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フーコーの振り子(上) の商品レビュー

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26件のお客様レビュー

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2017/02/11

自分にとってエーコ3作目。 相変わらず自分の知識が追いついていないせいで、100%味わえ切れていない気がするが、読んでいて心が踊る感じがする。 上巻は、印象的なパリ工芸学院の振り子のシーンから始まり、主人公ガゾボンの半生と「計画」に至るまでの伏線が描かれている。

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2015/10/30

 エーコを(強かな敬意を持ちつつ)厨二の極致と評するのは、言い得て妙だと思う。とりあえずこれは、一度読んだだけでは頭の中で整理できそうもない類の本なので、後でもう一度読むことにする。評価はそのときに付けよう。恐らくエーコ作品の読み方として、一言一句を調べていくのが正しいはずなので...

 エーコを(強かな敬意を持ちつつ)厨二の極致と評するのは、言い得て妙だと思う。とりあえずこれは、一度読んだだけでは頭の中で整理できそうもない類の本なので、後でもう一度読むことにする。評価はそのときに付けよう。恐らくエーコ作品の読み方として、一言一句を調べていくのが正しいはずなので、次読むときは研究者になったつもりで読まなくては。  上巻は人物紹介と、これから起こることへの警句、いわば全日譚のようなもので、そこにエンタメ的物語的な意味があるかと問われれば(映画化されれば大半がカットされる程度には)恐らくない。しかし分量の割にはスラスラ読めた。翻訳がいいのかもしれない。

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2015/05/31

何度か読もうとして挫折して、やっと上を読み終わった。 中2要素満載で凄く面白い。 要素が散りばめられて拡散した物語が、下巻でどう収束していくのか楽しみ。

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2013/10/07

9/18 読了。 クリストファー・マッキントッシュ『薔薇十字団』 http://1000ya.isis.ne.jp/0698.html フランセス・イェイツ『世界劇場』http://1000ya.isis.ne.jp/0417.html カルロス・カスタネダ『呪術師と私』http...

9/18 読了。 クリストファー・マッキントッシュ『薔薇十字団』 http://1000ya.isis.ne.jp/0698.html フランセス・イェイツ『世界劇場』http://1000ya.isis.ne.jp/0417.html カルロス・カスタネダ『呪術師と私』http://1000ya.isis.ne.jp/0420.html

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2013/07/22

大好きな本。 迷路みたい。いろんな要素が絡み合っていて、豊穣なワインの香りがしてきそう。(恥ずかしいくらい気取った言い方ですが・・・) 以下参考(wikipediaより) 『テンプル騎士団に端を発するオカルト史と陰謀史観を題材とした伝奇小説の形式を土台に、西洋の精神史に関する...

大好きな本。 迷路みたい。いろんな要素が絡み合っていて、豊穣なワインの香りがしてきそう。(恥ずかしいくらい気取った言い方ですが・・・) 以下参考(wikipediaより) 『テンプル騎士団に端を発するオカルト史と陰謀史観を題材とした伝奇小説の形式を土台に、西洋の精神史に関する膨大な知識が盛り込まれた「百科引用大小説」(邦訳版の帯より)』

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2011/10/03

十字軍、悪魔崇拝、錬金術、深みにはまってく感じがいい。結構ボリュームある小説だけど、前半はあっという間だった。冒頭の博物館のシーンはうんちくだらけで面白い!

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2011/02/21

本書は1988年に発表されたウンベルト・エーコの長編第二作である。  17年前、邦訳が出た直後に読みかけたが、夜の博物館の中をうろうろする条で放りだしてしまった。次から次へと出てくる展示物が意味ありげで、いちいち考えていたらなにがなんだかわからなくなったのである。  『バウド...

