「大岡裁き」の法意識 の商品レビュー
西洋法継受と日本人の…
西洋法継受と日本人の法意識の間の問題を論じる。川島武宜 『日本人の法意識』 岩波新書 が有名ですが、それ以降の議論などについても書かれているので、この本とセットで読むとためになります。
文庫OFF
タイトルだけで買ったけど、中身を読んだらなかなかヘビーな内容だった。 大岡裁きって人情味あふれて良い!と思うけどあれは小説やドラマの話であって。 喧嘩両成敗・義理と人情で日本人は大昔からそれが当たり前だと思い 過ごしてきているわけで、そもそも論そんな義理と人情だけではこの現代生き...
タイトルだけで買ったけど、中身を読んだらなかなかヘビーな内容だった。 大岡裁きって人情味あふれて良い!と思うけどあれは小説やドラマの話であって。 喧嘩両成敗・義理と人情で日本人は大昔からそれが当たり前だと思い 過ごしてきているわけで、そもそも論そんな義理と人情だけではこの現代生きてはいけない。 日本人は法が嫌い、とかそうゆうことではなく 単純に法でどうのこうのよりも、昔の日本人というのは自分らで解決していたのではないかとか。 何でも自己責任だなんだって言い始めたのはつい最近ですし。 確かに海外(特にアメリカ)とは全く違う日本の法律 費用が高額でバカ高いのももちろん、身近な感じが全くしないのも事実。 2004年に成立した裁判員制度も実際初めて公判で行われたのは2009年なので その差5年。こういう場でもなかなか時間が経ったのだな、と。 もちろん海外の裁判に対し賛同する気はないし 日本の裁判のいいところだってあるのは確かなのだけど 結局費用だけバカ高いとか、慰謝料が全く支払われてないとか 泣き寝入りをすることが非常に多いのは如何なもんかということも多々ある。
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「法」という制度について、歴史的・文化的・民族的な切り口で説明されており、勉強になった。 とりわけ明治時代に法律を日本に取り込み初めた時代の話が興味深かった。 外国語を勉強するだけでも大変なのに、法律の解釈に取り組んだ若い人々のエピソードに感心。すごい優秀だったんだろうなぁ。
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日本人は法や裁判が嫌い?法と日本社会とのぎこちない関係に目を向け、法を学ぶ意味を考えよう。 [配架場所]2F展示 [請求記号]080/K-8 [資料番号]2005110293、2005114803、2005114802
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日本人の法意識について、示唆的な本。 はっきりとした見解は述べられていないようにも思えるが、「法」と「日本人」との関係性を、裁判員制度が行われる直前期にもう一度捉えようとした本であるともいえる。 いったい法とはなんなのか、法について考えるきっかけとなる本であった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 現在、この国では法と裁判のあり方をめぐる「第三の司法改革」が進行中である。 法科大学院の開設、平成二一年をメドに始まる裁判員制度など、法の現場は大きく変わろうとしている。 日本人にとって法とは何か? 西洋法を継受する過程で、この国は何を取り入れ、何を棄ててきたのか? そもそも、法はわれわれの法意識に合ったものなのだろうか? 長年にわたり議論されてきたこれらの問題を、改めていま問い直す。 [ 目次 ] 序章 法文化改革の試みとしての司法制度改革 第1章 穂積陳重の外見の変遷と日本法の歩み 第2章 日本人は西洋法とどう向き合ってきたか 第3章 西洋法の継受と法文化の葛藤 第4章 日本人の法意識―大岡裁きと自己責任 終章 法とどう向き合うか [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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法文化を法現象の原因として捉えるのではなく、現実に存在する法現象から、そこに顕現している法文化(法的なものの考え方、法行動の様式、法価値の体系)を推定し、そうして把握できた法の問題を「自分の問題」として理解することで、自己変革を通じて社会をよりよい方向に変えてゆく契機としたいとす...
法文化を法現象の原因として捉えるのではなく、現実に存在する法現象から、そこに顕現している法文化(法的なものの考え方、法行動の様式、法価値の体系)を推定し、そうして把握できた法の問題を「自分の問題」として理解することで、自己変革を通じて社会をよりよい方向に変えてゆく契機としたいとする問題意識には、強く共鳴するところがありました。
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近代法の成立までを解説する前半と 「法意識」について先行の研究をふまえてまとめる後半の二本立て。 新書ならではの論理展開のゆるさと,読みやすさのバランスがよい。 明治維新以来の社会制度の変化は、法に限らず一本の線に沿い説明可能なんだなと、 穂積陳重という明治の法学者のファッショ...
近代法の成立までを解説する前半と 「法意識」について先行の研究をふまえてまとめる後半の二本立て。 新書ならではの論理展開のゆるさと,読みやすさのバランスがよい。 明治維新以来の社会制度の変化は、法に限らず一本の線に沿い説明可能なんだなと、 穂積陳重という明治の法学者のファッションと近代法の受容過程を重ねて説明する一章を読みながら思った。 ファッション受容も法受容も、同じ歴史の中で同じ国民がやっているのだから、だいたい同じ経緯を辿るんだろうということ。 だから結果的に相似形を見出すことができると。 この辺は岸田秀「ものぐさ精神分析」で紹介されていた維新以来の日本人の精神についての解説とアウトラインが重なったのでそう感じたのだと思われる。 それはそうと、この本をよんで一番納得したのは ドイツの「法」に当たる言葉には「権利」の意味が含意されているという点。 日本語の「法」は単なる制度の名称をさしているに過ぎない。 このことと「自由」の履き違えに、関連があるような気がする。 義務と権利がコインの裏表であるという認識が「法=権利(recht:独)」という認識がないと、醸造されにくいのでは、という漠然とした感覚。
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ちょっと前の司法改革について、 歴史を振り返りながら考えてみた本。 普段と変わった視点で見るのは新鮮でよいです。
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本書は面白い。手抜きのようですが、これで十分なように思われます。「穂積陳重の外見の変遷」と西洋法継受とに関連性があるのかは素人目には分かりませんが、まずこの発想に感服させられます。また、「日本人の法意識」について、見解の対立があるのも興味深いです。「日本人の法意識」と言われたとき...
本書は面白い。手抜きのようですが、これで十分なように思われます。「穂積陳重の外見の変遷」と西洋法継受とに関連性があるのかは素人目には分かりませんが、まずこの発想に感服させられます。また、「日本人の法意識」について、見解の対立があるのも興味深いです。「日本人の法意識」と言われたときに、日本人であるはずの自分にはイメージがわきません。「日本法はどんな規定があるのか」と問われれば、調べれば分かる気がしますが・・・。でも、「大岡裁きの法意識」のところで紹介されたような、 「裁判所はこわい(いやな)場所である」「勝者と敗者をはっきりさせず、『まるく』おさめるほうがいい」などなどは、なんとなくうなずける気がします。逆に、アメリカの「司法取引」(110頁・検察側との「取引」で罪を認めたりする代わりに刑罰を軽くしてもらったりする)について、日本人は納得出来ないようにも思います。やはり築いてきた文化の違いとかなのでしょうか。その答えは全くわかりませんが、日頃はなんとなく見過ごしている部分に焦点を合わせた本は、本当に面白いと思います。最後に。自分(たち)を対象とする分析というのが半端なく難しいということを再確認させられました。
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