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ガラスの動物園 の商品レビュー

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59件のお客様レビュー

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2016/10/24

複数のバージョンが出ているが、これは映写機を取り入れた初版に近いバージョンが定本になっている。主人公の姉は、作者自身の姉をモデルにして創造されたキャラらしい。救いのない話ではあるが、家族をテーマにした劇の中でも文句なしの名作。

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2016/02/17

 たとえ そぼふる雨といえども―  経済組織が崩壊へ向かっていた古き時代セント・ルイス市の裏通り。無数の集団の陰に隠れた中産階級家庭に住む3人家族の姿を描いた遥かなる追憶の戯曲。  「地上から光が消えたとき、モーゼはどこにいましたか?」アマンダ  いつでも明日に目を向けられ...

 たとえ そぼふる雨といえども―  経済組織が崩壊へ向かっていた古き時代セント・ルイス市の裏通り。無数の集団の陰に隠れた中産階級家庭に住む3人家族の姿を描いた遥かなる追憶の戯曲。  「地上から光が消えたとき、モーゼはどこにいましたか?」アマンダ  いつでも明日に目を向けられることが強みの母。前を向くことは大切かもしれませんが、角度を変えてみると周囲に目を向けられない弱さが浮き彫りになってしまうこともあります。  「ガラスってすぐ壊れますわ。いくら気を付けていても、ね」ローラ  自己肯定感の不足により自分自身を縛り付ける姉。他人との違いを受け入れることが時には枷にもなり得るということ。儚いものには儚いだけの理由があるのかもしれません。  「なにが遠いといっても、時のへだたりほど遠いものはないでしょう」トム  夢と現実の違いを受け入れ、どこか斜に構えた語り部。凝り固まった現実は、自分を客観的に見つめることで徐々に望む方へと動き始めます。それ相応の対価と引き換えに。  文章中の科白や行動の連なりがそこにある人生を劇的に照らし出しています。舞台背景や場面転換だけではなく音楽・照明に関しても逐一詳細な表記が成されているという、ハリウッド映画にも影響を与えた本当に舞台の台本のような一冊。  そんなお話。

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2015/11/13

テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』新潮文庫 この母親から一切の愛情を感じないあたりがむしろ清々しい。 建前では息子や娘のためと言いながら、結局のところ自分のことしか考えていない。

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2015/05/23

姉の境遇と、母、そこから逃げ出したい弟、読んでいて苦しい、自分のことの様に感じられたけれど、希望も絶望もそのまま描かれていることでどこか救われたような気持ちになった。2作品しか読んでないけどテネシー・ウイリアムズってすごい作家だなーと感動しました。

Posted byブクログ

2015/03/14

20150228読了 リアリズム演劇というものを提示した、テネシーウィリアムズの作品。 分かりやすい物語、前向きな成長、美しい哀しみ、そこからくる神への畏怖、などを否定しているような日常を切り取った作品。ごく個人的な内面を描くことで、普遍性を浮き彫りにしている。 舞台表現に関し...

20150228読了 リアリズム演劇というものを提示した、テネシーウィリアムズの作品。 分かりやすい物語、前向きな成長、美しい哀しみ、そこからくる神への畏怖、などを否定しているような日常を切り取った作品。ごく個人的な内面を描くことで、普遍性を浮き彫りにしている。 舞台表現に関しては、当時としては前衛的と言えるような、場所、舞台装置を否定するもの。抽象での舞台美術の表現にチャレンジしている。それだけに、抽象性をもつ装置の意味は伝わりやすい。 また、物語の視点、誰が話を見ているのかを、裏切りを用いて表しているのか?(姉の期待はあっけなく打ち砕かれる!() 舞台表現のあり方を再認識する、舞台ならではの面白さが味わえる作品。

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2014/10/25

【本の内容】 不況時代のセント・ルイスの裏街を舞台に、生活に疲れ果てて、昔の夢を追い、はかない幸せを夢見る母親、脚が悪く、極度に内気な、婚期の遅れた姉、青年らしい夢とみじめな現実に追われて家出する文学青年の弟の3人が展開する抒情的な追憶の劇作者の激しいヒューマニズムが全編に脈うつ...

