白夜行 の商品レビュー
ダメだ、 たった今読み終えたばかりだが、この本を読んでしまうと、もう他のどの作者のどの作品も物足りなく感じてしまうのではないかというほどの焦燥とも言える興奮に苛まれている。
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主人公二人の少年と少女がどこかで繋がってるのに最後の最後まで気になる感じで、一気に読みおわた! 面白かった。また忘れた頃に読みたい!
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もちろん再読です。というか、もう何回読んだか思い出せないくらいです。最初に読んだのは発売された、1999年。22年経ってるんですね・・。読んだ方ならお分かりのとおり、この時期に読み返したくなるのです。とても怖くて、だけど、とても悲しいお話です。 東野圭吾さんの作品は、文庫待ちし...
もちろん再読です。というか、もう何回読んだか思い出せないくらいです。最初に読んだのは発売された、1999年。22年経ってるんですね・・。読んだ方ならお分かりのとおり、この時期に読み返したくなるのです。とても怖くて、だけど、とても悲しいお話です。 東野圭吾さんの作品は、文庫待ちしてる少し(おそらく1作品)を除き、全部読んでいます。東野さんご本人に言ったら不本意なのかもしれませんが、やっぱりやっぱり、いまだにこの作品は一番だと私は思うのです!間違いなく傑作です‼︎(もちろん好きな作品はいっぱいありますが) 有名な作品ですが、もちろん未読の方もいらっしゃると思うので、以下、ネタバレっぽい部分あるかと思います。ご注意を。 大阪でのある殺人事件から物語は始まり、完全な解決を見ないまま、月日が流れます。章が変わるたびに、新たな登場人物や、まったく関係ないような話になりながら、読者はあれ??と思いながら、少しずつのヒントも見つけつつ、じわじわと怖い気持ちで読み進め、止まらなくなるのです。 今回も一気読み。結局、面白い作品は、すぐその世界に没頭してしまうのです。 この話の何が凄いかって、私が一番に思うことは、桐原亮司と唐沢雪穂(とりあえずこの苗字で)が直接会っているシーンは1つたりとも描かれていない、ということ。すべて私たち読者含め、誰かの伝聞や、想像の中でしか二人は一緒にいないのです。(このあたりが、私自身はTVドラマはイマイチでした。青春編という感じで見せ過ぎ) だけど、読んでいくと分かる、じわじわと分かっていく、繋がっている…ということ。その強さと共に恐ろしいのは、『人をコントロールする』ということの巧みさと容赦なさ。ああ…怖くて悲しい。ラストに向けて、題名の意味が胸に沁みます。 何度読んでも面白く発見があります。最初に読んだ時は、ひたすらビックリして、繰り返し読み、また自分も歳を重ねていくと、違った感想もでてきます。 こんな風に生きる以外、自分達を守れなかったのか、一つの秘密は、より大きな秘密で包んでいくしかなかったのか…。 人は自分が騙されたとも気付かずに、運命だと思って生きていってしまう…もしかしたら、自分自身も気付かないまま、誰かに操られていることもあったのかしら?などと考えてしまうほど、夢中で読めるミステリーです‼︎ また、いつか読み返すだろうなあ〜と思ってページを閉じたのでした。
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非常にページ数が多く、数多くの女性が犯罪に巻き込まれるため、人によっては読む事が苦痛に感じるかもしれません。 また、2人の心理描写がほとんどなく、淡々とした文章なので本当は何を考えていたのかは全て読者の想像に任せられています。 その中でも私が特に思ったことを連ねると、 ・亮司が高校の時に売春商売をしていたこと =幼少期に売春させられていた雪穂のミラーリング(男女性別転換+売る側と売られる側の転換)なんでしょうね。 ここの描写こんなにいるか?と正直思ってましたが、複線だったとは… ・亮司が一番隠したかったことは、雪穂が幼少期に犯されていたことなんだろうなぁ、ということ 作中で繰り返し語られますが、魂を奪うと表現されるほど傷を残す行為であり、このことから彼は雪穂の魂を守りたかったのだろうなと強く感じましたら。 表題の通り、白夜の中を歩くような人生でしたが、私はどちらかというと極夜(日中でも太陽が沈んでしまっている状態)に亮司はいて、雪穂こそ白夜(夜なのに太陽があり明るいように見える)にいる状態なのでは?と感じました。 似て異なる対極なイメージです。
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再読。 かなり長編だけど、あっという間に読めます。 やはり傑作ですね。 救われない物語だけど時々読みたくなります。
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中盤から一気に面白くなる。東野圭吾とはとことん女の趣味が合わないので雪穂の魔性っぷりは作中で言われているほどか? とは思うけど、それに翻弄される周囲の人々の書き方がうまい。昼のような夜をずっと歩いてきた二人の人生が(最後の笹垣による空想以外には)あえて多くを語らずとも示されている...
