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ヨーロッパ退屈日記 の商品レビュー

3.6

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

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2017/10/23

POPEYEの特別号にて興味を持ち、すぐさま購入した。1965年発刊であり、著者がヨーロッパでの体験や日本と当時のヨーロッパ圏との文化の差を皮肉交じりで書き綴っている。 それは現代の日本人にも言えることが多く、50年以上たった今でもさほど変わっていないことを実感させられた。 ユー...

POPEYEの特別号にて興味を持ち、すぐさま購入した。1965年発刊であり、著者がヨーロッパでの体験や日本と当時のヨーロッパ圏との文化の差を皮肉交じりで書き綴っている。 それは現代の日本人にも言えることが多く、50年以上たった今でもさほど変わっていないことを実感させられた。 ユーモア溢れるセンスを惜しみなく発揮しており、クスッとくる。気軽に読める一冊。

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2017/07/14

ハリウッド映画、北京の55日、ロード・ジムに出演した元祖国際俳優 伊丹十三。出版されて半世紀経った今読んでもクスりと笑えるところ多々あり。と云うことは私は山口瞳氏曰く、少し変なヒトなのだろう(笑) 何度も出てくる現代(1965年当時)の日本に対する駄目出し。 その厳しい口調の奥に...

ハリウッド映画、北京の55日、ロード・ジムに出演した元祖国際俳優 伊丹十三。出版されて半世紀経った今読んでもクスりと笑えるところ多々あり。と云うことは私は山口瞳氏曰く、少し変なヒトなのだろう(笑) 何度も出てくる現代(1965年当時)の日本に対する駄目出し。 その厳しい口調の奥に捻くれた愛情も見え隠れする。 それにしても、伊丹さんってひとは、身近にいればかなり付き合いづらく、面倒臭いんだろうなと。 1965年の伊丹一三 名義の初版本は自分にとって宝物です。

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2017/06/10

軽いエッセイはいいもんだ。 中身のない会話でも楽しくできるのは そこにヒューモアがあればこそだと思う。 そしてこの伊丹十三という青年は年頃らしい 高潔さをもって世界を観察している。 本当によいものが世の中には存在するに違いないという期待と、少しの諦め。 人の文化への期待はそのま...

軽いエッセイはいいもんだ。 中身のない会話でも楽しくできるのは そこにヒューモアがあればこそだと思う。 そしてこの伊丹十三という青年は年頃らしい 高潔さをもって世界を観察している。 本当によいものが世の中には存在するに違いないという期待と、少しの諦め。 人の文化への期待はそのまま信頼感でもあって、 そこが彼のヒューモアの源泉になっている。 それにしても、 香港のここに行ったら美味いぞ、というリストは使えるのかと思って検索したら 今もお店はありそうで、人生の楽しみが増えた。ありがたや。

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2017/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私は、彼と一緒にいると「男性的で繊細で、真面な人間がこの世に生きられるか」という痛ましい実験を見る思いがする。

Posted byブクログ

2017/05/19

まだ日本人が今ほどヨーロッパに行くことか容易ではなかった時代に、映画監督の伊丹十三が、フランス、イタリア等々で見聞きした話がまとめられています。 「何故パリは美しいか」「握手の名人」「ソックスを誰もはかない」…これらにビビッと来た方は是非お手に取ってみて下さい。(ゆりこさん)

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2017/10/19

こういう感じのエッセイを読むと今生きていたらどういう事を思うのか、どういうものが読めるのか、ということをいつも考えてしまう。正直言って、「はいはい、わかったわかった」と言いたくなるような説教臭さをどうしても感じてしまうのだが、今この時代の我慢ならないこと、許せないことをもうちょっ...

こういう感じのエッセイを読むと今生きていたらどういう事を思うのか、どういうものが読めるのか、ということをいつも考えてしまう。正直言って、「はいはい、わかったわかった」と言いたくなるような説教臭さをどうしても感じてしまうのだが、今この時代の我慢ならないこと、許せないことをもうちょっと教えて欲しくなってしまう。そんな魅力。こんなこだわりおじさんが近くにいたらうざったくてしょうがないから本で読むくらいが丁度良い。

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2016/07/31

本質を大切にする伊丹十三のダンディズムがつまったエセー。 「夏の盛りには、時間はほとんど停止してしまう。」から始まる一節に、救われたような気持ちになりました。そうです、子どもの頃、学生の頃の夏休みは、蝉の声、蒸し暑い空気、青い空に五感が押し包まれて時間が止まっていた。でも、時間...

