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邪眼鳥 の商品レビュー

3.4

16件のお客様レビュー

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富豪の遺族が遺産の秘…

富豪の遺族が遺産の秘密を探る内に、複雑な時間の狭間に呑みこまれていく。求めながら永遠にすれ違う物語。

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 すげェ~難しィ~よ…

 すげェ~難しィ~よォ~! でもハマっちまったよォ~! 家族全員が、各自バラバラに、(それぞれの 欲望や 外傷や 毒 を抱えながら)各自の迷宮に、 ノタリ込んで行きます。 勿論 出口など無く、何処にも向かえず、ただ すれ違いだけが在ります. けっして謎は解けずに 終ってしまいます...

 すげェ~難しィ~よォ~! でもハマっちまったよォ~! 家族全員が、各自バラバラに、(それぞれの 欲望や 外傷や 毒 を抱えながら)各自の迷宮に、 ノタリ込んで行きます。 勿論 出口など無く、何処にも向かえず、ただ すれ違いだけが在ります. けっして謎は解けずに 終ってしまいます.だから本作は ミステリィなどではなく、少々SFブレンドの 精神分析系 私小説なんでしょう。

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父親の歌う『夏の初戀…

父親の歌う『夏の初戀』に誘われて、家族は真実に近づいていく。歌声は時空をも超越し、呪いのように付き纏う。濃密な雰囲気漂うミステリです。

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遺族が亡き父の遺産を…

遺族が亡き父の遺産を探す為に時空の迷宮に踏み込んでしまう。ミステリー風味のSFです。

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とても幻想的な内容で…

とても幻想的な内容で、私には少し難しかった。普通のミステリだと思って読むと、?な感じになります。

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2022/05/28

主体が欲望の対象とであうことがないと亡霊になるという発想が面白い。 タイムスリップなどのスリップが、ずれること、接地点をなくすことという解釈も言いえて妙だな

Posted byブクログ

2018/11/06

★2.5かな。可もなく不可もなく。 実験作ということのようですが、文字通りあまり読ませることを考えていない気がする。そういう意味で素描を鑑賞しているようなものかと。

Posted byブクログ

2015/12/19

 父精一の死を受けて四人の子が父の面影、父への欲望を追い求めて時空をも超えて彷徨うお話。語り手が非常に分かりにくく変化し、そのうえ登場人物たちの時間にズレが生じたりもするのだから、兄弟たちが翻弄されついには亡霊になってしまうことに、読み手である私も妙に共感できた気がした。最終的に...

 父精一の死を受けて四人の子が父の面影、父への欲望を追い求めて時空をも超えて彷徨うお話。語り手が非常に分かりにくく変化し、そのうえ登場人物たちの時間にズレが生じたりもするのだから、兄弟たちが翻弄されついには亡霊になってしまうことに、読み手である私も妙に共感できた気がした。最終的に亡霊にならずじまいの春子が不気味で、その美貌すらもどこか恐ろしく感じる。私には難解でしっかりと理解できた気はしないけど、面白い作品だった。

Posted byブクログ

2012/12/05

難しい。 どこかであらすじを読んでようやく見つけた本。 だが、思っていたのとまるで違う作品だった。 併録されている作品も全く分からない??

Posted byブクログ

2011/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 死者による生者への呼びかけ、それは生きている人間の側の論理に内包されたものとして現出するといった複雑に入り組んだ構造の中から発せられるものでありながら、それでいて、絶対に到達不可能なもので、そこに到達しようとしたとき、生者の論理は崩壊していく。文体の息の長さは著者の個性である以上に強烈な横断性を意識させるもので、その横断性によって両者が縫合されかつその縫合によって激しい差異と断絶を露にしていく。論理は足元から崩れ始め、世界は入り混じり、不気味な断線を撒き散らす。そしてその断線が回収され得ないことを示唆しつつ、物語は閉じる。  技術的な面で言えば、最高傑作の一つに挙げられてもいいのではないかと思います。推理小説的な仕掛けによって、ラテンアメリカ的な秩序の崩壊感覚まで読者を誘い込んでいく手腕が、純文学的な梱包の中にエンターテイメント性をも高い水準で確立していて、そこにあきれるほどの凄みを感じます。適当に読んでいくと、何を言ってるのかわからないという感覚も強いけれど、その何を言っているかわからない感覚が迷宮に迷い込んだような面白さを伴っている計算高さが、私にはたまらない。  併録されている「RPG試案―夫婦遍歴」も面白いですが、こちらはより即興的な感性で書かれているように思います。使われているのは、回想体としての時間の混乱や非現実の流入、シュルレアリスム的な越境といったところ。それらが文学的に使い古されたモチーフを混ぜ合わされ、無機質でありまた無頓着さまで感じさせる文体はその上を滑ったりはみ出したりしていく。いい加減なのに、奇妙に整合が取れている、その感覚が、その感覚だけで面白い、という感じ。だから、私は即興だと思うんですが。  いずれにせよ、「何だかわからないけれど、すごい」の部分が一番大事で、それが一番面白いところになっている、だからすごい、そういう中篇二本だと思います。個人的には筒井さんの小説の中でも、一番好きなものの一つです。

Posted byブクログ