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フーコーの振り子 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2019/03/07

「フーコーの振り子」で有名なレオン・フーコーの伝記。 振り子の実験は科学が宗教に勝利した瞬間、そしてナポレオン3世との 意外な関係、ってとこか。振り子実験の成功の鍵の一つが、フーコー自身が 手先が器用で振り子を自作出来たから、というのはなかなか興味深かった。

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2018/10/24

科学博物館やプラネタリウムで振り子が揺れていたのを思い出した。一応コリオリの力を説明する道具であることはわかっていたが、地球の自転を実験により観測することがガリレオ以来250年近くも不可能であったとは本書によってはじめて知った。 確かに周りが回っているのか自分が回っているのかとは...

科学博物館やプラネタリウムで振り子が揺れていたのを思い出した。一応コリオリの力を説明する道具であることはわかっていたが、地球の自転を実験により観測することがガリレオ以来250年近くも不可能であったとは本書によってはじめて知った。 確かに周りが回っているのか自分が回っているのかとは、相対性の問題で絶対的な基準(座標系)は存在しないことが現在では認められているので、考えてみるとこれを実験で立証することは困難なことである。 本書の最後の辺りにある、『振り子が何に対して一定の振動面を保つのかという疑問が、宇宙全体の運動量の総和による座標系になるのではないかと考えられているが確かなことはまだわかっていない』という一言は深遠なものを感じる。---でもそんなことではないよ~な気がする。

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2018/04/11

文系諸氏にとって「フーコー」は監獄の誕生ですが 理系諸氏には学校に無意味にぶら下がっているアレなんです。

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2017/10/03

いつの時代も異端児は煙たがられる。フーコーが不幸だったのは、学者ではなく技術者だったということ。しかしテクノロジーの時代に生きる自分にとっては、そんなフーコーがクールでかっこいい。理論だけに与せず信じたことを行動に起こし、何でも自分で作ってしまう。いわばモノづくりの理想像。ジャイ...

いつの時代も異端児は煙たがられる。フーコーが不幸だったのは、学者ではなく技術者だったということ。しかしテクノロジーの時代に生きる自分にとっては、そんなフーコーがクールでかっこいい。理論だけに与せず信じたことを行動に起こし、何でも自分で作ってしまう。いわばモノづくりの理想像。ジャイロスコープの発明も、渦電流の発見も、まさか彼の偉業だったとは。その陰にルイ=ナポレオンの存在があったのも感動。出会いは人生を変えるか。

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2011/09/21

地球が自転していることを初めて証明した19世紀のフランスの科学者フーコーの物語。 コペルニクスの地動説を支持する人たちが直面した問題は地球の自転を明快に証明できないことだった。 正規の教育を受けていないフーコーは、独自の物理的な直感と高度な技術力で実験用の振り子を制作、見事に地球...

地球が自転していることを初めて証明した19世紀のフランスの科学者フーコーの物語。 コペルニクスの地動説を支持する人たちが直面した問題は地球の自転を明快に証明できないことだった。 正規の教育を受けていないフーコーは、独自の物理的な直感と高度な技術力で実験用の振り子を制作、見事に地球の自転を証明することに見事に成功する。ナポレオン3世の庇護の元で、彼の業績をなかなか認めようとはしない閉鎖的で保守的なフランス科学会で徐々に評価してもらうようになっていく。

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2011/07/08

科学系の読み物としては群抜きで読みやすい。 フーコーの振り子の証明を自分で解こうとして半日つぶれたが、楽しかった。 理論とともに実験のすばらしさ、器具の精緻さをどこまでも求める姿勢などに感動。 個人的にはフーコーの振り子がマッハ原理に発展するくだりがすき。

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2011/01/19

国立科学博物館で動き続ける、吹き抜けの天井から吊り下がっているあの長い長い振り子。しかしそれは、地動説の地位を不動にし、不遇であった在野の一科学者を栄誉へと押し上げた、重要な舞台装置。それをめぐる一連のドラマが平易に、余すところなく書き尽くされている。 【図書館1階開架 44...

国立科学博物館で動き続ける、吹き抜けの天井から吊り下がっているあの長い長い振り子。しかしそれは、地動説の地位を不動にし、不遇であった在野の一科学者を栄誉へと押し上げた、重要な舞台装置。それをめぐる一連のドラマが平易に、余すところなく書き尽くされている。 【図書館1階開架 448.3/ACZ】

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2011/01/13

 地動説か天動説かという論争はニュートンの万有引力の発見で決着がついたと思いこんでいたが、そうではなかった。実験で証明されていないとして信じない人がすくなからずいたそうなのである。  地球の自転のまぎれもない証拠をつきつけたのがフーコーの振り子と呼ばれるシンプルな実験だ。長い振...

