未来ドロボウ の商品レビュー
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■少年SF短編集1 未来ドロボウ(全8話) ひとりぼっちの宇宙戦争 ★丘にて。 コマーさる なくな! ゆうれい 未来ドロボウ 四畳半SL旅行 恋人製造法 ★切なさ。 ニューイヤー星調査行 宇宙船製造法 (解説・大林宣彦) 90年代にたくさん出版されていたドラえもん関連の雑誌の中のどこかに、「ひとりぼっちの宇宙戦争」の、草山で膝を抱えているカラーのコマが大きく掲載されていて、そのタイトル、剣と盾を持った表紙イラスト、すべてに憧れていつか読みたいと思っていた……のを、いま、思い出した。 なかなかすさまじい話で、読めてよかった。 「火事場のばか力」ってのが伏線だとは。 一番ぐっときたのは「恋人製造法」。 責任なく命を生み出してしまう恐ろしさ、しかし生んでしまった命との日々……ひどくエロチックでフェティッシュでリリカルで。 大林宣彦が《――「すこし」、というのは、この世でいちばん、優しい言葉、だと思う。……》から始まる解説を寄せていて、あまりに大林節、口調や顔つきまで浮かんで笑ってしまうが、なかなかいいことを言っている。
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私は子どもの頃、一時期コロコロコミックを定期購読していたことありました。 コロコロコミックには藤子不二雄の『ドラえもん』『パーマン』『怪物くん』等が連載されていました。 だから藤子不二雄さんのマンガは懐かしい感じがします。 でもコロコロコミックには藤子不二雄の読み切り短編...
私は子どもの頃、一時期コロコロコミックを定期購読していたことありました。 コロコロコミックには藤子不二雄の『ドラえもん』『パーマン』『怪物くん』等が連載されていました。 だから藤子不二雄さんのマンガは懐かしい感じがします。 でもコロコロコミックには藤子不二雄の読み切り短編マンガは掲載されていなかった。 本書に掲載されているような短編作品も載っていたら楽しい思い出になっていたはずだと思います。 http://sfkid.seesaa.net/article/475562241.html
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日本一のストーリーテラー藤子・F・不二雄先生の珠玉の短篇集。人生の勝利者をめざし、わき目もふらず勉強する少年、学は父の工場がつぶれ、高校進学を断念しなければならなくなる。そんなとき、人生に成功した大金持ちの老人と知りあう。自分の未来の不幸をなげき、老人をうらやましがる学に、老人は自分の全財産と学の未来を取りかえてもいいともちかけた。それを老人のじょうだんだと思った学は軽い気持ちで契約書にサインしてしまうが、本当に体を入れかえられてしまう! そして、老人の余命は半年だった!! はたして、学の未来はどうなるのか!? (『未来ドロボウ』より)ほか七話収録。(Amazon紹介より)
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時間・現実・自己という概念は当たり前だけど、それだからこそ不思議なものである。そういう不思議を少しずつ集めていった短編集。 はたして描かれている人間は、漫画中の人間が書いた作品なのかどうか。自分というものは、体が入れ替わっても記憶が連続していれば自分と呼ぶ事が出来るのか。もしかし...
時間・現実・自己という概念は当たり前だけど、それだからこそ不思議なものである。そういう不思議を少しずつ集めていった短編集。 はたして描かれている人間は、漫画中の人間が書いた作品なのかどうか。自分というものは、体が入れ替わっても記憶が連続していれば自分と呼ぶ事が出来るのか。もしかしたら、今生きているこの世界自体が、誰かがつくったジオラマの世界の中なのかもしれない。そういう不思議がいっぱいつまっている。 そんな不思議と同時に、それぞれのキャラクターが思い思いに息づいているのもまた魅力である。そういうキャラクターだからこそ、不思議にのまれることなく、結末は温かくなっている。 おおがかりな設定を持ち出さなくても、不思議というものはどこにでも転がっている。
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やはり少年向けのせいか、えぐみが薄い。 「恋人製造法」「宇宙船製造法」が面白かった。 ▼ひとりぼっちの宇宙戦争 「火事場のバカ力」が伏線として早々提示され、最後のオチで回収される。分かりやすい構造。 ▼コマーさる 駄じゃれから考えられたと思われるワンアイデアもの。こんな猿がいたら広告業界が崩壊する。 ▼なくな!ゆうれい オバQとはだいぶ趣が違う。子供用の話。悪役が珍しく複数。 ▼未来ドロボウ 親子とか異性間とかに続いて、年齢の差を越えて身体を入れ替える話。死を目前に冷静なじいちゃんが格好いい。 ▼四畳半SL旅行 マニアを極めると別次元の扉が開く。 ▼恋人製造法 年頃の男の夢を叶えた話。それでも現実は重くのしかかる。 ▼ニューイヤー星調査行 要はやらせでしょ。 ▼宇宙船製造法 未知の土地で集団でサバイブする人間模様がリアルで巧い。
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“少年”というからには軽めのストーリーかと思っていたが、青年誌に掲載されていてもおかしくない内容。 「ふたりぼっち」のエピソードは、少しずれた世界の自分を客観的に見るというものだが、自分を外から見るのはとても怖いことだと思った。
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少年向け、でも侮るなかれ。面白くて、はっとさせられるSF短編集。 こういう漫画が少年サンデーなどに載っていた時代が羨ましいなあ。
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今までドラえもんくらいしか読んでなかったのを本当に後悔した。ヤバい、底力ハンパねぇ。 一話一話の完成度が果てしなく高い。名を残す漫画家ってのはやっぱり理由があるんだなーと改めて。
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藤子・F・不二夫さんの描く さらっと乾いた感じのSFが大好きだったあの頃 何度も何度も読み返したっけな
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藤子・F・不二雄の少年誌向けに描かれた短編集の文庫版。どれも面白いが好きな作品は「ひとりぼっちの宇宙戦争」「ニューイヤー星調査行」「宇宙船製造法」表題作「未来ドロボウ」などか。 「ひとりぼっちの宇宙戦争」はタイトル通りのことなのだが敵もひとりである。キスシーンは泣かせる。 「ニュ...
藤子・F・不二雄の少年誌向けに描かれた短編集の文庫版。どれも面白いが好きな作品は「ひとりぼっちの宇宙戦争」「ニューイヤー星調査行」「宇宙船製造法」表題作「未来ドロボウ」などか。 「ひとりぼっちの宇宙戦争」はタイトル通りのことなのだが敵もひとりである。キスシーンは泣かせる。 「ニューイヤー星…」の発想は面白い。バンボルグ博士の仮説は辺境のニューイヤー星が銀河全人類の発祥の星だというもの。その論拠として他の星では天降り神話であるのに対し、このニューイヤー星では神々が天上へ旅立つという内容だったからだ。隊員の中には論拠が甘いと賛同できないでいる者もいるが、調査は続く。ニューイヤー星には原始的な生活を営む人類がある。彼らは好奇心が薄いが驚くほど親切である。頼めばたいていのことはしてくれる。好奇心が薄いのでおせっかいにはならないところもいい。しかし頼まないと何も言ってくれないのだが。後半、石筍になって長い時を眠って過ごすディープ・スリーパーと呼ばれる人々の行為が、仮説の可能性を示している。 「宇宙船製造法」は突飛なアイデアだが、そこに描かれる人間模様は正しい。 「未来ドロボウ」は子供の頃に読んだ時は主人公である学少年に感情移入して怖かったが、大人になった今読むともうひとりの主人公である老人の気持ちに近づいている。 解説は大林宣彦。
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