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占星術殺人事件 の商品レビュー

4.1

399件のお客様レビュー

  1. 5つ

    144

  2. 4つ

    134

  3. 3つ

    79

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

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2021/05/08

これぞ、ミステリー! 小学生の時に金田一少年読んでたので、噂には聞いていたものの…。 もし生まれ変わったら、金田一少年読む前に占星術殺人事件読むぞ!と誓った。 少し昔と今とでは、ミステリーの前提条件が全く違います。 携帯電話、防犯カメラ、DNA鑑定。 昔のミステリー小説には、こ...

これぞ、ミステリー! 小学生の時に金田一少年読んでたので、噂には聞いていたものの…。 もし生まれ変わったら、金田一少年読む前に占星術殺人事件読むぞ!と誓った。 少し昔と今とでは、ミステリーの前提条件が全く違います。 携帯電話、防犯カメラ、DNA鑑定。 昔のミステリー小説には、これらの要素が出てこないので、いくら面白くても「古臭いな」と思えてしまうものでした。 でもこの本は、元々戦前の未解決事件を解くという大義名分があるので、その古臭さをむしろ武器にしている節すらある。 トリックもすごいのだ。 残念ながら私は薄々知ってしまっていたのだけど、これを思いついた島田荘司氏のこと、天才としか言えない。 語彙力のない自分が残念。 そして、復讐者の悲壮。 最後の手記を読み終わり、私はしばらく呆然として頭の中がまとまらなかった。 殺人者、復讐者が背負うものについて、重く、苦しい気持ちになった。 思えば、私が昔から親しんだミステリーは、こういう復讐者の悲しみが丁寧に描かれていたんだな。 それが、たんなる謎解きを超えた、読み物としての読み応えを与えているんだろうな。

Posted byブクログ

2021/05/04

占星術師の御手洗潔が、ある女性の依頼を受け、40年前の昭和11年に起こった伝説的な未解決猟奇殺人事件に挑む。問題の事件は梅沢一家に発生した三つの殺人が絡む。第一に、画家の梅沢平吉が自身のアトリエで殺害された密室殺人事件。第二に、一人暮らしをしていた平吉の長女、一枝の強姦殺人事件。...

占星術師の御手洗潔が、ある女性の依頼を受け、40年前の昭和11年に起こった伝説的な未解決猟奇殺人事件に挑む。問題の事件は梅沢一家に発生した三つの殺人が絡む。第一に、画家の梅沢平吉が自身のアトリエで殺害された密室殺人事件。第二に、一人暮らしをしていた平吉の長女、一枝の強姦殺人事件。最後が問題の事件で、平吉の娘や姪などの若い六名の女性が行方不明となった後に、その遺体が日本各地において発見され、六人の娘たちの殺害は、生前に平吉が残したとされる手記に正確に則って実行されていた。手記において平吉が目的としていたのは六名の処女たちの身体の各部を切り取って組み合わせることで、「アゾート」と呼ぶ人体模型を作りあげて悪魔に捧げるという狂気的な試みにあった。 物語は平吉の病的な手記に始まり、御手洗の友人でミステリ好きのイラストレーター石岡によって梅沢一家殺害の詳細が解説される。これに依頼主である女性が御手洗に提示した、事件に間接的に関わった父が遺した未公開情報が加わり、一連の事件に関する情報が出揃う。ここまでで作品全体の約半分が経過している。 探偵役の御手洗と助手役にあたる石岡の関係は、ホームズとワトスンのそれである。作中にも二人が探偵ホームズシリーズ作品について問答を繰り広げるシーンが存在する。インスピレーションを得て御手洗が事件の真相に気付く件や、物語全体が石岡の視点によって進む展開についても、ミステリにおける典型的な探偵と助手の役割を踏襲している。事件そのものは、40年前に設定した古めかしさや、悪魔崇拝や猟奇的な殺人内容のおどろおどろしさから、横溝正史作品を連想させられた。 解決に必要な全ての情報が出揃う段階で、読者に向けられた挑戦状が提示される作品で、本作はその挑戦状が二段階となっていることも特徴である。謎解きを目当てにミステリを読む方にとっては、より楽しみが多い作品だろう。肝心のトリックについても基本的にフェアかつ、驚きもあり納得できる仕掛けだった。全体ついては、かなり過去の事件を扱うという設定上、手記や資料による情報が多いために机上での展開が多い。主人公コンビのやりとりについては紋切型の域を出ないもので、キャラクターにはあまり魅力を感じなかった。 総じて、トリックについては楽しめたものの、味気ない経過を辿るためにページ数を長く感じる作品でもあった。要するに、トリックの披露に特化して短い紙数に収まっていれば、個人的にはもっと高く評価できる作品だった。時代の移ろいも感じさせる、エピローグにあたる最終章にはミステリを離れた小説らしい手触りもあり、好感をもった。

