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天の夕顔 の商品レビュー

3.4

37件のお客様レビュー

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よくもここまで徹頭徹…

よくもここまで徹頭徹尾、報われない、けれど断ち切れない恋慕の情について表現したな、と感嘆します。他の要素は全くないといっていいでしょう。抑圧された文章が、同様に抑圧された主人公の感情をよく表していて、なるほど心が痛いと言うのはこういうことか、と変に納得してしまいました。まるで昔か...

よくもここまで徹頭徹尾、報われない、けれど断ち切れない恋慕の情について表現したな、と感嘆します。他の要素は全くないといっていいでしょう。抑圧された文章が、同様に抑圧された主人公の感情をよく表していて、なるほど心が痛いと言うのはこういうことか、と変に納得してしまいました。まるで昔からの知人の、遥か過去の密やかな告解を聞いているようで。夏目漱石や、森鴎外に比べると知名度の低い作者ですが、日本語の美しさは格別です。

文庫OFF

大学生である主人公と…

大学生である主人公と人妻の恋物語である。現代でもこういった話は兎に角危ぶまれる。しかし美しい心の話を描いているように思われる。二十余年思い続け、肉体に拘らず思い続けるその心こそまことの恋愛なのかもしれない。そうしてこのような体験をできたことを幸福であるというのである。また新潮文庫...

大学生である主人公と人妻の恋物語である。現代でもこういった話は兎に角危ぶまれる。しかし美しい心の話を描いているように思われる。二十余年思い続け、肉体に拘らず思い続けるその心こそまことの恋愛なのかもしれない。そうしてこのような体験をできたことを幸福であるというのである。また新潮文庫には保田の解説が載っているので驚いた。

文庫OFF

恋愛が始まったのが唐…

恋愛が始まったのが唐突に感じられてしまったので、そこをもっと説得力のある形で書いていれば、共感できたかな、と思いました。

文庫OFF

2023/12/24

本当に一途であったなら、花火に託す思いの深さは語りようも無い。[more]だけど隣の家の娘に手を出して結婚し、病気になったからと離縁してたらストイックが聞いて呆れる。いくら時代的背景を考えても、その口が貞操を訊くか!?

Posted byブクログ

2023/12/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

通信手段も情報も何もない時代。 だからこその純愛。 正直なところ、ここまではちょっと…と思ってしまうのは、時間の流れ方の違いや時代背景の違いからなんだろうか。 一途な思いを受け止める度量がないのかも。わたしには。

Posted byブクログ

2023/11/16

これは純愛…なのか…?一筋縄では行かない恋愛物語。恋愛は色々な形があるけれど、誰かの幸福が誰かを不幸にしている可能性があるのが恋愛なのかもしれない。主人公はずっと1人の女性を思い続けるのだが、煩悶とした感情からは抜けられず、崇高さのある「好き」ではないよなあ…と思った(あの人を神...

これは純愛…なのか…?一筋縄では行かない恋愛物語。恋愛は色々な形があるけれど、誰かの幸福が誰かを不幸にしている可能性があるのが恋愛なのかもしれない。主人公はずっと1人の女性を思い続けるのだが、煩悶とした感情からは抜けられず、崇高さのある「好き」ではないよなあ…と思った(あの人を神格化していくのも個人的には「うーん」だった)。ただ、これだけ1人の人を想い続けられることはすごいことなのかもしれない。

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2023/10/06

「毅然として、しかも慎み深いものがある。その技巧の簡潔と含蓄がそのことを支えきっている」アルベール・カミュ 1発の花火の重さ 花火の中にいる星 火薬玉を星と呼ぶ 星は表面から核へと燃え移る 炎色反応 たくさんの金属を抱えて天に上がる 核から爆発する花火 バラバラになるスペク...

「毅然として、しかも慎み深いものがある。その技巧の簡潔と含蓄がそのことを支えきっている」アルベール・カミュ 1発の花火の重さ 花火の中にいる星 火薬玉を星と呼ぶ 星は表面から核へと燃え移る 炎色反応 たくさんの金属を抱えて天に上がる 核から爆発する花火 バラバラになるスペクトル

Posted byブクログ

2023/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

許されない恋の下で行われる建前と本音 社会的な立場や体裁の中で翻弄とされる二人が、いよいよ一緒になろうかと決断する段になって、またも運命がいたずらを施す 見ているこちらがやきもきしてしまうが、永遠に叶わなくなった恋も、気持ちだけは生き続ける それを虚しいと取るか、美しいと取るか 作者はそれを我々に問うている気がした

Posted byブクログ

2023/04/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これ、3時間くらいあればすっと読める厚さで近代文学、浪漫主義文学の入門としてもおすすめしたいな、と思う本。 特に描写が圧倒的に素晴らしいのがp.26p.27の2人の川での様子が描かれた部分。 好きと書かずして、”わたくし”があき子さんのことを愛おしく思っているのが伝わる圧倒的な文章力。そして一番最後のp.94p.95の結末。 ”わたくし”をストーカーまがいの気持ち悪い狂人と思う人も多くいると思うけど、あき子さん側にも気持ちがあったとすると、やっぱりこれは浪漫だと言えるのだと思うのです。誰が関与することもできない、圧倒的な精神的た結びつきがあるのだな、と思わずにはいられない。

Posted byブクログ

2020/11/21

映画「天使のいる図書館」に出てきたので、読んでみた。『どうなの?』って思いながら読んでいたけど、最後の2行でいきなり込み上げてきて、泣いた。

Posted byブクログ