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架空通貨 の商品レビュー

3.5

160件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    61

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2023/03/08

――金は、この世の共通言語である。結局のところ、薄っぺらで自分の世界の無い人間たちにとって、最も手っ取り早く、そして分かり易い自己表現が金なのだ。(第六章 オルゴール)

Posted byブクログ

2023/01/29

お金とは何か。 会社とは何か。 色々考えて勉強になる作品でした。 普段使わない専門用語も池井戸さんの作品では、自然と分かりやすく説明を入れてくれるので流石です。

Posted byブクログ

2022/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とにかくスケールの大きな作品だった。怖かった。筆者の他の銀行ものの作品より、膨大な数の一般人がお金に振り回されており、不景気な今の状況と重なってより悲壮な気分になった。世紀末感がすごかった。お金ってほんと大事。専門知識のないわたしとしては難しかった。 途中からはぐいぐい引き込まれて楽しめたが、終始ヒロインの女子高生の存在がストレスに感じてしまったため星3つとする。一方、加賀のような大人の女性には憧れる。池井戸作品は登場人物に女性が少ない方が好みだと気付く。

Posted byブクログ

2022/11/24

「池井戸潤」の長篇ミステリ作品『架空通貨(原題:M1)』を読みました。 『銀行総務特命』に続き「池井戸潤」作品です。 -----story------------- 街は暗黒の企業に呑み込まれた! 女子高生「麻紀」の父が経営する会社が破綻した――。 かつて商社マンだった社会...

「池井戸潤」の長篇ミステリ作品『架空通貨(原題:M1)』を読みました。 『銀行総務特命』に続き「池井戸潤」作品です。 -----story------------- 街は暗黒の企業に呑み込まれた! 女子高生「麻紀」の父が経営する会社が破綻した――。 かつて商社マンだった社会科教師の「辛島」は、その真相を確かめるべく「麻紀」とともに動き出した。 やがて、2人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。 「江戸川乱歩賞」受賞第1作『M1』を改題 ----------------------- 2000年(平成12年)に発表された「池井戸潤」の第二長篇… 『果つる底なき』で「江戸川乱歩賞」受賞後プロ作家としては初の長篇となる書下ろし作品、、、 企業小説の一種になるのかな… 金融関係のネタをしっかり仕込んだ独特の作風で、金融ミステリとか、金融スリラーとか、そんなジャンル名がぴったりの感じの作品でした。  ■第一章 霧  ■第二章 黒い町  ■第三章 軌道道(きどうみち)  ■第四章 破綻  ■第五章 期限の利益  ■第六章 オルゴール  ■解説 杉江松恋 元商社マンで信用調査部に籍を置いていた「辛島武史」は、自社のリストラ方針に嫌気がさして退職し、現在は私立高校の社会科教師として奉職している… ある夜、彼が副担任を務めるクラスの「黒沢麻紀」という生徒が、「辛島」のマンションを訪ねてきた、、、 「辛島」はその態度に不信の念を抱くが、翌日、彼は「麻紀」の父が経営する黒沢金属工業が第一回目の不渡りを出し、そのため「麻紀」の転校届が提出されたことを知る… 翌月の決済日には第二回目の不渡りが出て会社が倒産することは間違いなく、「麻紀」の家族は多額の借金を抱えることになる。 「黒沢家」を訪ねた「辛島」は、「麻紀」が会社をすくうために田神亜鉛という会社を単身訪問しようとしていることを知る… 田神亜鉛から黒沢金属工業に押し付けられた社債7千万円の期前償還が実現すれば、会社は倒産を免れるからだ、、、 教え子の直向きな思いに打たれた「辛島」は、「麻紀」の後を追い、東京から400km離れた田神町を目指すことにする… 田神町――、田神亜鉛の関連需要が町の経済を左右する、事実上の田神亜鉛の城下町である。 亜鉛産業一色に塗りつぶされた黒い町の人々の挙動は「辛島」の胸中に疑念を呼び覚ます… 田神亜鉛の社長「安房正純」が田神町を支配している手段は通称「田神札」と呼ばれている私製通貨だった、、、 田神亜鉛の関連企業や、その下請企業のみならず、彼らが利用する飲食店、商店、そして一般住民までが「田神札」という架空通貨に苦しめられており、町は失意と絶望のどん底に陥っていた… この「田神札」を巡り、南米のダミー会社を利用したコンサルタントの「加賀」と暴力団によるマネーロンダリング、黒沢金属工業を買収することになる幽霊企業、融資を回収しようとする金融機関等の様々な思惑が交差する中、遂に田神町に巣食っていた闇が爆発する事態が発生する。 黒沢金属工業の破綻は防げるのか?「加賀」の真の目的は?そして、田神亜鉛に支配されている田神町の運命は? やや、現実離れした設定ではあるものの、ミステリとして愉しめる展開でしたね… そして、知的興奮が刺激される一冊でした、、、 お金のことについて、こんなに考えさせらえた作品は初めてですね… お金って、貨幣って、何なんだろう、自分にとって必要なモノって、何なんだろう って、結論は出ないけど、考えさせられましたね。 「池井戸潤」作品… 面白いなぁ、、、 次も「池井戸潤」作品を読んでみようかな。