【本の内容】 不況時代のセント・ルイスの裏街を舞台に、生活に疲れ果てて、昔の夢を追い、はかない幸せを夢見る母親、脚が悪く、極度に内気な、婚期の遅れた姉、青年らしい夢とみじめな現実に追われて家出する文学青年の弟の3人が展開する抒情的な追憶の劇作者の激しいヒューマニズムが全編に脈うつ名編で、この戯曲によって、ウイリアムズは、戦後アメリカ劇壇第一の有望な新人と認められた。 [ 目次 ] [ POP ] 「幸福な家庭はみな同じに見えるが、不幸な家庭はさまざまだ」とトルストイは書いた。 生誕100年になるアメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズ(1911~83年)は、その不幸を現実の出来事ではなく追憶の物語として描いた。 舞台となる1930年代のセントルイスの裏町のアパートは、ギリシャ悲劇に出てくる宮殿のような威厳と悲壮な美しさを備えている。 貧しく希望のない生活を送る母と姉、主人公の青年の3人家族は、現実から逃れようとそれぞれ夢想にふける。 だが、それはガラス細工の動物のようにもろく、壊れやすい。 彼らは、作者によれば「アメリカ社会における最大にして基本的には奴隷化されている」階層に属する。 作者自身の生い立ちが投影された「ガラスの動物園」には、大恐慌後の米国を覆った閉塞感があふれている。 にもかかわらず、登場人物たちはドラマが進むにつれ、暗い舞台照明の中でそれぞれ不思議な輝きを見せ始める。 なぜなら、その姿は普遍的な人間の悲哀に満ちているからだ。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2014/05/07

おそらく三十年ぶりの再読。豊崎由美さんの「まるでダメ男じゃん!」に出てきて読みたくなり、本棚から(まさに)発掘。紙は変色してるし、字は小っちゃいし(昔の文庫ってほんとに字が小さい。中高年は文庫を読まなかったのか?)読みづらいのなんの。それでもやはり面白くて一気に読んでしまった。 ...

おそらく三十年ぶりの再読。豊崎由美さんの「まるでダメ男じゃん!」に出てきて読みたくなり、本棚から(まさに)発掘。紙は変色してるし、字は小っちゃいし(昔の文庫ってほんとに字が小さい。中高年は文庫を読まなかったのか?)読みづらいのなんの。それでもやはり面白くて一気に読んでしまった。 以前読んだときどう思ったかは、もはや定かではないけれど、まず間違いなくその時とは違う感慨を抱いたのは、ヒロインであるローラの母アマンダについてだ。若かった私にはこのアマンダの心の内はわからなかったと思う。ただ愚かで支配的な母親だとしか思わなかったに違いない。今は、このアマンダの優しさや、報われない善良さが悲しく胸に迫ってくる。痛切なラストも、ローラと同じかそれ以上にアマンダに心を寄せて味わった。 豊崎さんも書いていたが、まったくこの話には「救い」というものがない。それでいて実に美しい。文句のない名作。

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2014/04/12

[配架場所]2F展示 [請求記号]908/S-1 [資料番号]2004129470、2001102450、2001102451

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2014/02/18

忘れようとしても忘れられない姉を追憶の中に思い出す。終盤になってこの物語は過去だったのだと読者は気づく。姉の不幸がモチーフとなって音楽やガラスの動物となって度々表れる。 どうしようもない悲しみが静かな音楽となって全編を流れている。

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2014/01/30

the glass menagerie by Tennessee Williams for the drama. i take part in translate him a few part. you may look after ネタバレ。the stage seems th...

the glass menagerie by Tennessee Williams for the drama. i take part in translate him a few part. you may look after ネタバレ。the stage seems the recollection. An inferiority complex. anyway, i want to namedTOM/JIM another.

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