家として世に知られる事となったかもしれません。人生って不思議です。

Posted byブクログ