本書は1988年に発表されたウンベルト・エーコの長編第二作である。  17年前、邦訳が出た直後に読みかけたが、夜の博物館の中をうろうろする条で放りだしてしまった。次から次へと出てくる展示物が意味ありげで、いちいち考えていたらなにがなんだかわからなくなったのである。  『バウドリーノ』が訳されたのを機にもう一度チャレンジしてみることにしたが、今回は振り子を発明したレオン・フーコーの伝記をはじめとして科学史関係の本を読み、準備万端整えたつもりだ。  結果からいうとレオン・フーコーも科学史も関係なかった。科学史関係の展示物が出てくるのは最初の50ページだけで、あとの千ページ以上はオカルトと陰謀史観の話なのである。オカルトと陰謀史観なら昔とった杵柄で、どうということはない。  澁澤達彦の『秘密結社の手帖』や映画になった『ダ・ヴィンチ・コード』でおなじみのテンプル騎士団が一応のテーマだが、オカルト知識を真面目にとりすぎるのはよくないだろう。エーコはオカルト・マニア(本書では「猟奇魔」)をからかいの対象にしていて、笑える場面がこれでもかこれでもかと出てくるのである。  この作品とオカルトの関係は『ドン・キホーテ』と騎士道物語の関係に相当する。オカルトのパロディというかパスティーシュであって、本格的なマニアだったら相当傷つくだろうが、わたしはマニアを卒業したので苦笑しながら読んだ。  出版業界の内幕ものとしても抱腹絶倒である。日本では「協力出版」と称して作家志望者からお金をむしりとる商売が繁盛しているが、イタリアでも似たようなものらしい。  しかし、この小説の一番の読みどころはそこではない。エーコは本作に二人の視点人物を設けている。一人は全体の語り手のカゾボンで、日本でいう団塊の世代にあたる。もう一人はカゾボンの同僚のベルボで、アブラフィアというコンピュータに手記を保存している。ベルボはエーコと同じく1932年にピエモンテ州で生まれた戦中派であり、エーコの分身といっていい。  エーコはカゾボンとベルボという二人の視点を通してイタリアの戦後史を描いているのだ。意外なことにそれは日本の戦後史とかなりの程度重なる。『輝ける青春』という映画を見て、日本とイタリアの戦後史がよく相関しているのに驚いたが、この小説を読んであらためて似ていると思った。  難解という評判は無視していいが、上下巻で千ページを超えるだけに最初の百ページはかったるい。しかし、長い小説の常として、百ページの峠を越せば一気呵成に読める。戦後史を実体験として知らない若い人にはぴんとこないかもしれないが、不惑をすぎた人はこの作品で惑ってみるといいだろう。

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2010/05/05

軽妙とは言えないテンポ・けだるい展開、ある程度の知識を要する専門的な用語・会話などが多くて敷居は高め。 テンプル騎士団とか神秘・オカルト系が好きならおもしろいのでは。 日本語訳がある意味すごい。

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2009/10/04

歴史は人生の師なり。全ては繰り返しの循環。歴史がないということを我々に教えてくれているからこそ、歴史は師なのである。但し、その置換には意味がある。 頑なに信じて勇敢に罪を犯せ。 「決して人を殺めず、何もかも知り尽くしている人物」=「彼は冗談のために生まれてきた伯爵」

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2009/10/04

上下巻です。「知の奔流に酔いしれつつも、アナタはエーコの張り巡らせた罠を見破ることができるか?! 」そんな本だと思ってます。エーコの哄笑が聞こえて来るようです。この物語から漂って来るのは、さすが肉を食ってる民族は違う、としか言いようのない知的バイタリティ。処女作『薔薇の名前』に見...

上下巻です。「知の奔流に酔いしれつつも、アナタはエーコの張り巡らせた罠を見破ることができるか?! 」そんな本だと思ってます。エーコの哄笑が聞こえて来るようです。この物語から漂って来るのは、さすが肉を食ってる民族は違う、としか言いようのない知的バイタリティ。処女作『薔薇の名前』に見られた小説的稚拙さはきっちり克服されているのもさすがです。敬服。

Posted byブクログ