Posted byブクログ

2022/07/13

初期の作品なので、難しく入り込めませんでした。下町ロケットや半沢直樹を読んでからは、正直厳しいですね。こんなことが、起きないように祈るばかりです。

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2022/04/24

読んでてとても悲しくなった。 下請け会社がこんなにも虐げられている現実。 この本はだいぶ前の時代で、今は下請け法で守られている部分はあるけれど、これに近いことはあるのかもしれないなと思うと、末端の会社は辛いなと思う。 池井戸さんの小説は、大逆転劇がおきるのが大筋だけど、本作はと...

読んでてとても悲しくなった。 下請け会社がこんなにも虐げられている現実。 この本はだいぶ前の時代で、今は下請け法で守られている部分はあるけれど、これに近いことはあるのかもしれないなと思うと、末端の会社は辛いなと思う。 池井戸さんの小説は、大逆転劇がおきるのが大筋だけど、本作はとても悲しい気持ちのまま終わった気がする。 ひとりの女性の復讐は成し遂げられたのかもしれないけど、ひとつの町が壊滅的な打撃をうけ、暴動さえもうまれ、結末はとても苦しい現実だった。 お金がひとつの大きなテーマになっていて、このお金によって人は狂うし、人でなしになっていく。こんな人にはなりたくないと思いつつも、自分は正しくいられるだろうかと思うと、自信がない。 どんな逆境にあっても、強く生きられる人間になりたい。

Posted byブクログ

2022/04/21

女子高生がヒロインだったりと、やや違和感はあるものの、面白く読んだ。 途中、分からない部分もあったので、金融の勉強をしなければならないなと感じた。 世界は銀行(会計)が動かしているように感じる。

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2022/03/08

めちゃ面白い設定。 高校生の黒沢麻紀が突然転校するとの連絡が...。 前日、クラスの副担任を受け持つ辛島武史は麻紀から前職についてあれこれ聞かれたのを思い出す。辛島の前職は商社。気になった辛島は他の先生に転校の理由を聞いてみると父が経営する黒沢金属工業が第一回目の不渡りを出した...

めちゃ面白い設定。 高校生の黒沢麻紀が突然転校するとの連絡が...。 前日、クラスの副担任を受け持つ辛島武史は麻紀から前職についてあれこれ聞かれたのを思い出す。辛島の前職は商社。気になった辛島は他の先生に転校の理由を聞いてみると父が経営する黒沢金属工業が第一回目の不渡りを出したというのだ。前日の麻紀の訪問は自分にSOSを出していたのではないかと気づいた辛島は前職の知識を生かしてなんとか助けようと調査を開始する。 そこで浮上した田神亜鉛株式会社。そこに貸した社債7千万を期前償還してもらえれば黒沢金属工業は助かるのではないか...。そう思った辛島と麻紀は交渉のため会社がある田神町へ向かうことになるのだが...そこは地獄の入り口であった。 ほぼ田神亜鉛株式会社の力だけで支えられている小さな町に蔓延る謎の通貨。負のスパイラル。どんどん話は膨らんでいき辛島、麻紀もそれに巻き込まれていく。果たして辛島は麻紀を救えるのか? 設定も良かったし、どんどん話が大きくなっていくのもスリリングで良かった。もう個人の手には負えないんじゃない!?ってところまで。やべーよやべーよ、と思いながらもページをめくる手は止まらず。そしてこの辛島先生、会社を辞めて再就職しようと思っていたあてが外れ、ついでに妻にも逃げられ散々な人生、不承不承高校教師になったという経歴でちょっと冴えない感じのキャラに見えたのに、麻紀を助けるために動き始めたら超優秀キャラに変身。数字だけの資料から次々と手がかりを見つけ出し、闇を炙り出していく。かっこいいよ。 ネタバレになるから書かないけど他にも魅力的なキャラや、この田神町を舞台にした大仕掛け、それぞれの思惑も混然となっていくのでそこも楽しめると思います。

Posted byブクログ

2022/02/01

登場人物が多いが、それぞれに個性がありストーリーの中で存在感が際立っていた。タイトルの架空通貨により町全体が翻弄され、蝕まれ、破壊されていく様はまさに人工ウイルスのようで恐怖を感じた。畳みかけるような後半の展開は少し奇抜にも思え、他の作品ほど入り込みないところもある。

Posted byブクログ

2022/01/25

・飽きさせない展開で読んで満足だった。 ・キーパーソンが次から次に現れ、先が読めないところが面白い。 ・展開として後半あたりからめちゃくちゃになっていくシーンがあり、そこは入り込めなかった。

Posted byブクログ