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球形の季節 の商品レビュー

3.2

264件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    77

  3. 3つ

    114

  4. 2つ

    38

  5. 1つ

    7

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2023/10/24

「あの世界」に行ける人は、欠損してる人。 わたしは「あの世界」に行ける側の人間なんじゃないかなあ。 みのりに一番憧れます。 「あの世界」から出ることが、幸せなんじゃないかなと思いました。

Posted byブクログ

2023/06/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

噂やおまじないがものすごい早さで広まっていく不穏さがとても上手に描写されていた。 ホラー感はなく、人為的なものとファンタジーが融合したようであまり好みでは無かったかも… ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた……。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した! 新鋭の学園モダンホラー。

Posted byブクログ

2023/04/23

デビュー作である『六番目の小夜子』と同様に、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった、恩田陸さんの二作目の長編です。 故郷に対する閉塞感と噂を題材に、高校生の葛藤が表現されています。 一見、デビュー作と似通った設定に思えるのですが、創り出される作品世界は全くの別物と言っ...

デビュー作である『六番目の小夜子』と同様に、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった、恩田陸さんの二作目の長編です。 故郷に対する閉塞感と噂を題材に、高校生の葛藤が表現されています。 一見、デビュー作と似通った設定に思えるのですが、創り出される作品世界は全くの別物と言っても過言ではなく、そこに才能の片鱗を見る思いがしました。 超常現象や特殊能力を扱いながら、将来何者にもなれない漠然とした不安や焦燥感と、日常が非日常に反転する恐怖感の演出も巧みです。 舞台となる地方都市の、のどかでおおらかな情景描写に見え隠れする不穏な空気感が、数多くの登場人物を通して描かれているのが印象的でした。 後に発表される幾つかの作品に、繋がるようなエピソードも散見されることからも、デビュー作と並んで原点と呼べる作品なのかもしれません。

Posted byブクログ

2023/01/27

どんな怪異よりも、人生、平凡で凡庸で、ダラダラと続く人生ほど怖くはないという真理をさらりと提示する、これはまさに究極のホラー。こうした恐怖にはまだしも女性の方が耐えられる、というのが結末の意味だろうか。

Posted byブクログ

2022/10/17

久しぶりの恩田陸さん。モダンでもホラーでもないモダンホラー。恩田さんの田舎っていつも呪縛がすごい。かつてはそういう枷のようなものがあったのかしらね。あるいはそれがホラーなのかな。

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2022/03/03

合わなかった。登場人物が多く誰が誰だかわからなくなったし、川とはなんだったのか?あと、体罰教師の行方やそれぞれの人物のその後が気になるし、なんか全体的にもやもやとしたまま終わった。でも麦茶やらそうめんやらの夏の描写はとても良かった。

Posted byブクログ

2021/09/14

デジャビュ(既視感)のような気分を味わった、物語の始まる東北の一地方「谷津」という土地に。 「みのりやひろのり、ひとし」たちにいつか会っているような、自分のことのような。 どこかであったような自分のことのような人たちが、住んだことのあるようなところで繰り広げる日常の非日常。私は...

デジャビュ(既視感)のような気分を味わった、物語の始まる東北の一地方「谷津」という土地に。 「みのりやひろのり、ひとし」たちにいつか会っているような、自分のことのような。 どこかであったような自分のことのような人たちが、住んだことのあるようなところで繰り広げる日常の非日常。私は恩田さんの書くファンタジーの気質ひとつだろうと思う。いや、羨ましい筆力の才能。 でも、それは後から思ったこと、とっぷりとはまって楽しんでしまった。とくに第二章「いつの間にかこんなに違った生き物になってしまった」の「谷津」の町の情景描写は好もしい。 『国道を車で走れば、谷津を通過するのに、もし運悪く信号待ちにひっかかったとしても五分とかからない。日本中に、これと同じような町がいったいいくつ位存在しているのだろう?』 ここを読んでドライヴ途中の旅愁を思い浮かべる人は多いだろう。 そんな町が心を込めて描写され、みのりという女の子に『浮き立つような気持ちになる』と言わしめる、紅川の情景。如月山の四つの高校、男の子の高校二つ、女の子の高校二つ。そうして物語は始まる。 「球形の…」と題名がいうようにこの地球上に幾千とある物語の一つ、ファンタジーに込められた普遍性。その普遍性として述べられている「ことがら」がこの物語のカギなのだが、それを言うのは控えよう。しかし、その「ことがら」は私にも生きる上でもっとも大切な、大切なことがらなのだ。

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2021/09/01

東北の地方都市にある4つの高校で広がる奇妙な噂。恩田陸先生お得意の、思春期のモヤモヤしたフラストレーションと、日常のすぐそばにある異世界。多彩なキャラクターそれぞれの心理描写が緻密かつ自然。 「この世で毎日朝起きて、鏡の中に自分の老いていく顔を見て、真面目に人生の意義を考えなが...

東北の地方都市にある4つの高校で広がる奇妙な噂。恩田陸先生お得意の、思春期のモヤモヤしたフラストレーションと、日常のすぐそばにある異世界。多彩なキャラクターそれぞれの心理描写が緻密かつ自然。 「この世で毎日朝起きて、鏡の中に自分の老いていく顔を見て、真面目に人生の意義を考えながらコツコツ生きていくことくらい恐ろしいことはないからな」

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2021/08/12

ある町のそこだけ死んだように、ひっそりと佇む町。この世と違う異次元の世界に入り込む事ができる町で才能ある男の子が少しのスパイスを投入するとたちまち波紋が広がる。 みんながこうなると願う念がそうなってしまう。 この町に住む人々の、高校生の日常と非日常を描き今の生活に疎んじているコ、...

ある町のそこだけ死んだように、ひっそりと佇む町。この世と違う異次元の世界に入り込む事ができる町で才能ある男の子が少しのスパイスを投入するとたちまち波紋が広がる。 みんながこうなると願う念がそうなってしまう。 この町に住む人々の、高校生の日常と非日常を描き今の生活に疎んじているコ、満足できない発散したい念が異次元の世界へ行きたい、何か起こる期待を町全体に漂い怪異現象を引き寄せる。 その世界に入り込む人がいたのかどうか結末は分からずじまいでうやむやになるがホラーよりは、恩田陸の世界の方が合っているきがする

Posted byブクログ

2021/06/27

「噂」繋がりということで荻原浩さんの『噂』に続いて読んでみました。 噂、おまじない。 序盤の設定と展開が素晴らしいですね。あっという間に物語に引き込まれてしまいました。

Posted byブクログ