レヴィナス入門 の商品レビュー
・レヴィナスは、じぶんは倫理を「構築」しようとしたのではない、たんにその意味を「探求」しようとしたにすぎない、と語っている(ネモとの対話)。それでもなお、レヴィナスの倫理は、あるいは過度なオプティミズムであるとも、逆にひどくペシミスティックだともいわれ、またユートピア的であるとも...
・レヴィナスは、じぶんは倫理を「構築」しようとしたのではない、たんにその意味を「探求」しようとしたにすぎない、と語っている(ネモとの対話)。それでもなお、レヴィナスの倫理は、あるいは過度なオプティミズムであるとも、逆にひどくペシミスティックだともいわれ、またユートピア的であるとも評されるであろう。ユートピアとは、むろん場所ではない場所、非-場所のことである。
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一通り目を通した。 読み終わったというにはほど遠い理解度かもしれない。 レヴィナスといえば、他者論。 前半を中心に扱われるフッサールやハイデガーとの接点は、自分の中で少しクリアになった気がする。 一方、6章以降、レヴィナス自身の他者論が中心となる部分になると、とたんに難しくなる...
一通り目を通した。 読み終わったというにはほど遠い理解度かもしれない。 レヴィナスといえば、他者論。 前半を中心に扱われるフッサールやハイデガーとの接点は、自分の中で少しクリアになった気がする。 一方、6章以降、レヴィナス自身の他者論が中心となる部分になると、とたんに難しくなるのはなぜだろう? 文章も独特な感じ。 使われている言葉は、術語もあるけれど、全体としてはやさしい言葉が使われている。 何か、詩のような感じさえ受ける。 ところが、言っている内容は、なかなか頭に入ってこない。 こちらのセンスとレディネスの問題だろうけど。 なんだろう、この見かけの平明さとのギャップ。
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とても丁寧で親切な解釈が提示されている。入門と呼ぶに相応しい。倫理を究極の形で探究したレヴィナスの鼓動を感じた。
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激動の戦時、戦後をユダヤ人として生き抜いた哲学者の思考の足跡を辿る本。 戦争により親族も故郷も失ない、失意の底に落ちるも世界がそれでも存在し続けること(イリヤ)に苦しむ。しかしそこから抜け出すのが「他者」である。 という考え方に興味を持ち、読み始めたものの。 残念ながら全く書...
激動の戦時、戦後をユダヤ人として生き抜いた哲学者の思考の足跡を辿る本。 戦争により親族も故郷も失ない、失意の底に落ちるも世界がそれでも存在し続けること(イリヤ)に苦しむ。しかしそこから抜け出すのが「他者」である。 という考え方に興味を持ち、読み始めたものの。 残念ながら全く書いてあることがわからなかった。私の力不足であるとは思うが。。 言語を対象とする哲学という分野だから仕方ないのかもしれないが、言葉の定義や成り立ちの話が多いし、複雑な事を更に複雑な言い回しで話すし、言葉がどんどん増えていくので、どんどんわからなくなってしまった。 また、抽象的な話が多く、実生活だとどうなの?とも思ってしまった。 こういう議論をし続けられる哲学者はすごいが、複雑な現象をなるべく短く簡易に説明する自然科学系学問を学んできた私にはちょっと相性が悪かった。 前半の50ページくらいまでは良かったのだが。。
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熊野先生の文章はひらがなが多いとは聞いていたが、さすがに「つうじょう」をひらがなで表記するあたりは独特である。 入門とはいえかなり難解なほうなのでちょっとばかし知識がないと理解しづらい。だからこの本を入門とは言い難いだろう。そもそもレヴィナスの思想自体、哲学のなかでも難しいほうだ...
熊野先生の文章はひらがなが多いとは聞いていたが、さすがに「つうじょう」をひらがなで表記するあたりは独特である。 入門とはいえかなり難解なほうなのでちょっとばかし知識がないと理解しづらい。だからこの本を入門とは言い難いだろう。そもそもレヴィナスの思想自体、哲学のなかでも難しいほうだ。哲学だけでなく語学の知識があるとまた読みやすくなるとおもう。 主なテーマは「他者」について。 レヴィナスのいう他者についてエッセンスが散りばめられているのが本書である。 思想が年を重ねるごとに変わっていくなかで、時系列順に紐解いてはいるが、いろんな本から文章を引っ張ってきているのでちょっと読みにくさはあった。 他者との関係それ自体が倫理。 わたしは第二の著書『存在の彼方へ あるいは存在するとは別の仕方で』が好きなので、「身代わり」についてとかもっといろいろ書いてほしかったという気持ちはある。 ただ熊野先生の文章がすきなので、割と面白く読めた。ほかのも読んでみるとともにこの本は図書館で借りたので買おうかなとおもった。
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ちっとも入門ではない。語りは専門書みたいな感じ。迂遠な書き方になっているのは丁寧に前提を再定義していくのなら仕方がないとはいえ原書からわかりやすくなったところは殆どない。ただ、読んだ人が理解の助けになると思って少し諸々の関連性を述べているので延長線上にあるテキストといえる。理解が...