Posted byブクログ

2021/03/24
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手記が平吉のものではないのは序盤でなんとなくわかった、犯人は多恵さんかなと思っていたがはずれた 多恵さんはただただ純朴で善良な人でした 期待して読んだが、迂回が長くわくわくする場面もなく…淡々と終わってしまった 本格ミステリーは私には合わないのかも…

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2021/01/22

読者への挑戦の形式で、とても面白かったです!私は全然解けなかったのですが、謎解きのパートを聞くとこんなにヒントがあったのにどうして解けなかったんだろう!?と思うんですよね。きちんと解ける人もいるだろうから悔しいんですけどそれが本当に面白い!探偵役の御手洗さんも説明役の石岡さんもと...

読者への挑戦の形式で、とても面白かったです!私は全然解けなかったのですが、謎解きのパートを聞くとこんなにヒントがあったのにどうして解けなかったんだろう!?と思うんですよね。きちんと解ける人もいるだろうから悔しいんですけどそれが本当に面白い!探偵役の御手洗さんも説明役の石岡さんもとても魅力的ですので、ぜひ読んでこの謎を解いてみてほしいです!

Posted byブクログ

2020/12/28
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お勧め度:☆6個(満点10個)よく、推理小説の傑作として挙げられる本作ではあるが、ちょと私には合わなかったかもしれない。第一に「占星術」?あまり関係ないじゃないか!と突っ込みたくなる。ネタバレになるので詳しくは言えないけど、占星術ならそれなりの占いらしきものがあるかと思えばそうでもなく、ただ単に6人の女性を作りたかっただけなんじゃないかなと思う。それと、あまりにも、偽装工作に凝りすぎ、40年も前のバラバラ殺人事件の答えがこれだとはちょっとどうかなとも思う。ただ、内容のおどろおどろしさはいいと思うけど。

Posted byブクログ

2020/12/01

デビュー作でこの内容というのは、その後の作品を読むまでもなく凄い作家だ。とにかく、裏をかかれ続けている。話の展開だけでなく、歴史や地理、はたまた怪しげな占いまで網羅しているのには、厭きれてしまう。

Posted byブクログ

2020/11/14
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著者の、芸術や建築の知識が豊富で、途中分からない用語が多くあって、スマホ片手に調べながら読み進めました。 首から上が無いのなら、犯人は時子なのだろうなと予想しつつも、トリックは読むまで全く想像つきませんでした。 この時代だったからこそ出来たことと思いますが、現代はDNA鑑定があるので難しいトリックだろうと思います。 多恵にとって、時子と再会できたことが救いでありますようにと願ってやみません。 素晴らしいミステリーに出会えました。

Posted byブクログ

2020/11/11
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トリックも伏線回収も素晴らしく大満足な傑作です。ただアゾートのトリックは、金田一で見たような…と思って調べたら過去に色々あったんですね。とりあえず最高な一冊でした!

Posted byブクログ

2020/09/26
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いや~、私には文章難しかった。20ページ/日ペースで辛かったのですが、読友さんから「200ページ目以降は一気に動くよ」と教えていただき、頑張りました。本当に一気に行きましたね。何度も行ったり来たりして、読破まで1週間。トリック・動機については、「うむ!」と納得。しかし、実行可能性は「?」。もう一つ、御手洗のパーソナリティ、好きになれないなー。ちなみに私は「張宿」(有形無形の「援助運」に恵まれた宿。 小さなことにはこだわらず、周囲からの好感度は抜群、でも自信過剰で嫌われる)。うーん、でも気に入った!

Posted byブクログ

2020/07/24

最初が読むのが辛かったけど、途中からは読みやすくなった。トリックが意外で気づかなかったな〜って感じでした!

Posted byブクログ