人造人間キカイダー(文庫版)(1) の商品レビュー
ものごとの善悪を判断する「良心回路」を搭載させられた人造人間のジロー=キカイダーが、己の宿命に苦しみながら、平和を乱す兄弟たち=ダークロボットとの戦いに臨む。
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2000年刊行(初出1972年)。 不完全な良心回路に苦しむ様は、特撮バージョンと酷似する。 しかし、人造人間のため、成長過程の記憶を何ら持たないまま誕生したことによるアイデンティティの欠落は、ヒーロー物TV作品では描写されにくい。 本書は、特に初期は、記憶や自分のありようを知らないまま、ミツコやマサル、ギルの人造人間らに対峙する。原作マンガらしい、別の切り口にも注目できそうか。 解説は、アニメ版人造人間キカイダー作画監督?紺野直幸。
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何年ぶりかの再読。 良心回路があるばかりに、ロボットとしての不完全さを抱え、兄弟たちと戦わなければならず苦しむジローの姿はかなり痛ましいし、善悪とは何かを問いかけるテーマの重さは何度読んでも色褪せないなーと思った。 どの人物たちも陰があるけど、個人的に一番恐怖を感じるのは光明寺博士かもしれない。 主人公であるジローを作った生みの親でもあるし、ヒロインのミツコさんから見たらいい父親かもしれないけど、冷たい科学者の顔を持っているからロボットに善悪の判断を押し付けるわけだよなーと思うと怖い。 これも一つの悪だと思う。 その悪の手で作られたジローが、良心回路によって、悪と戦うという構図の奥深さに唸ってしまう。 巻末に紺野直幸さんの解説つき。
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