本質を大切にする伊丹十三のダンディズムがつまったエセー。 「夏の盛りには、時間はほとんど停止してしまう。」から始まる一節に、救われたような気持ちになりました。そうです、子どもの頃、学生の頃の夏休みは、蝉の声、蒸し暑い空気、青い空に五感が押し包まれて時間が止まっていた。でも、時間が失われているとすら思わなかった。大人になって、考えることが感じることに取って代わると、時間を失うことを恐れるばかりだけれど、この一節を読んだとき、そっかこれは昔の夏休みのあの感じかと、恐れや焦りが何となく知っている懐かしいものに通じて、救われた気持ちになったのです。伊丹十三は、一人乗りの船を漕ぎながら、本質を追求していたのですね。

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2016/02/11

2016年2月11日、読了。 鼻持ちならない本である。自分はヨーロッパ通である、君たちは知らないだろうが、という、ちょっと見下した位置を、それと悟られないように、小粋な語り口でまとめた本である。まさに今、私がこの本をぶった斬ったように、あれはよくない、これが正しい、と、伊丹十三...

2016年2月11日、読了。 鼻持ちならない本である。自分はヨーロッパ通である、君たちは知らないだろうが、という、ちょっと見下した位置を、それと悟られないように、小粋な語り口でまとめた本である。まさに今、私がこの本をぶった斬ったように、あれはよくない、これが正しい、と、伊丹十三はばっさばっさと決めていく。そこには一種のいやらしさがある。 しかし、その文体の、色彩の豊かさ、描写の美しさには感嘆せざるを得ない。伊丹十三自身、あとがきで自らを「明らかに視覚型の人間である」と語っている。たとえば、パリの街灯についての描写は、こんな感じである。 「パリの信号燈は、例のガス燈と同じように渋い臙脂色に塗ってあり、これがマロニエの緑と石のペーヴメントに素晴らしく調和しています。 また、赤、橙、緑の三色の灯火も、パリでしかみられない、非常にデリケートな色が出ています。殊にオレンジは素敵で、全くフランス的としかいいようのない、不思議な蜜柑色なのです」 マドリッドの夕方を書き写した一文も、じつに美しい。 「ホテルの部屋一杯に西陽があかあかと射し、窓の外の、六本のポプラの大木が、葉の裏を銀色に翻えらせながら大きく揺れ動き、三人の青服の男が、広場中の並木に、もう二時間もかかってホースで水をやっています」 色の、微妙な揺れをも感じとり、言葉へと導いていく。本書には、鮮やかな情景が、そこかしこに溢れている。 驚くのは、これが1961年の著作であるということだ。50年以上も前である。当時の方々は、みな語彙が豊かであったのだろうか。それとも伊丹十三という、稀有な才能あってのものだろうか。当時まだ30才になろうかという若者である。

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2015/09/17

伊丹十三のファッションや様式に対するこだわりと姿勢は一歩間違えると煙たがられるんだろうが、そこからにじみ出る謙虚さと純真さのおかげで彼のこだわりから嫌味の臭いは取り払われる。ファッションなんて人それぞれでいいじゃないかと思っていたが、フォーマルとは、スタンダードとは何か、身だしな...

伊丹十三のファッションや様式に対するこだわりと姿勢は一歩間違えると煙たがられるんだろうが、そこからにじみ出る謙虚さと純真さのおかげで彼のこだわりから嫌味の臭いは取り払われる。ファッションなんて人それぞれでいいじゃないかと思っていたが、フォーマルとは、スタンダードとは何か、身だしなみとは、について改めて考えさせられる。

Posted byブクログ

2015/06/29

「靴を買いにジャギュアに乗ってロンドンからミラノへ…」キザと言えばあまりにもキザ。ほとんど漫画のレベルで。が、しかし、この時代に20代の若さでこれだけの行動力と感性を持っているのは確かにちょっと常人離れしているし、読んでいて多少の古臭さは感じても不思議と嫌らしさはあまり感じない。

Posted byブクログ