架空通貨 の商品レビュー
銀行や企業を扱った作品で、小説表現の新しい可能性を開拓している作家、池井戸潤。 これまで読んだ作品が面白かったので、過去に発表されたものに遡って読んでいます。 この作品は2000年に発表され、2003年に文庫化されたもの。 主人公は高校教師。 夏休みのある日、教え子が訪ねてきます...
銀行や企業を扱った作品で、小説表現の新しい可能性を開拓している作家、池井戸潤。 これまで読んだ作品が面白かったので、過去に発表されたものに遡って読んでいます。 この作品は2000年に発表され、2003年に文庫化されたもの。 主人公は高校教師。 夏休みのある日、教え子が訪ねてきます。 突然、訪問してきた女子高生が主人公にした質問が、「社債の返済」について。 元商社マンの主人公が、この教え子の親が経営する会社、そしてその取引先の経営に関する謎を追っていく・・・という始まり。 テーマは表題の通り、取引先が牛耳る企業城下町で日本円とは別に動く、”通貨”。 「資金を調達する」「それを返す」という、お金の面での企業活動の基本に対して、現状の日本の法律のもとでは「こんなことも起こりうる」というシナリオを提示し、その意味を問う内容になっています。 金融の知識が無い僕には正直、その分野のテクニックを駆使して展開されるトリックについては、理解出来ない部分もありました。 でもそれが理解できなくても、ストーリーは追えるような内容になっています。 そして、この分野の小説としてはかなり”派手な”クライマックスですね。 エンターテイメント性も重視して、書かれたのだろうなと思います。 著者の意欲が伺える、作品でした。 これ以降の作品も、読んでみたいと思います。
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んー けいた的にはあまり・・乗れませんでしたね~ 池井戸作品お得意の銀行のお話を絡めながら『お金』のトリック・・マネーロンダリング・・M1などの構造などが述べられるので経済の勉強にはなります・・逆に言うと少し金融の内容が難しくて簡単にすらすら読めるお話ではないと感じました ミ...
んー けいた的にはあまり・・乗れませんでしたね~ 池井戸作品お得意の銀行のお話を絡めながら『お金』のトリック・・マネーロンダリング・・M1などの構造などが述べられるので経済の勉強にはなります・・逆に言うと少し金融の内容が難しくて簡単にすらすら読めるお話ではないと感じました ミステリーと考えるとドキドキ感があまりない・・・心を打たれるような内容でもない・・・後味も良いとはいえない・・・・・ http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-95.htmlより
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この作家の作品は読みあさっていてマイブームになっている。今回も期待を裏切らない仕上がりではあるがラストがやや饒舌気味になっているのが惜しい。もう少しかりこめなかったのかなと思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
さすが元銀行員という経済ミステリーとでもいったような作品。そもそもお金とゆうものがそれを管理する母体の信用力によって成り立っているということを改めて意識させられる作品だった。
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父親の会社を破産から救おうと奔走する女子高生とそれを見守る副担任の男性教諭。彼の前歴が実は大手商社の凄腕調査マンだったいう設定はやや苦しい。解説では舞台となる黒い町こと田神市をラヴクラフトの名作『インマウスの影』の朽ち果てた漁村に喩えており期待して読むが、やはり呪われしインマウス...
父親の会社を破産から救おうと奔走する女子高生とそれを見守る副担任の男性教諭。彼の前歴が実は大手商社の凄腕調査マンだったいう設定はやや苦しい。解説では舞台となる黒い町こと田神市をラヴクラフトの名作『インマウスの影』の朽ち果てた漁村に喩えており期待して読むが、やはり呪われしインマウスには及ばず。この町の中だけで、現代に甦った西郷札と言うべき架空通貨 田神札が流通していると言うのは些か非現実的では?只、この非現実感が最後になって生きてくる。亜鉛に一色に塗り潰された町の文字通りの崩壊。紙切れとなり空に舞う田神札。
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池井戸潤の作品は2つ目。 お金に関する事柄を交えつつ進むストーリーが 徐々に大きく膨らんで最後に破裂するまで飽きさせない。 多忙でなかなか読み進めなかったが、もっとまとめ読みしたかった。
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導入部分に無理やり感があったのが気になったけど、リアリティある話でぐいぐい引き込まれた。 会計に疎いので「社債」の勉強にもなった。
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社債・マネーロンダリングっていうものがどういうものなのか、勉強になった。 仕事で、社内の会計系システムを担当してから、こういった題材の小説がおもしろい。 池井戸潤の本はすべてに言えることだけど、楽しんで読め、さらに自分の知識を深めることができる。 一石二鳥。
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下町ロケットの作者の初期の作品ということで手に取ってみた 非現実的な話だけど起こってもおかしくない そういう絶妙なさじ加減のお話 主人公の会社が倒産するかで大騒ぎしているのに 周りの会社は容赦なく潰れていく そのあたりにも現実の無慈悲さが感じられて なんとも言えない現実感を醸...
下町ロケットの作者の初期の作品ということで手に取ってみた 非現実的な話だけど起こってもおかしくない そういう絶妙なさじ加減のお話 主人公の会社が倒産するかで大騒ぎしているのに 周りの会社は容赦なく潰れていく そのあたりにも現実の無慈悲さが感じられて なんとも言えない現実感を醸し出していた 十分おもしろかった
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一気に読み切った! すごい筆力だと思う。 何より登場人物が皆,魅力的である。 そして さらりとはしているが エピローグがある分だけ 他の作品よりも 余分に愛着が湧くような気がしている。
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