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チグリスとユーフラテス の商品レビュー

4.1

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    34

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    1

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2017/08/16

表現をまどろっこしく説明過多だなと感じる部分もなくはないが、基本的にフェアというか、とてもクールな思考の人が描いた本だなぁと思った。新井素子先生の本を読むといつもそんな感想を抱く。 自分の人生は自分で責任もって、自分で自分の幸せを自覚しながら生きるのが大切、というメッセージを受け...

表現をまどろっこしく説明過多だなと感じる部分もなくはないが、基本的にフェアというか、とてもクールな思考の人が描いた本だなぁと思った。新井素子先生の本を読むといつもそんな感想を抱く。 自分の人生は自分で責任もって、自分で自分の幸せを自覚しながら生きるのが大切、というメッセージを受け取りました。

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2016/08/20

◆感想 SFはあまり好きではなかったけれど、この本は面白く読めた。妊娠中に読んで、そのテーマについて何か特別な気持ちで読んだ覚えがある。

Posted byブクログ

2015/07/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

市図書館閉架にて、先輩方の会話に出てきたのを聞いて。 捉えた方によっては、信頼できない語り手の二重構造であった。(場合によっては3重)特に2章までは読者に対して悪意のある語り手役割が存在するため、エグレル。3章以降は悪意は落ち着くが、理解が進みエグレル。そもそも、地球世代に近づくように人物が移っていく形が、ずるいのである。我々の常識に近い側へ進むにつれ、今までの行間に存在していた「常識」が開示されていく。また2章の終わりを読んでから、3章に入るには気力が必要であった。 全体の語り手は、なんだかなれなれしく信頼したくないタイプだが、定義上は信頼できない語り手ではない。 私には、「生存」の2章が一番近い話題であったと思う。パーソナリティも、4人の中ではダイアナ・B・ナインに近い。生存のために調査・推論を行う。生き甲斐ダッシュは、やはり想像力の産物である。

Posted byブクログ

2014/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ジャンルで言ったらSFです。 惑星ナインの最後の子供「ルナちゃん」。 少子化の末、最後に生まれた子供は30才になろうと50才になろうと70才になろうと「子供」であることを強いられる。 なにしろ自分が一番年下なんだから。 そして、みんなが順当に寿命を達成すると、最期は一人だけで生きていくことになるんですね。 何かをしようにも、自分が死んだあとに受け継いでくれる者がいなければ、それは虚しいばかり。 仕事も、芸術も、ペットを飼うことさえも無意味。 そして自分の子供がそんな一生を送るかもしれないとわかっていても、「ママ」はお腹に芽生えた「ルナちゃん」の命をこの世に産み落とした。なぜ? そして「ルナちゃん」はコールドスリープで眠っていた「病人」たちを順番に目覚めさせていく。。。答えを求めて。 すごく考えさせられました。 子供を産み育てて、命を次につなげることは、個人的な問題ではなくて文化をつなげて行くこと。 子供がいない社会に未来はないこと。 未来がないということがどういうことなのか。 極端な話、今の日本の少子化と後進国で増えている子供たちのことを考えたら、たとえ現在の乳幼児の死亡率が高かったとしても、大局を見たらもしかして・・・とかいろいろ考えました。 望みもしないのに最後に一人ぼっちで暮らしていく「ルナちゃん」。 物質的には不自由ないとしても、でも、ただ生きて、最後の人類として死んでいくことだけが彼女の使命。そんな一生。 それでもやっぱりママは「ルナちゃん」の幸せを願って産んだんだろうなと思わずにはいられないです。 そして、どんな状況だったとしても、結局は自分の認識と少しの努力しだいで人生を充実させることができると知れば、希望の光は見えてくるんだと。 最後に惑星ナインの母「レイディ・アカリ」をコールドスリープから目覚めさせた「ルナちゃん」。 諦めではなくて、生きることの意味を見つけられたと信じます。 上下巻で結構なページ数ですが、重いテーマにもかかわらず、新井素子のこなれた文章でサクサクっと読めました。 心に残る作品です。

Posted byブクログ

2014/04/21

70を越えても幼女のような振る舞いのルナ・・・。 何十年経っても文体の変わらない作者の姿に重なってしまった。 どこかで読んだような人物、どこかで読んだようなシチュエーションがたくさんで、妙な安心感もあるけど、今の私には、この文体はツライとしか言いようがない。 久しぶりに2冊読ん...

70を越えても幼女のような振る舞いのルナ・・・。 何十年経っても文体の変わらない作者の姿に重なってしまった。 どこかで読んだような人物、どこかで読んだようなシチュエーションがたくさんで、妙な安心感もあるけど、今の私には、この文体はツライとしか言いようがない。 久しぶりに2冊読んでみたけど、もう新井素子は卒業かな。(今さらかっ?)

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2014/02/09

読みはじめと、読了後ではまったく印象が変わる作品。 読み進めるにつれて、ナインを巡る世界観、そしてルナというキャラクターが段々と浮かび上がってくる。設定がよく作り込まれているのがわかります。 火星年代記を登場人物4人の視点で、主観的に描くとこんな雰囲気か、と言ったら褒め過ぎ?

