アムネジア の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ミステリ」として売り出したのがそもそもの間違いな気がするなこれ。 主題はあくまで、現実がドロドロに融けていくような幻想的な恐怖だと思う。 タイトルの意味が分かった途端全ての見え方が変わってゾワッとした。
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『入り混じった記憶の中で、彷徨い続ける』 個々の出来事は鮮明に語られるが、出来事同士の繋がりは不鮮明で、所々、現実離れした出来事が起きるため、全体を通して何が事実で何が夢なのか、最後までわからなかった。なんとも不思議なミステリーでした!
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稲生さんの作品を読むのはこれで2作目ですが、海にドボーンと落とされたような、宇宙にドスーンと打ち上げられたような、そんな不安感に襲われます。 なんや知らんが、怖い。
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編集プロダクションに勤務する島津伶は、ある会社の社史を編集中、そこに登場する人物の死亡記事を目にするのだが……。 M資金や永久機関など、断片的なキーワードのみが与えられ、その核心は明示されない不可解な存在に日常が浸食されてゆく描写が秀逸。複雑な入れ子構造もあいまって、その不安定な...
編集プロダクションに勤務する島津伶は、ある会社の社史を編集中、そこに登場する人物の死亡記事を目にするのだが……。 M資金や永久機関など、断片的なキーワードのみが与えられ、その核心は明示されない不可解な存在に日常が浸食されてゆく描写が秀逸。複雑な入れ子構造もあいまって、その不安定な酩酊感にゾクゾクさせられる。 言葉では語り得ぬ何ものかについて語ろうと挑むかのような幻想小説。
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ミステリ……というか幻想っぽい印象の強い作品。やっぱり数々の道具立てと雰囲気がステキだなあ……うっとり。 ちなみにタイトルの意味ってのは……へえ、そういう意味だったんだ。それが分かった後の展開が、非常にぞくぞくしました。巧く表現できないけれど、こういうのはかなり好き。
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