李歐 の商品レビュー
いい!! ハードボイルド?なのかな 二人が離れてる間のストーリーがしっかり書かれているから、再開した時の感動が読者にも伝わった。
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19歳のときに読んで感動して、「人生で一番面白かった本はなにか」と聞かれたらこれかなと思っていた本。なんとなくもう一度再読してみた。 ・突然キャラが世界情勢について語り始めるがちょっと意味が分からない ・拳銃とか部品の描写が凄いんだけど、あまりに精巧すぎて意味がわからない ・途...
19歳のときに読んで感動して、「人生で一番面白かった本はなにか」と聞かれたらこれかなと思っていた本。なんとなくもう一度再読してみた。 ・突然キャラが世界情勢について語り始めるがちょっと意味が分からない ・拳銃とか部品の描写が凄いんだけど、あまりに精巧すぎて意味がわからない ・途中の牧師の告白文が面白すぎる。笑いどころなの? ・途中でりおうの幽霊を見るあたり「ファンタジー小説なのか???」と思ってしまった ・結局ヤクザとか拳銃とかサスペンス風の要素は、物語の飾りであり、たんに男同士の愛を描きたかっただけでは? その愛を描くのにここまでの余計な描写は必要なのか? いろいろ疑問は浮かぶんですよ。 でも、圧倒的な文体で読ませてしまう。 文体の勢いがすごすぎて、これ日本語おかしいよね?と思う所が多々あるんですよ。 それでも読ませてしまう。 雰囲気で読ませてしまうというのか。なんでこんなに長いのに読んじゃうんだ?しかも全然今読んでも古臭くないしね。 色々論理的におかしいところだらけなのに、この本が好きで、そして私はなんで好きなのかをいまだに説明できない。
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壮大な物語だった、ということは間違いないのだけれど、最初から最後まで、ついにハマらずに終わってしまった。 髙村薫なので、くどい位に細かい描写が、いつかきっと物語世界に深く浸らせてくれると思ったのだが。 原因は、主人公の吉田一彰の、あまりにも動かな過ぎる感情ゆえの、共感性のなさ、なのだと思う。 小説は共感してなんぼだ、とは思わないけれど、あまりにもとっかかりがなさすぎる。 小学校入学を前にして母に捨てられた時も、育ててくれた祖父母を捨てるように東京から幼児期を過ごした大阪の大学に進学した時も、ゼミの指導員の妻と不倫をしているときも、アルバイト先で殺人の手引きを強要された時も、本物の拳銃を手にした時も、常に心は平静だ。 だから彼の何が李歐に惹かれたのかはわからない。 逆に、李歐が彼に執着する気持ちもわからない。 だからこそ互いの「運命」と言えるのかもしれないが。 一彰が唯一安らげたのは、母が働いている間敷地で遊ばせてくれた、アパートに隣接する町工場にいたとき。 モノ作りは好きだったのだ。 だから服役後、守山の経営するその小さな工場で見習いとして働き、後継者として工場を守っていくのはわかる。 守山工場で働いていたのが、中国人や朝鮮人、そしてどうやら匿われているらしい中国人たち。 中国やアメリカや台湾の組織が入り乱れてそれらの人々を殺したり逃がしたりするのだが、一彰は特にそのことに深入りはしない。 ただ李歐だけは別で、彼の半生を聞き、彼が無事に日本を脱出して、成功するのを祈るのだった。 22歳で出会った李歐と一彰。 37歳で中国で再会するまで、互いと接触せずに信頼してきた、その根拠は何なのだろう。 そもそも波瀾万丈の李歐の半生はまた聞きで、一彰の方の半生は町工場でこつこつ働くだけの地味なもの。 もっと二人が「俺たちに明日はない」ような手に汗握るバディものかと思ったんよ。 うーん、残念。
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2人が惹かれあった理由、結び付きがどうしてそれほど強いのかよくわからなかった。多少読み飛ばしても問題なく進める。こんな人生やだなと、中国語と歴史の知識があったらもう少しおもしろいのかも。