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2013/12/12

一言で言うと、長い。 後書きを読むと、夢の話を現実に書いた事に驚いた。 人生とは何か? 自分の人生は価値あるものなのか? 何ものにも縛られず心の赴くままに生きることが人生なのか。 繁殖、生産、芸術…価値ってなんだろう。

Posted byブクログ

2013/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私が中高生時代の時に読んだ本なのですが、鮮烈なまでに印象に残った作品です。私のパーソナリティに影響を与えたと言っても過言ではないかもしれません。せひ、若い女性に読んでもらいたい作品です。 いつもだと読んですぐにレビューを書くか、時間が立っている場合は実際に本をめくりながらレビューを書くのですが、今回は本が手元にないので下記レビューに誤りがあったらごめんなさい。 でもものすごく印象に残った作品なのでぜひレビューしたいと思って書きました。 SFはあまり好みではないのですがこれは別格。(逆にSFファンには受け入れられないかもしれない) 口語調の文体がまた、登場人物一人一人の心情をリアルに伝えるので感受性の強い方はとにかく感情移入をしてしまうでしょう。 惑星ナインでただ一人の人間になってしまったルナが主人公。 話し言葉も子供っぽいフリフリ系ロリコンスタイルな老婆です。 そんな彼女はコールドスリープの状態にある女性達を次々と目覚めさせます。 抱えた過去もコールドスリープに入る経緯も性格もバラバラな3人の女性について書かれた章はとにかく一つ一つが重いですが、読むたびに“女としての自分”を考えさせられました。 マリア・D 生殖機能検査に合格した特権階級でありながら妊娠できずにいた女性。『繁殖』に生きた女性。 愛と出産について濃く書かれた章です。とにかく彼女の悲痛なまでの心の叫びにはやられました。 ダイアナ・B・ナイン 惑星管理局員として、感情を抑え、理性で行動してきた女性。 文体も論文調というかきっちりした性格が現れています。 いわゆるワーキングウーマン。『仕事』に生きた女性。 関口朋美 両親の家系が全員苗字を持つという特権階級。彼女はその中でも純粋でプライドも人一倍高い。 そして芸術的センスに恵まれた画家。『芸術』に生きた女性。 レイディ・アカリ(穂高灯) 惑星ナインの女神。90歳。 惑星ナインの発展という『生きがい』に生きた女性。 コールドスリープから目覚めた女性達それぞれに対して「あなたが生きて、やってきたものの結果が自分だ」と彼女たちに告げます。 そう、ルナは人間への復讐のためにコールドスリープから彼女たちを目覚めさせたんです。 ある意味、残酷でぞっとする展開だけどルナを目の当たりにした時の彼女たちが導き出す答えにそれぞれ心を打たれました。 人間はどんな時でも『生きる意味』を求めてしまう生き物なんだという事を実感しました。 とにかく鳥肌が立つほど感動しました。 この本、ぜひ再読したいです。 子供の頃に読んだ本ですが、大人になった今ならまた違う思いを抱くかもしれません。

Posted byブクログ

2013/11/17

人類の惑星移民計画の発足と終焉までの歴史を遡っていく物語。移民した先の惑星で繁栄を成功させるという共通の目的に対し、それぞれの時代の政策や社会背景が細かくかかれていて、その結果が人類の滅亡に終息するということがたまらなく切なかったです。 人生を掛けた惑星移民計画が失敗したという...

人類の惑星移民計画の発足と終焉までの歴史を遡っていく物語。移民した先の惑星で繁栄を成功させるという共通の目的に対し、それぞれの時代の政策や社会背景が細かくかかれていて、その結果が人類の滅亡に終息するということがたまらなく切なかったです。 人生を掛けた惑星移民計画が失敗したという事実にもめげずに最後の子供ルナにいきる希望を与えた灯の章もよかったですが、哲学や理屈的な内容が多く全体的に長すぎるのと口語文体が過ぎるのが読んでいて辛かったです。 個人的にマリア~ダイアナの章が面白かったです。人口増加に食料自給が追い付かず出生制限が設けた時代があり、出生率が極端に下がり生殖能力を有する人間が重宝され社会全体で出産を促す時代に繋がる。同じ人類存続のための政策なのにやってることはまるで逆。 餓死者を出さないための表面的な政策や、出産を望む反面、自らの子供が最後の子供になるかもしれないと苦悩する夫婦などが生々しく描かれてい手読みごたえがありました。 砕けた口語文体こそが新井素子さんの最大の特徴だと思うのですがなかなか慣れませんでしたので評価3という形に。 口語文体に抵抗がある人はなかなか読みづらいところもありますが、最後の子供という結末を作り、また自分をその存在にしたすべての人類を憎んだルナが終わり行く人類史の中でどうかわって行くのかが面白かったです。

Posted byブクログ

2014/05/28

2013.4.19 会社にあったいらない本を自分の本棚にうつし、2年放置し、やっと読んだ。読まなきゃ良かった。 小学生が読む本だなさては。

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