スタンド・バイ・ミー の商品レビュー
人間には時々分かれ道がある。本人が望んで進む道、仕方なく選ぶ道、誰かが決めた道。 子どもの苦悩を吐露するクリスはきっと、素敵な大人になれたはずなのに。
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近頃は「スタンド・バイ・ミー」といえば「ドラえもん」。 本来はロブ・ライナー監督の映画のタイトルとその主題歌。 今でも私のiPhoneには、ジョン・レノンによるカバーヴァージョンが生きている。 映画の原作者がスティーブン・キングであることは知っていたが、原題が『THE BODY...
近頃は「スタンド・バイ・ミー」といえば「ドラえもん」。 本来はロブ・ライナー監督の映画のタイトルとその主題歌。 今でも私のiPhoneには、ジョン・レノンによるカバーヴァージョンが生きている。 映画の原作者がスティーブン・キングであることは知っていたが、原題が『THE BODY(死体)』で邦題『恐怖の四季』の中の「秋」の物語であることは、恥ずかしながら知らなかった。 少年期の物語としてはあまりにも有名で、今更付け加える言葉はない。 ただ、あらためてよんでみて、キング独特の「こねくり回した」文章で描かれるのは、「不良少年」「汚い言葉」「嘔吐物」に「身体についた大量のヒル」、挙げ句の果てに「少年の死体の口から虫」と……。 にもかかわらず読み終わって一息つくと、「なんで気高く美しく物悲しい物語か」と感じてしまう……不思議です。(最大のホラーかも) これだけ、小説、映像、音楽が互いに各々を高めた例は、他に思い当たらない。 あと、キング自身による「まえがき」は、ホラー小説家としての「心意気」が伺え、一読の価値あり。 (ちっとも出てこなかったけど、『マンハッタンの奇談クラブ』(冬の物語)も不思議なお話でした)
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再読。 スタンド・バイ・ミーは映画の印象の方が強く、改めて読み直すと、映画と違っているシーンが結構ある。それはそれで両方とも一向に構わないのだが、小説で語られる細やかな心情は、やはり深みがある。 マンハッタンの奇譚クラブは不思議な物語。まさに、奇譚そのもの。とっておきの不可思議な...
再読。 スタンド・バイ・ミーは映画の印象の方が強く、改めて読み直すと、映画と違っているシーンが結構ある。それはそれで両方とも一向に構わないのだが、小説で語られる細やかな心情は、やはり深みがある。 マンハッタンの奇譚クラブは不思議な物語。まさに、奇譚そのもの。とっておきの不可思議な物語が語られる。
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子どもならではの、感情剥き出しの旅に何か懐かしさなどを感じた。ゴーディーは作家になり、12歳のあの旅を共にした様な友達はずっとできないと述べた。 クリスは家庭に恵まれず、ゴーディーは死んだ兄と比べられ、みんなが何か家庭に問題が抱えていた。子どもにとって家族は、自分の属する大きな世...
子どもならではの、感情剥き出しの旅に何か懐かしさなどを感じた。ゴーディーは作家になり、12歳のあの旅を共にした様な友達はずっとできないと述べた。 クリスは家庭に恵まれず、ゴーディーは死んだ兄と比べられ、みんなが何か家庭に問題が抱えていた。子どもにとって家族は、自分の属する大きな世界で大きな影響を与える。 悩みをぶつけ助け合う姿は、子どもならではの純粋さを感じた。
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4本の中編小説をまとめた「恐怖の四季」のうち、秋・冬の2作を収録。 秋が表題作のスタンド・バイミー。 冬がマンハッタンの奇譚倶楽部。 スタンド・バイミーは映画にもなった著名作。 私も映画を先に見てるので、本作を読んでいて 場面場面で、映画のシーンが蘇りました。 映画は、ほぼ原...
4本の中編小説をまとめた「恐怖の四季」のうち、秋・冬の2作を収録。 秋が表題作のスタンド・バイミー。 冬がマンハッタンの奇譚倶楽部。 スタンド・バイミーは映画にもなった著名作。 私も映画を先に見てるので、本作を読んでいて 場面場面で、映画のシーンが蘇りました。 映画は、ほぼ原作に忠実に作られている感じですが、小説では登場人物の心理描写が丁寧に記されています。 また、旅の後の後日談が映画より長めになっています。 映画を視聴済みの方も一読をお勧めします。 マンハッタンの奇譚倶楽部は、キングらしい不思議な世界観です。 マッキャロンが自室の写真を見た時に、突然未婚の妊婦の結末を予期したクダリがありますが、そう感じるに至った理由めいたものがわかりませんでした。 写真に予期させる何かが写ってた?
