5万年前に人類に何が起きたか? の商品レビュー
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2004年刊(訳文改訂版)。表題設例のみならず、従前の古人類学の成果を踏まえ、人類進化史を紐解く。その中で、文化的要素の急激革新時期を5万年前に位置づけていく。分子生物学・遺伝進化学からの帰結も加味されるが、予想以上に石器、骨角器、炉跡など考古学的知見との整合性に配慮する内容で、ある意味バランスの取れた著作と言いうるかと。もちろん、イブ仮説、Y染色体に依拠するアダム仮説の指摘は有。加え、ネアンデルタール人に関し、その咽頭位置分析から言語能力を否定し、遺物の僅少と他原因の可能性から埋葬儀式を否定する立場。 ハビリス以降に変遷したエルガステルを現生人類の祖型と見ている点や、第2出アフリカの時期を遅めに見ている点、ネアンデルタール人の文化的活動を辛目に見積もる等、個人的には新奇な見解も多く、遺伝子的分析への偏重、人骨遺跡など考古学的偏重も余りない上、網羅的な内容で一読の価値を見出しうる。ただし、環境考古学との関連性は言及少なし。
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人類は決して直線的に進化したわけではないことはわかった。 年代測定法がこの分野のキモにもなるんだなぁ。 5万年前に脳の中に決定的な変異が起きた。。。なんてぶっちゃけよくわからんでしょ
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第1章 「黄昏洞窟」の曙 第2章 最初の一歩 第3章 170万年前の薮の中 第4章 第三の事件 第5章 ヒトの発展 第6章 ネアンデルタール人はどこへ? 第7章 身体の進化、行動の進化 第8章 曙光がさす瞬間
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50万年前から人間のハードとしての能力は備わっていた。しかし人間らしい文化的行動が顕著化するのは5万年以降であり、遺伝子か何らかの要因が原因となったのではないかという考察。
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