ちっとも入門ではない。語りは専門書みたいな感じ。迂遠な書き方になっているのは丁寧に前提を再定義していくのなら仕方がないとはいえ原書からわかりやすくなったところは殆どない。ただ、読んだ人が理解の助けになると思って少し諸々の関連性を述べているので延長線上にあるテキストといえる。理解が深まる度に、読み直すと見えてくるのかもしれない。そういう感じのテキストでおおよそ新書らしくはない。とはいえ悪いテキストではないと思う。
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別の人の講義でレヴィナスを学んだときは「深そうなこと言ってるようだけどなんだか肌に合わないなあ」という印象だったが、著者による解説を読んで考えが変わった。著者の緻密な分析によるところが大きいのかもしれないが、結構かっちりとした真面目な倫理学的主張を展開している。
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少し前に読んだ哲学大図鑑で気になったので、入門書として読んでみたが、中々難しかった。 レヴィナスの思想の背景にあるフッサールの現象学は以前に入門書を一読していたから掴めたものの、ハイデガーの方は不勉強であった為、それと比する形での説明は理解できたと言い難い。 一般書としての平易な...
少し前に読んだ哲学大図鑑で気になったので、入門書として読んでみたが、中々難しかった。 レヴィナスの思想の背景にあるフッサールの現象学は以前に入門書を一読していたから掴めたものの、ハイデガーの方は不勉強であった為、それと比する形での説明は理解できたと言い難い。 一般書としての平易な記述をかなり意識されていたが却ってまどろっこしさを感じる部分もあった。 終盤の内容は、個人的な時間の不可逆性への恐怖や生まれたこと生きていることの申し訳なさ、関係すること認識してしまうことの不安と関連づけて考えられた。解釈は間違っているかもだけど。 いずれにせよもう少し知識をつけて読み返したい。
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「存在」「主体」「身体」「糧」「世界」「他者」「女性」等々のキーワードを、レヴィナスの思想の展開をたどりながら、説明していく。彼の思想を捉えるための手がかりが得られるように思うが、一読しただけでは、それもなかなか難しい、というのが正直なところ。
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フランスの哲学者エマニュエル・レヴィナスの哲学を存在論の視点から描き出した入門書。フッサールやハイデガーになじみがないとやや難解な部分もあるが、全体としては読みやすい作りになっている。 詳細に立ち入ることはやめておこう。 ここに書き留めておくべきことはひとつ、レヴィナスは極めて...
フランスの哲学者エマニュエル・レヴィナスの哲学を存在論の視点から描き出した入門書。フッサールやハイデガーになじみがないとやや難解な部分もあるが、全体としては読みやすい作りになっている。 詳細に立ち入ることはやめておこう。 ここに書き留めておくべきことはひとつ、レヴィナスは極めて繊細な感受性をもった哲学者だった、ということだ。 リトアニアに生まれたユダヤ系のレヴィナスはフランスに留学した後、第二次世界大戦に巻き込まれ、捕虜として収容所に入れられる。本書に「奇妙な戦争」とあるように、しかしその収容所生活は穏やかだったようだ。「夜と霧」を著したヴィクトール・フランクルの過酷な収容所体験に比べると非常に恵まれた境遇だったようだ。けれども収容所から解放され、戦火に巻き込まれて何もかもなくなった故郷を見た後、レヴィナスの「存在」や「私」、「他者」の思考が展開していく。 レヴィナスの繊細な感受性はそれを受けてこう記す。 “たったいま死んだものによって残される空所が、志願者の呟きによって充たされる。存在の否定がのこした空虚を、あるが埋めてしまうのだ” 哲学書を読む醍醐味は、こうした繊細な感性に捉えられた事象とそれを解きほぐしていく力強い思考をたどることにあると思っている。哲学者が語るのは真理ではない。彼ら彼女らが語るのは自らの感受性なのだ。その意味で言えば、哲学は芸術でありうる。
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