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表題作は映画よりも純文学っぽい。なんでだろ。アメリカの夏の気怠い感じがよく伝わってくる。 最後の方のクリスとの別れのシーン、ジョジョ第3部のジョセフジョースターのセリフは本作から取っていたんだね。全然知らなかったよ。すごく好きなセリフだったのですぐにわかった。 全然期待していなか...
表題作は映画よりも純文学っぽい。なんでだろ。アメリカの夏の気怠い感じがよく伝わってくる。 最後の方のクリスとの別れのシーン、ジョジョ第3部のジョセフジョースターのセリフは本作から取っていたんだね。全然知らなかったよ。すごく好きなセリフだったのですぐにわかった。 全然期待していなかったもう一つの短編もすごくよかった。物語クラブの静かな謎めいた雰囲気から始まり、最後まで立派だった女の子の話になり、最後はまた物語クラブの少しこわい雰囲気に戻るという構成もよい。読んでいてバーに行きたくなった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
今さらながらの「スタンド・バイ・ミー」(笑)。 映画は10代の頃に通算3回位は観たけれど、原作本を読むのは、初めて。 ※映画の内容の記憶は… ・爽やかな青春ものだと 思って観たけれど、基本的にはどんよりとした雰囲気が終始貫いていた。 ・成人した主人公の昔語りで物語は進むのだが、彼以外のメンバーは既に亡くなっているという設定に、十代の自分はかなりガッカリした。 ・鉄橋で列車に追われる場面とヒルにやられえる場面、そして大惨劇となったパイ食い競争の場面は、忘れようにない程目に焼き付いた。 ・主題歌「スタンド・バイ・ミー」が、最っ高に格好良い♪ ・↑というわけで、映画自体は当時のお子ちゃまな自分にとっては“ガッカリした”部類に入る作品なのにも関わらず、主題歌が好きだもんで3回も観てしまった(笑)。 さて、本編。 【スタンド・バイ・ミー】 まず……翻訳ものの小説を読むことは、ほぼ20年弱ぶり? 同じくスティーヴンキングの「グリーンマイル」の映画版をレンタルで観る前に読んだのが最後だったかと。 英語話者特有の表現だからか?スティーヴンキングの作風なのか? (おそらくは、両方なのだろう…) 一般日本人が日常生活では使わないような比喩が乱発されて、読みにくいなぁ・・ってのが、読み始めの感想(笑)。 う~ん、、、単純な青春物語ではないやぁね、これは。。 4人の少年それぞれが抱えた闇は、ひと夏の冒険を機に解決されるわけではなく、、でも、それでも彼らの心に「何か」を遺したのだろう。 家庭環境が違えば抱える闇も、目指す未来も異なる…勉強の得手不得手も異なる“仲良し4人組み”の関係が永遠に続くはずがない、という“現実”も、大人になった読者の前にさも当たり前のように立ち塞がるんだな…初めて映画版を観た時には感じられなかった視点で読めたのが、新鮮な発見。 【マンハッタンの奇譚クラブ】 スティーヴンキングの“ふつうの”小説…と言いつつ、十分ホラーなのでは?とも思いつつ読み終えた(苦笑)。 “奇譚”という単語がよく似合う一編。(子供の頃に少年探偵団のシリーズを数冊読んだだけだけど、一般的なイメージとして)江戸川乱歩の世界観のような・・。 ・クラブを紹介した主人公のボスの意図はなんだったのか? (なぜ彼を選んだのか?) ・クラブの招待は? ・主人公は何を想像し、何を納得して質問を諦めたのか? ・現実には無い作家の文集や、実在しないメーカーのビリ ヤード台等は何処からきたのか? ↑がまだ謎のままだし…と口を尖らせるのは、こういう“奇譚”な物語を読む者としては“野暮”ってやつなのだろうか…。だとしたら、自分はやっぱり野暮ちんだ(苦笑)。 トータル ★4つ、7ポイント半。 2020.02.07.新。 ※中編2編の原題は 『The body』と 『The Breathing Method』だそうで。 直訳すると『肉体』(or『死体』)と『呼吸法』。。。 以前『アナ雪』のサウンド・トラックを買ったらついてきた、日本語版の歌詞カードと原曲版の歌詞カードを見た時にも思ったのだが・・ プロの翻訳家の意訳のセンスって、すごいなぁと改めて思った。 あ…「Different Seasons」が「恐怖の四季」との邦題にされたという点は、納得いかないけれど。 (まえがきから思うに、スティーヴンキング本人にも心外な邦題なのでは?) ※↑ 「アレンデールが危機な、の、よ~♪」が 「Arendelle is deap deap deap deap snow~♪」になるだなんて、素敵な意訳だなぁと。 (中学生英語並みの直訳だと「アレンデールは深い深い深い深い雪です」だったのが、物語の中の危機的状況とヒロインの切羽詰まった想いが同時に表現されている) ※原書を2分冊した前半が本書だとのこと、、「春夏編」も、ぜひ読まねば。 特に「刑務所のリタ・ヘイワーズ」は…好きな映画のベスト3(順は時おり入れ替わるが、1位の時がほとんど)に未だに入り続けている作品の原作だから。 ※あ……そういえば、大学1年の春、できたばかりの友人(奇しくも4人)と飲んでいたら終電を逃し…「スタンド・バイ・ミーごっこ」をしながら朝方やっと家に帰りついたという思い出が(笑)。“ごっこ”の具体例は書きません(笑)。
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※このレビューにはネタバレを含みます
金曜ロードショウでよく見た映画! 中学生、高校生のうちに見たほうが良い映画の一つ! 四人の少年達が子供の死体を探しに行く話ではあるものの、四人の少年達が抱える悩みが彼らの会話と回想から浮き彫りになっていく。 結果的に死体を見て彼らが成長したかどうかは物語からは読み取れないが、死体を見たことが彼らを成長させた訳でもなく前に進んでいく訳でもない。 エース達とのトラブルが原因かどうかは不明だがバーンとテディは離れていく。 そして映画では語られていなかったと思うが、悲惨な運命が彼ら二人を待ち受ける・・・ 映画よりも原作はグロテスクだと思う。 もう一つの話 マンハッタンの奇譚クラブは 適切ではないが幻想的という言葉が何故か浮かんでしまった!
