他人を見下す若者たち の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
まず第一に、読みにくい。 2点ほど理由が考えられる。推論に至るまでのデータの信憑性が薄いことと、「仮想的有能感」など言葉の定義がよくわからないことである。 文章全体を通して、一人のオヤジの「今頃の若いもんは…」という愚痴のように聞こえてしまう。が、実際に日々の生活の節々で’違和感’(例えば、電車などで年配者に席を譲らない高校生だとか、心の底から「ごめんなさい」や「ありがとう」を言えない人が多いだとか…etc)を感じざるを得ないのは、本書に書かれてあるような意識:『他者にはほとんど興味がなく、自分と自分のごく周辺だけにしか興味がない』『自分の非が明らかになる前に他人の非を責めて、自らの有能感を保つ』『根拠のない有能感を抱いている』などなどを多くの人が抱いているからなのかも。。。と感じた。 昔は良かったという視点から論じている感は否めないが、このままでは生き難い世の中になってしまうかもしれないけど、それでいいんですか?という問いかけに対して、根拠は薄いながらも’生き難い世の中になってしまった’根本的原因を作者なりに示したのが本書ではないだろうか。
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何の根拠、経験に裏打ちされないのに、自分が有能であるかの如く思い込む感情を「仮想的有能感」と名付け、それが社会に広がっていると筆者は考える
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周りは仕事ができない奴ばかり、自分だけがバリバリ働いてますよ。そんな若者に時々であいますが、この本を読んでみて何だか納得できた感じです。ちょっと寂しいですけど。見下すことでしか自己評価をあげられないって子達を見ると、「生きてるだけで君には大きな価値がある」って伝えたくなります。
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2007年の下記課題本として学生に読ませたが、ピンと来なかったようだ。読む人を選ぶ本。帯に書かれた「自分以外はバカの時代!」がこの本の主張を端的に表している。筆者は「仮想的有能感」というコトバで括っている。簡単に言えば、根拠なく自分は結構イケてると思っているから、他人を見下すとい...
2007年の下記課題本として学生に読ませたが、ピンと来なかったようだ。読む人を選ぶ本。帯に書かれた「自分以外はバカの時代!」がこの本の主張を端的に表している。筆者は「仮想的有能感」というコトバで括っている。簡単に言えば、根拠なく自分は結構イケてると思っているから、他人を見下すという主張である。もちろん、この問題に対する明確な答えは本書の中にはない。
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[ 内容 ] 「自分以外はバカ」の時代! ●自分に甘く、他人に厳しい ●すぐにいらつき、キレる ●「悪い」と思っても謝らない ●泣けるドラマや小説は大好き ●無気力、鬱になりやすい 若者の感情とやる気が変化している! 若者を中心として、現代人の多くが他者を見下したり軽視している。...
[ 内容 ] 「自分以外はバカ」の時代! ●自分に甘く、他人に厳しい ●すぐにいらつき、キレる ●「悪い」と思っても謝らない ●泣けるドラマや小説は大好き ●無気力、鬱になりやすい 若者の感情とやる気が変化している! 若者を中心として、現代人の多くが他者を見下したり軽視している。 無意識的に自分の価値や能力に対する評価を保持しようとしている。 社会に弊害を生じさせかねない、この「仮想的有能感」はなぜ生じるのか? 心理学の観点から現代人への警告を示す一冊。 [ 目次 ] 第1章 感情が変わった 第2章 やる気が低下する若者たち 第3章 他者を軽視する人々 第4章 自己肯定感を求めて 第5章 人々の心に潜む仮想的有能感 第6章 自分に満足できない人・できる人 第7章 日本人の心はどうなるか [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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前半の仮想的有能感の説明と若者との関連付の仮説は良いが、後半のデータを用た論証部分はかなりずぶずぶという印象を受けた。特に肝となるデータの粗雑さには驚いた。 また現代の若者を槍玉に上げているにも関わらず、過去の若者のデータが無く、昔の若者はこうだったという主観のみで話を進めてい...
前半の仮想的有能感の説明と若者との関連付の仮説は良いが、後半のデータを用た論証部分はかなりずぶずぶという印象を受けた。特に肝となるデータの粗雑さには驚いた。 また現代の若者を槍玉に上げているにも関わらず、過去の若者のデータが無く、昔の若者はこうだったという主観のみで話を進めていくのは無理がある。きちんと過去のデータを集めて、もしそれが無いのならデータを採ってから発表して欲しかった。これだけでは寄せ集めのデータで仮説を無理矢理論証しているだけであり、本として出版するクオリティではないと思う。 と、こういう風に書くのも仮想的有能感から来ているのかもしれませんね。
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2010/08/02 勉強するときなら、参考文献を繙きながらじっくり読むべきなのだろうけど。しかし、・あってもわかりやすくなってない図表・サンプリングに偏りがあると自覚している調査結果 など、読んでて肩すかしを喰らう場面がたまに。
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現代の若者について論じている。いささか論理が乱暴な感じはするけど、共感できる部分は多い。 よく言われる「ジコチュウ」の中身は、実は自分に自信の無い表れであって、自分を守るために他人を攻撃する状態である。自信は無いくせに、自己を正当化させるべく、自分の好都合に物事を解釈していく...
現代の若者について論じている。いささか論理が乱暴な感じはするけど、共感できる部分は多い。 よく言われる「ジコチュウ」の中身は、実は自分に自信の無い表れであって、自分を守るために他人を攻撃する状態である。自信は無いくせに、自己を正当化させるべく、自分の好都合に物事を解釈していく。確かに当たっている部分は多いと思う。 現代の子供達の特徴として、自分の感情をあまり表に出さない。その分、他人とも表面的にしか接することができず、内的スパイラルにどんどん陥っていく。喜怒哀楽という何気ないことを、いつの間にか難しいものと捉えてしまっている。 どんなにネット社会が発達しても、人対人のやりとりは重要であることを認識させられる。何も若者に限って言える話ではない。現代に生きる全ての人にとって、認識しておく必要がある。
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共感・納得できる所はたくさんあった。 でも実証的な要素がちょっと少ないので、確立した論として読むことはできないかも。
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【7】 自分にも当てはまり、反省すべき指摘も多数あった。将来、教員を目指す人は、一つの指標として読んでおくのも悪くないだろう。 【読書終了:07/07/08】
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