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再読。中国語を勉強してから読んだら、作中の言葉がなんとなく理解できるようになってすごく感動した。でもやっぱり「主人公がバイなら出てくる女を全員殺せばいいじゃない(凶悪なマリーアントワネット)」みたいなラストの展開めっちゃ好きだ 李歐視点の話が読みたくなる
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木村さんが貸してくれた。彼はどんな思いでこの本をすすめてきたのか、彼は何を思いながら読んだのか、今とても知りたい。
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他の高村薫さんの小説とは異質な雰囲気がとても好き。特に明るく朗らかで暖かい最後の桜の村での描写は圧巻で、歓喜という言葉をよく表していました。李歐という人間も魅力に溢れていてとても素敵な小説。
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美しい見た目、冷酷さや聡明さといった印象を抱かせつつも、その奥には透き通った素直さや純粋さも垣間見える、出会う人に畏怖や尊敬の念を抱かせるカリスマ、李歐。 一見平凡だが幼少の頃から底知れぬ組織・権力との切っても切れないつながりを運命づけられ、厭世的な雰囲気を纏う一影。 それぞれが惹かれ合う最初の出会い、印象的な別れ、そして互いを思い続けた再会までの長い年月を、重厚な時代背景と共に繊細な描写で描いた大作。 高村薫さんの作品を読むのは初めてだったが、人物の細かく魅力的な描写や、繊細でありながらどこか理路整然とした物語の運び方がとても好みだった。 2人がなぜそんなにも惹かれあったのか、その理由は正直はっきり描かれていない。だからこそ、理屈抜きで、相対する人間そのものを愛するという事実だけが存在している。 2人をつなぐものは、恋愛感情か、愛か、羨望か、希望か、慰めか? 型にハマった定義づけなどできないような、人間同士の関係性を描く作品をこれからもたくさん知りたいと改めて思った。 『李歐という歓喜。暴力や欲望の歓喜。友達という歓喜。常軌を逸していく歓喜。 熱である限りそのうち冷めるだろうし、熱が下がらなければ死ぬだけだった。』 読み始めた時、重厚な世界観に一気に引き込まれたものの、読み終わった時に頭にあった一影と最初に抱いた一影の印象がまるで別人のような心地がし、長い年月とその中での変化を一冊の本で描き切り、読者に感じさせるその描写力にあらためて驚いた。
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久しぶりの高村薫。 読書好きの知人の薦めで読んでみました。 高村薫作品は描写が本当に細かく、読むのに時間がかかるので覚悟を決めてから読むことにしています。 が、覚悟が足りなかったようで読了までかなりの時間を費やしました。 そのせいか、個人的な評価もいまいち。 殺し屋・李歐に一...
久しぶりの高村薫。 読書好きの知人の薦めで読んでみました。 高村薫作品は描写が本当に細かく、読むのに時間がかかるので覚悟を決めてから読むことにしています。 が、覚悟が足りなかったようで読了までかなりの時間を費やしました。 そのせいか、個人的な評価もいまいち。 殺し屋・李歐に一彰がなぜここまで強く惹かれたのか、その逆も然り。 二人が互いに強い友情を感じ、保ち続けられたのかが読み取れず、なんだか置いてけぼりにされている気分でした。 最後のやりきれない展開には驚き、そこから一気に読みましたが、面白かったかと聞かれれば、私には合わなかったというのが率直なところです。 あ。 今現在、中国で暮らし、中国語を勉強しているので中国語の台詞などが出てくるところはストーリーとは関係ないところでツボでした。 やっぱり高村薫さんの作品の中ではマークスの山が1番好き。 2019年11冊目
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一彰のアルバイト先である高級クラブに颯爽と登場した李歐。刑務所を出所し、原口と関係を続け、守山の娘である咲子との関係を深めても、李歐への思いは尽きない。こんな恋愛話だったのかと愕然としつつ読了。読み応えのある良い作品だった。
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