墓の研究 の商品レビュー
死というものは理解しやすいが、私たちの祖先は形骸が残っていることに戸惑った。死者を敬愛し、死体に仕えて人が死んでもすぐその死体を片付けない。しかし、死体は腐るばかりで死体は忌避された。そして火にもやされたり海に捨てられた。死体は腐るが比較的形を変えない骨や歯がしたいにかわって敬愛...
死というものは理解しやすいが、私たちの祖先は形骸が残っていることに戸惑った。死者を敬愛し、死体に仕えて人が死んでもすぐその死体を片付けない。しかし、死体は腐るばかりで死体は忌避された。そして火にもやされたり海に捨てられた。死体は腐るが比較的形を変えない骨や歯がしたいにかわって敬愛された。 死体の処理、土に埋める、木の枝にかけて鳥に食べさせる鳥葬、野獣に食べさせる野葬、風葬、洗骨。日本の代表的なのは土葬火葬である。鳥葬などが廃れていったのは凄惨さにあったかも。 〇遺骨が敬愛され、死者を追慕する人間の心情である。やがて墓は死者の永遠の住居と考えられた。 葬るという行為は死霊恐怖を克服するもの、追福や誇示の要素もある。墓は死者が復活する場所と考えられ、個性があった。しかし、残霊をきょうふすることはぬぐい去れずに、祖先は死者の霊魂の直接の祭場としてマイリ墓というものを作る。これに対して埋葬した墓をウメバカという。ウメバカに葬られた霊は次第に死への穢れと個性を脱してカミとなり、祖霊という融合敵全体の中に昇華し、詣り墓にまつられる。死を汚らわしいものとする考えがここにはある。日本固有の考え。2重葬法、二段階の手続きをへる葬法。これは日本人の霊魂感にある。 単墓は埋葬地と祭場が同一。両墓は埋め墓と詣り墓の二つ。詣り墓は死体から分離した霊魂、死穢から脱した清浄な霊魂をまつる本来的な墓である。沖縄地方の先骨も一種の2重葬法といえる。
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