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愛はさだめ、さだめは死 の商品レビュー

3.5

54件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2013/01/01

「接続された女」が特に良かったです。読んだのはかなり前なのですが、一番印象に残っているのがこれです。映像が頭の中に、今も鮮やかに浮かびます。

Posted byブクログ

2012/12/27

「ティプトリーとはだれ、はたまた何者?」(ロバート・シルヴァーバーグ) 「すべての種類のイエス」 「楽園の乳」 「そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした」 「エイン博士の最後の飛行」 「アンバージャック」 「乙女に映しておぼろげに」 「接続された女」 「恐竜の鼻は...

「ティプトリーとはだれ、はたまた何者?」(ロバート・シルヴァーバーグ) 「すべての種類のイエス」 「楽園の乳」 「そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした」 「エイン博士の最後の飛行」 「アンバージャック」 「乙女に映しておぼろげに」 「接続された女」 「恐竜の鼻は夜ひらく」 「男たちの知らない女」 「断層」 「愛はさだめ、さだめは死」 「最後の午後に」 二冊目の短編集とのこと。初期のころの作品はけっこう手法が違うのだと感じた。「すべての種類のイエス」や「アンバージャック」などは、いまいちよくわからない。 以下、好きな作品。 「エイン博士の最後の飛行」 短いながらも、最後の反転が見事。すっきり決まっている。 「接続された女」 濃密なサイバーパンク。朝倉久志の訳が『ニューロマンサー』ばりにキレ過ぎていて、収録作のなかで文章が飛びぬけている。 「男たちの知らない女」 後半の数作に通じる物語。このときから、もう果てしなく遠くに行きたいというモチーフが出ていたみたい。それが宇宙の果てまで行くと。 男女の間合いの描き方が秀逸。 「愛はさだめ、さだめは死」 残酷さを感じしてしまうような厳しい生態をもつ、異星の生物の一人称で語られる本能と愛の物語。テクノロジーなどはないが、SFの面白さというものがこれにはあると思う。人間とはかけ離れた生物でありながらも、意思や愛をもち、さだめ=本能にさからい難いながらも、自分たちだけのさだめを創ろうと試みる。こうしたまるで異なったモノたちの生き様に、感動を覚える。 「最後の午後に」 映像で見たくないレベルで、襲来する怪物たちが怖い。 甲殻類で、船なみの大きさかつ給水塔の高さまで性器を屹立させた雄に、同じく巨大で腹を膨らませた雌。生殖の際にはクレーターができるほどの荒々しさ。ちょんぎれる首。 さらに巨大な10メートルを超えるものもやってくる……。 悪夢のよう。 生物の本能がそのまま剥き出しになったようなグロテスクな怪物たち。 それと主人公が守ろうとする村の営みとの対比がなんとも。 これも「男たちの知らない女」系列の作品。 いい感じだったけど、やはり「ひえびえとした嫌悪感」に襲われてしまう。 「血と生殖と子育てから永久に解放され、自分の本質、真の自己になって、たったひとりであそこへ……」 ティプトリー凄いんだけど、著作数が少な過ぎて読むのがもったいなく感じる。訳されてるの全部読んだら未訳のあるようなので読みたい。

Posted byブクログ

2012/06/01

人間だけで無くて異星生物、生き物全ての抗いようのない悲しい性を描いたモノもあるかと思えばはかばかしいサイケデリックな話もあったり、SFだけとそれほど小難しくもない。 どこか遠い世界の御伽話だと思えばこのジャンルに今まで手をつけてなかった人にも読みやすい一冊です。

Posted byブクログ

2012/04/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

実に独特な世界観を表現する短編SF集。表題の『愛はさだめ、さだめは死』に代表されるように、人間に限らずエイリアンを含めた生命というものの美しくない一面を精神的にあるいはグロテスクにえぐり出す。最後の物語『最後の午後に』が私にはいちばん興味深かった。

Posted byブクログ

2012/04/01

1970年代に発表されたSFの短編。 訳がよくないのか、前半のほうはさっぱり頭に入ってこなかったので、本のタイトルにもなっている物語のみ、読んだ。 六本足をもった生き物の一人称で語られる。話を読み終えるとそれが何のいきものかが分かる、そんなお話。

Posted byブクログ

2012/04/30

ネビュラ賞を受賞した表題作のほか、ヒューゴー賞に輝く「接続された女」など、全12編からなる短編集。 最初の2~3編を読んだ時点で、本をやぶって窓から投げ捨てようかと思った。 訳のせいもあるが、文章が荒れてて、とにかく読み辛い。内容を理解しようと読み手が歩み寄らないといけない。そ...

ネビュラ賞を受賞した表題作のほか、ヒューゴー賞に輝く「接続された女」など、全12編からなる短編集。 最初の2~3編を読んだ時点で、本をやぶって窓から投げ捨てようかと思った。 訳のせいもあるが、文章が荒れてて、とにかく読み辛い。内容を理解しようと読み手が歩み寄らないといけない。それだけ読者を遠く見離してる感があった。 とはいえ、以前読んだ「たったひとつの冴えたやりかた」が比類なき傑作だったから、我慢して読み進めた。 すると、「エイン博士の最後の飛行」や「接続された女」あたりから面白くなってきた。 この作者、発想もさることながら、その描き方が極めてエネルギッシュで力強い。本能に抗う生物の苦悩と陶酔を描いた表題作を読み終えた後なんて、たった40頁の長さなのに、その圧倒的パワーの前に打ちのめされ、ただ茫然と虚空を眺めることしかできなかった。 他にも「断層」「男たちの知らない女」「最後の午後に」など傑作が続く。 「断層」は、時間から取り残されるという着眼点が面白い。 極限の状況下で、人類という枠から外れることを迫られた人間たちを、したたかに描いた「男たちの知らない女」と「最後の午後に」 とりわけ後者には、再び打ちのめされることになった。暴れ狂う怪物の造形は目を見張るものがあったし、その衝撃的な顛末のせいで、読後は底なしの虚無感に包まれた… そして、これら傑作と肩を並べる作品が、解説(というか作者の紹介)であろう。「事実は小説よりも奇なり」という言葉をかっさらう作者の人生は、それだけでひとつの優れた作品になる。 まったく、何度この本にノックアウトされりゃいいんだ…

Posted byブクログ

2011/12/22

うん、うーん・・・ これは合わなかった。それも、1作目から合わない感をずっと感じていた。 唯一「断層」が面白いと感じた。 本編よりも最初と最後の解説の方がむしろ面白い。 けど、これは女性の作品だろ~

Posted byブクログ

2011/12/03

 とっても刺激的な短編集。発想がいいし、彼女の哲学はもっといい。 個々には「接続された女」はなんか頂点にあるような感じだし、「男たちの知らない女」も読んだ当時ショックだった。

Posted byブクログ

2011/11/21

面白い視点で物事を捉え、 それを上手く表現できる人だ。 様々なテイストの作品が綯い交じった素晴らしい短編集。 表題作には強く惹きつけられた。 「接続された女」1974 年 ヒューゴー賞中長編小説部門受賞。 「愛はさだめ、さだめは死」1973 年 ネビュラ賞短編部門受賞。

Posted byブクログ

2011/11/12

定められた愛だって定められた死には勝てない。死はすべてを包み凍らせる。煉獄のように綺麗な星の下で燃え続ける。それが人間であろうとも宇宙人であろうとも。

Posted byブクログ