中盤から一気に面白くなる。東野圭吾とはとことん女の趣味が合わないので雪穂の魔性っぷりは作中で言われているほどか? とは思うけど、それに翻弄される周囲の人々の書き方がうまい。昼のような夜をずっと歩いてきた二人の人生が(最後の笹垣による空想以外には)あえて多くを語らずとも示されている。ただし綿密な積み重ねを経た割にラストは既視感があり拍子抜けした。東野さん、こういう結末好きですよね……。
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長編を読んでみたくなり、何となく再読。 ページを巡る手が止まらなかった。 幼い頃に受けた傷。それを庇い合い生きてきた二人。 こんな生き方しかできなかった二人がとても悲しい。 そして、救いもない。
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真後ろにいる不吉な予感の気配を薄々感じながら、細い並行台の上を歩かされているような、そんな感覚に陥る作品だった。 とにかく登場人物の数が半端なく多い。どんどん人の名前が出てくるため、途中途中で見返して相関図を頭の中に叩き込む必要があるが、6割方読み終わったあたりで意識せずとも人名はもちろん人物同士の関係性が当たり前のものになるので心配無用。ここまでナチュラル且つ大胆に人間同士を関連付けられるのは流石だな、と感じた。 ミステリ小説?というより文庫後ろの解説欄にもある通り叙事詩的な要素が強い。例えば同著者のガリレオシリーズのように、難事件を(ある程度)スッキリ紐解いて解決!というような読み物ではなく、時系列が十数年にも渡る、ある種の伝記…誰かの詳細な日記だと思う良いかも。一番目の事件から絡まって拗れて様々な事象を引き起こす、「こんなんねーだろ(現実に)」と思いつつどこか人間の根幹にある生々しさを感じてしまう、そんな作品でした。 ちなみに起き抜けや就寝前に読むのはおすすめしません。かと行って通勤電車などの移動中など、日常の生活をそばで感じる瞬間にもおすすめできません。いつならいいんだろう…。めちゃくちゃ暇で時間を持て余した、快晴か大雨の昼下がりとかいかがでしょうか。
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事件は、大阪は真澄公園の前で、バブル経済崩壊後の煽りを受け建設中断となり今や廃墟と化したビルの中で男性の死体が見つかった。第一発見者は、小学二年生の少年だった。彼は自宅に帰り、母親を通して西布施警察署に通報された。 そして大阪府警本部に配属されていた刑事笹垣潤三が現場を見聞し...
事件は、大阪は真澄公園の前で、バブル経済崩壊後の煽りを受け建設中断となり今や廃墟と化したビルの中で男性の死体が見つかった。第一発見者は、小学二年生の少年だった。彼は自宅に帰り、母親を通して西布施警察署に通報された。 そして大阪府警本部に配属されていた刑事笹垣潤三が現場を見聞した。 物語は、「質屋殺し」が発端に始まった。 被害者は、桐原洋介 当日銀行から百万円を出金していた。現場は、空調のダクトが張り巡らされ子供達の恰好の迷路遊びの場となっていた。犯人のものと思われる痕跡は、皆無であると思われたし凶器も発見されなかった。 捜査が進むにつれて数人の容疑者として挙げられたが、何れも決め手が乏しく迷宮入りとなった。その後、十九年間も事件に疑問を抱いていた笹垣は、執念深く捜査を継続し、今や老練の域に達している。 当初事件の捜査線上に挙げられてなかった男女二人が、この小説の主人公桐原亮介と西本雪穂が浮上することになる。 この小説は、同著者「幻夜」とよく比較される。幻夜の続編ではないかと思われる方も多々いる。 確かに幾つかの点で酷似しているのです。 主人公は、男女二人であり、双方に忌み嫌う過去があること。その過去が暴かれる根拠となる事象は、狡猾で卑劣な手段で身内でさえも排除する等々。 白夜行と幻夜の女性の主人公は、私たちに昼間は無いと言っていたのは興味深い。 白夜行を読んで思っていたのは、犯人と目される「二人の心理描写は、何処にも書いていない」。唯一語ったのは、桐原亮介の『昼間に歩きたい』だろうか? 決定的に違う点は、「白夜行」の中に書かれていた「相利共生」で、「幻夜」では私利私欲のため、雅也は美冬に魂を奪われた。 最後に、東野作品の長編小説を二回読了しても尚おおっと呻った。しかし、どちらが優れているか?ふと想うと甲乙つけ難い。何故なら、これは著者(サンタ)から読者へのプレゼントだから…。 実におもしろい!
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これに手を出したら終わりと思わせる分厚さに二の足を踏んでいたが、ついに購入。ゆっくり読もうと思っていたのに、半日で読了。さっと読めた。人物の外見や立場などの特徴が分かりやすく、何年もたってから出てきた人でも「あ、あのときの!」とすぐ思い出せたので読み進めやすかった。エピソードの伏線回収も見事。しかしいわゆる匂わせのままなことも多く、それらを推察したときに思わず走る悪寒が、他の東野圭吾作品と違う点かなと思う。 吉田秋生の吉祥天女を思い出しました。
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