西蔵放浪 の商品レビュー
普通の紀行文とは違う…
普通の紀行文とは違うある意味哲学的で乾いた文章が印象的です。写真も良いです。
文庫OFF
チベットに行くなんてミーハーだから嫌だ(意訳)と思っていたが、心境の変化で行くことにした紀行(1977年刊)。 ただし、やっぱりラサっぽいことは書かない(行ったかどうかも不明)。僧侶についても神秘のベールに包まれた高潔な人々という面ではなく、俗っぽい部分を書く。 そして市井の無...
チベットに行くなんてミーハーだから嫌だ(意訳)と思っていたが、心境の変化で行くことにした紀行(1977年刊)。 ただし、やっぱりラサっぽいことは書かない(行ったかどうかも不明)。僧侶についても神秘のベールに包まれた高潔な人々という面ではなく、俗っぽい部分を書く。 そして市井の無名の人々の振る舞い、信仰について無名の部落での出来事を描く。 民俗学のようでもあるけど、それはまるで「民話の起源」のようだ。数年前の出来事が太古の物語のようになるし、「現在」の出来事が数年後には伝説化していることが容易に想像できる。 チベットならではの面もあるだろうが、藤原新也のフィルターを通したからという気がする。そういう書き方をするもんね。 そのオリジナリティが面白いのだけど、一冊読むとお腹一杯になるし、沈殿するまで待ちたくなる。 本書を読む気になるまでには、前作『印度放浪』を読み終えてから十年以上のインターバルが必要だったのだが、そういうことです。 『東京漂流』は何度も読み返したんだけどね。
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著者は旅先で見たものや起こった出来事に何かしら特別な意味があると考えて旅をする。 一層旅に深みが増して、濃密な1人の時間を過ごせそうだ。 来世での幸福を信じて生きるチベット人たち。日々何もすることなく、質素な食事をとり、ひたすら呪文を唱える。 信仰の力の偉大さを感じる。信仰...
著者は旅先で見たものや起こった出来事に何かしら特別な意味があると考えて旅をする。 一層旅に深みが増して、濃密な1人の時間を過ごせそうだ。 来世での幸福を信じて生きるチベット人たち。日々何もすることなく、質素な食事をとり、ひたすら呪文を唱える。 信仰の力の偉大さを感じる。信仰さえあれば人々は満ち足りた暮らしができるのかもしれない。たとえそれが外からみると酷いものであっても。
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やっぱり、「地球の歩き方」シリーズは、日本最高の紀行文の一種だと思う。色々出ているけれど、あれより詳しいガイドブックはないし、あれ読んでると「あそこ行こう、ここ行こう。」って本当にウキウキしてくる。 ただし、それは「遠景」として、観光する場所や人と一定の距離を保とうとする場合の...
やっぱり、「地球の歩き方」シリーズは、日本最高の紀行文の一種だと思う。色々出ているけれど、あれより詳しいガイドブックはないし、あれ読んでると「あそこ行こう、ここ行こう。」って本当にウキウキしてくる。 ただし、それは「遠景」として、観光する場所や人と一定の距離を保とうとする場合の話。 1人の作家が自分の名前を明記して、それで紀行文を書こうとする場合、それとは逆で如何に「近景」で、如何に対象に近寄ることが出来るかが鍵になってくると思う。 僕はその代表例として、この一冊を挙げたい。特にパンを濡らして作った仏像をぞんざいにして、寺から追い出される話は、バスの中で声出して笑った。そう、近寄りすぎると、嫌われたり怒られたりもするんだよね。
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ちょっとディープな感じだけど、載っている写真は、西蔵の風景と人情とを呼び起こしてくれる。 ・・・自分もチベット人だったのかなぁ~なんて勘違いする本。
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やっぱ印度放浪の方が好き。w チベット、ラサ、カイラス・・・。 その言葉の響きだけで魅力的なチベット。 写真にしろ、文章にしろ、 藤原新也の執拗なまでの「見る」という姿勢に圧倒される。
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