カンガルー日和 の商品レビュー
村上 春樹の【カンガルー日和】を読んだ。 文庫本の初版が1986年であるから21年前の本である。 なのにどうしてこんなにも言葉のひとつひとつが新鮮で心の奥底に染み渡るのだろうか。 本好きの友人の言葉を思い出した。「村上春樹には『文体』がある」。 言い換えるなら「村上春樹の...
村上 春樹の【カンガルー日和】を読んだ。 文庫本の初版が1986年であるから21年前の本である。 なのにどうしてこんなにも言葉のひとつひとつが新鮮で心の奥底に染み渡るのだろうか。 本好きの友人の言葉を思い出した。「村上春樹には『文体』がある」。 言い換えるなら「村上春樹の書き方」がそこにはあると言うことだ。 この作品には18編の短い小説(のようなもの)「※著者本人があとがきで語っている」 が収められて いる。ところどころに描かれている佐々木マキ氏の挿絵が村上ワールドと妙にマッチしていて、いい味を だしているのもこの本の面白いところだ。 【カンガルー日和】に収められた全ての小説(のようなもの)に共通して言えるのが、凝縮された空間・ 時間の存在感である。400字詰原稿用紙で8枚〜14枚くらいの長さの短編の中に描き出される不思議 な空間。ハラハラドキドキの展開ではないのに、文字を追う目が先へ先へと進んでしまう。 やさしく、柔らかく、読むものの心を魅了する。そんなメルヘンチックでありながらセンチメンタルな 言葉の魔法は、読み終えたあとも心地よい異空間の中を彷徨わせてくれるのだ。 この作品の最後に収められた「図書館奇譚」は中でも長い作品であるが、登場人物の羊男や不気味な老人 はおそらく村上春樹の代表作でもある【羊をめぐる冒険】のモチーフとなったのであろうことが窺えて非 常に興味深い。 その他のお勧めは表題作の【カンガルー日和】と【チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏】など。 なんとも言えないやさしさが漂ってくる春風のように温かい作品だった。
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4回目? 春樹の短編の中でも特に短いものが多い。 その中で伝えたいことだけを上手く伝えている。 今回読んでいいなと思ったのは「眠い」かもしれない。 シチュエーションの中で最大限の面白さが詰まってる。 消えやしない。
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村上さんの作品だから期待して読んだけど、そんなに面白くなかった・・・ 電車のなかでボーっと読むにはいいかもしれないけど、あんまり収穫はないかも。
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個人的に短編は物足りなく感じてしまうので星4つ 中には「?」となる話もあるけれど、この人の話はやっぱおもしろいんだよなぁ 書かれてることはなんとなく想像つくけど、表現があまりにもユニークだから本当にそれだけなのか、実はもっと深くてムツカシイことを例えているんじゃないか、と悩む ...
個人的に短編は物足りなく感じてしまうので星4つ 中には「?」となる話もあるけれど、この人の話はやっぱおもしろいんだよなぁ 書かれてることはなんとなく想像つくけど、表現があまりにもユニークだから本当にそれだけなのか、実はもっと深くてムツカシイことを例えているんじゃないか、と悩む 「タクシーに乗った吸血鬼」の中のあの一文がこの人のルーツなんだろうなぁ
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-四月のある晴れた朝、原宿の裏通りで、僕は100パーセントの女の子とすれ違う- 「イパネマの娘」を想起する。軽くて、気だるい、この恋のお話が印象的。
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バイトの前に電車に乗っているときとか、断片的に時間が空いたときに読むのに適した本。「眠い」が好きで、これを読んでからというもの、眠たくなってくると目の前に白いガス体が浮かんでいるような気分になります。うん。
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この中の ある4月の晴れた朝に100%の女の子と出会うことについて っていう内容がすっごい好き!!!!
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なぜかこの本の作品のなかで図書館奇譚が出世してる。たしかに一番気合い入ってるけど。 三角のアパートに住む話とかこの世で一番の女の子の話とかが好き。
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村上春樹さんの本ほぼエッセイ以外は読んでます。 比喩がうまくて日本語がきれい。 結構短編集も好きです。
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