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本書の冒頭でキングが書いているが、元々は長編制作の合間に書いた中、短編4作を “Different Seasons” (邦題は「恐怖の四季」) としてまとめたもの。本書はその第1部として秋編と、冬編「マンハッタンの奇譚クラブ」が収録されている。 秋編はスティーブン・キング作 大ヒ...
本書の冒頭でキングが書いているが、元々は長編制作の合間に書いた中、短編4作を “Different Seasons” (邦題は「恐怖の四季」) としてまとめたもの。本書はその第1部として秋編と、冬編「マンハッタンの奇譚クラブ」が収録されている。 秋編はスティーブン・キング作 大ヒットした映画「スタンド・バイ・ミー」の原作。 映画がヒットしたので「スタンド…」というタイトルになってるが、原題は “The Body” (死体)。行方不明になった少年の死体を探しに行く話だ。 キャッスルロックに住むクリス、バーン、テディ、ゴーディの4人は仲の良い悪ガキグループ。バーンが不良の兄の話を盗み聞きして、森に行って行方不明になった少年の死体探しに行くことにした。 夏休みも終わりを迎え、この後ある者は進学へ、ある者は地元を抜け出せないまま暮らす人生に分かれる分岐点の少し前、そんな時期の冒険譚を、今は成長して作家となったゴーディが思い出しながら書いている。 そのきっかけは、貧困と虐待に溢れた家と街から抜け出そうとしていたクリスが喧嘩の仲裁に入って命を落としたというニュースを見たからだった。 キングはモダンホラー小説の代表的な作家といわれる。「スタンド…」も、併録されている「マンハッタン…」もホラーというにはどうだろう?確かに死体を探しに行く話や、マンハッタンの方にはちょっとグロテスクな話も出てくるが、ホラーというのとは少し異なる。 僕は初期の頃のキングの長編小説「キャリー」、「呪われた町」、「シャイニング」、「クリスティーン」、「デッドゾーン」、「ファイヤスターター」、「IT」等々が好きで、学生時代に読んでいたが、その頃感じていたことは「他とは異なる者」、「差別された者」、「疎外感を感じている者」(僕はこれらを「異形のもの」と呼ぶ)へのキングの目線だ。 それら「異形のもの」は常に弱者として描かれ、彼、彼女らが虐げられている環境を打ち破るべく復讐に走ったり、追い詰められて危機を脱しようとして行動を起こしたりする物語を父親のように見守る優しい目線を感じるのだ。 「スタンド…」はまさに成長したゴーディ(キング自身)がいじめられていた少年時代を振り返った時の感慨と、自分とよく似た境遇にあって、自業自得や不運によって閉塞した環境から抜け出せなかった自分の分身たち(クリス、バーン、テディ)への哀悼の物語に思える。 「マンハッタン奇譚クラブ」もやはりそういう差別される人々を描いており、その人たちは不運によって悲しく、ある意味非常にグロテスクな結末を迎えるのだが、なんというか、キングにとってそれはグロテスクではなく、「異形のもの」たちが必死に生を全うしようとする姿、その賛歌のようにも見えてくる。そもそも、それをグロテスクな結果に陥れたのは彼ら自身ではなく、彼らを差別する人々ではないのか?と。
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翻訳がイマイチだった気もするけど、読み終えて数日経っても作中のノスタルジックな雰囲気から抜け出せない。 4人の少年のある夏の物語と彼らの未来について考える。 映画は少し、綺麗すぎるのかな。
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