愛人 の商品レビュー
遠く異国の地に来た…
遠く異国の地に来たフランス人少女が、自分の家に援助してもらう変わりに年の離れた中国人青年と逢瀬を重ねる。 淡々とした文体なのに、アジアの湿度をちゃんと感じさせてくれます。お互い恋をして付き合い始めたわけではないし、言葉にも出さないけど、いつしか忘れられない人になっていたんだろ...
遠く異国の地に来たフランス人少女が、自分の家に援助してもらう変わりに年の離れた中国人青年と逢瀬を重ねる。 淡々とした文体なのに、アジアの湿度をちゃんと感じさせてくれます。お互い恋をして付き合い始めたわけではないし、言葉にも出さないけど、いつしか忘れられない人になっていたんだろうなあ。最後の、年老いてから二人が会ったエピソードは、私としては付けて欲しくなかった。映画もよかった。
文庫OFF
映画にもなっています…
映画にもなっています。映画はエロティックな味が濃いですが、原作はどこかにプラトニックな感触があります。
文庫OFF
フランス恋愛文学の女…
フランス恋愛文学の女王、マルグリット・デュラスの、代表作です。時代は古いのですが、植民地、人種差別についてよくわかりますよ
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大好きな友達と、自分の人生で好きな本10冊あげようという会話をしている中であげていたので。 あっという間に読んでしまいました。 あの映像(イマージュ)… 海、かたちのない、単純に比類のない海。 男は女に言った、以前と同じように、自分はまだあなたを愛している、あなたを愛することをやめるなんて、けっして自分にはできないだろう、死ぬまであなたを愛するだろう。
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「十八歳で私は年老いた。」この一言が強烈に印象に残る。タイトルで手を出しにくい作品かもしれないが、是非一読を。
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【オンライン読書会開催!】 読書会コミュニティ「猫町倶楽部」の課題作品です ■2022年8月30日(火)20:30 〜 22:15 https://nekomachi-club.com/events/6abcbfc41d4e
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もう大変。 とんだおおやけどってやつです。 読み方がまずわからん。 彼女はわたし?彼女もわたし? 飲み込まれ、放り出され、やけどしつつ、溺れたり、慣れない読書でした。 この暑い中読むのには適してしたかな。 一言では言えない濃密な人生、しかもかなり前半で。 生き延びるために...
もう大変。 とんだおおやけどってやつです。 読み方がまずわからん。 彼女はわたし?彼女もわたし? 飲み込まれ、放り出され、やけどしつつ、溺れたり、慣れない読書でした。 この暑い中読むのには適してしたかな。 一言では言えない濃密な人生、しかもかなり前半で。 生き延びるために快楽を存分に解放する。閉じ込めておくわけにはいかなかった、そうしたら死んでしまう。 解説を読んだら理解が深まるかと思ったら、ますますドツボ。 修行が全然足りませぬ。
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文章が独特で、一人称から三人称になったり実験的な小説だったように思う。それでもデュラスの言葉は芳しく広がり、とても自由奔放のそのものだ。 ストーリーを堪能するまえに、まずはデュラスの背景を知らなければならないように思う。自伝的小説による宿命だ。 「十八歳でわたしは年老いた」嵐が...
文章が独特で、一人称から三人称になったり実験的な小説だったように思う。それでもデュラスの言葉は芳しく広がり、とても自由奔放のそのものだ。 ストーリーを堪能するまえに、まずはデュラスの背景を知らなければならないように思う。自伝的小説による宿命だ。 「十八歳でわたしは年老いた」嵐が過ぎ去ったあとのデュラスは何を見ただろう。 中国の男性と白人の娘による決して官能的ではない、愛の物語。
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高校生の時映画を観て本も読んだ。確かに切ない話ではあったけど、経験値も低く免疫もなかったのでこういう世界もあるんだ、程度だった。 歳をとった今読むともっといろいろわかるのかもしれない。
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「仏領インドシナを舞台に15歳のときの、 金持ちの中国人青年との最初の性愛経験を語った自伝的作品。」(表紙裏より) 映画は観ていないが、予告編の雰囲気に記憶があるので、 エロティックで妖艶な恋の物語だろうと思っていた。 ところがなんと哀しい可憐な少女の心。 そして文章の美しさ...
「仏領インドシナを舞台に15歳のときの、 金持ちの中国人青年との最初の性愛経験を語った自伝的作品。」(表紙裏より) 映画は観ていないが、予告編の雰囲気に記憶があるので、 エロティックで妖艶な恋の物語だろうと思っていた。 ところがなんと哀しい可憐な少女の心。 そして文章の美しさ。 インドシナのメコン川デルタ地帯、靄と湿地とのけだるい空気。 愛人との出会いの迫力、愛人と過ごす時間の濃密さ。 そのひまに見え隠れする少女の家族。 その家族の精神のあやうさ、すさまじさ。そして、貧しさの原因。 文章が美しいと言ったが翻訳とて、言葉というより構成がいいのかもしれない。 一人称、三人称と自在に変わり、情景もめくるめく、時も行ったり来たり、 まるでデュラスが思い出を思いつくまましているようにみえて、 しかし、印象深い作者の思索。書きたい意欲。みずみずしさ。 作者これを書いたとき60歳だったのだ! もうひとつ。 この本の表紙、18歳の美少女が作者自身で、 みかえしの老いた作者のお顔をみて、のけぞってしまった。
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