 地動説か天動説かという論争はニュートンの万有引力の発見で決着がついたと思いこんでいたが、そうではなかった。実験で証明されていないとして信じない人がすくなからずいたそうなのである。  地球の自転のまぎれもない証拠をつきつけたのがフーコーの振り子と呼ばれるシンプルな実験だ。長い振り子を揺らしていると、振動面がだんだんずれていく。ずれる速度は緯度によって決る。北極点か南極点なら24時間だが、それ以外のでは緯度をθとすると 24 / sinθ で一周する。これを正弦則という。  振り子の実験と正弦則を考えだしたのはレオン・フーコーだが、ジャイロスコープを発明したり、光の速度を当時としては高精度で測定するのに成功したり、博士号に値する成果をいくつもあげているが、アカデミックな経歴を持たなかったために学会からは無視されつづけた。本書はレオン・フーコーと振り子の実験を軸に19世紀前半のフランス科学界を描いた本である。  フーコーが数々の業績をあげることができたのは創意工夫の才能はもとより、機械技術の知識が豊富で手先が器用だったからだ。職人の生まれかなと思ったが、そうではなかった。フーコーの父親は出版業で成功した人で、フーコーはパリの名門校コレージュ・スタニスラスから医学校に進んでいる。父親は早逝したが、フーコーの没後、母親が資金を出してフーコーの全集を刊行しているから相当な財産家だったと推定される。  母親がフーコーを医学校にいれたのは手先が器用で優秀な外科医になると期待したからだが、フーコーは血を見ると気分が悪くなり患者の苦しむ姿にも耐えられず、医師の道を断念せざるをえなくなる。  医学校は中退したものの、当時最先端技術だった写真術に通じているのを医学校時代にフーコーの才能に注目した顕微鏡学のアルフレッド・ドネに見こまれ、共著で『顕微鏡学アトラス』を出版している。  共著で本を出したとはいっても、学会では単なる実験助手のあつかいだった。ある時期までアカデミズムでは「経験主義者」というレッテルは最大の罵倒語だったが、フーコーはまさに「経験主義者」だった。致命的なのは数学教育を受けていない点だった。18世紀まではラテン語ができることが学者の条件だったが、19世紀では数学が学者の必須条件になっていた。  フーコーはドネの推挙でデバ紙の科学記者になるが(同僚に作曲家のベルリオーズがいた)、科学記者としてみごとに職責をはたしたものの、専門分野をもたない独学のアマチュア科学者という評価を決定的にした。  このままだったら一介の科学ジャーナリストで終るところだったが、パリを通る子午線の測定で実績をあげたフランソワ・アラゴーが『顕微鏡アトラス』の写真に驚き、フーコーに光速度測定装置の製作を依頼したことから新たな道が開ける。フーコーはこの仕事をみごとにやりとげるが、学会では依然として実験助手としか見なされなかった。  振り子の実験を思いついたのは光速度測定装置の工夫をしていた時だった。彼はまず自宅の地下室で2mの長さの振り子で予備実験をおこない、次いでアラゴーのはらかいで1851年2月3日、パリ天文台の高い天井のメリディアン・ホールで11mの長さの振り子で本実験をおこなった。実験はみごとに成功したが、一介の実験助手の成功は嫉妬を呼びフーコーはいよいよ孤立することになった。  ここで手をさしのべたのが共和国大統領で、まもなくクーデタで帝位につくことになるナポレオン三世である。ナポレオン三世はありあまる才能をもちながら不遇なフーコーに自分自身の数奇な生いたちを投影したのか、フーコーの最大の後援者となった(それがまた嫉妬に油を注いだ)。  ナポレオン三世は悪いイメージしかもっていなかったが、本書ではフランスの近代化をなしとげた名君として描かれている。フーコーの全集の出版もナポレオン三世が言いだしたことだったが、普仏戦争敗北で退位したために国家の援助はえられなくなった。  学界や政界のごたごたもおもしろいが、フーコーの振り子の理論的解明は依然として未解決のままだという指摘には目を見張った。フーコー自身は振り子は絶対空間に対して静止していると考えていたが、相対性の原理からいって絶対空間を規準にした議論はできないわけで、問題は一気に難しくなる。著者はマッハとアインシュタインを持ちだしているが、フーコーの振り子の振動面がどんな座標系に属しているかは結論が出ていないのだという。  相対性をいいだしたら地動説の勝利も怪しくなるかもしれない。シンプルな実験ほど深い闇を宿している。

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2011/01/09

地球が回っていると証明した人。本当にすごいとおもいます。まだ、人類が宇宙に行った事がないなかで、こんなに単純で、かつ、明確な証明ができるなんて…ガリレオは可哀想だなぁって、思いました…ガリレオの話は出てきませんが…フーコーの振り子見たくなりました。

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2010/08/31

地球は動いていることを証明したフーコーの物語 世界各地の博物館で、高い天井からぶらさがり、終日揺れつづける大振り子。あれがなんのために造られたか、ご存じだろうか?実はほかならぬ地球が自転していることを、一目瞭然なかたちで証明するのがその目的だった。この、ガリレオを初めとする歴代...

地球は動いていることを証明したフーコーの物語 世界各地の博物館で、高い天井からぶらさがり、終日揺れつづける大振り子。あれがなんのために造られたか、ご存じだろうか?実はほかならぬ地球が自転していることを、一目瞭然なかたちで証明するのがその目的だった。この、ガリレオを初めとする歴代の天才科学者たちが試みて果たせなかった証明を19世紀になしとげた、卓越した理論と巧みな技術とを合わせもった科学者が、本書の主人公レオン・フーコーであり、この大振り子は彼の名をとって、「フーコーの振り子」と称されている。彼の振り子がもたらした証明は、科学に決定的な勝利をもたらした、と言われるのだが、その勝利とはいったいどんなものだったのか。 高校時代に習ったはずのフーコーの振り子ですが、その意味するところまでは考えたことがありませんでした。(受験のための暗記だけ)上野の東京科学博物館で初めて振り子を見たときに、フーコーの業績を身近に感じたのを覚えています。地球が静止していたとすれば、振り子の玉は何の力も受けず同じ方向に振れるだけなのですが、実際は地球が自転していることにより、少しずつ方向がずれていきます。それがどのような意味を持つのか、昔の人は実験を通して証明していったわけですね。 地球は動かないと信じている子供達を笑う大人は多いですが、ではそれを証明するように言われたら、できない大人も多いと思います。 彼の偉大な業績をこの本が教えてくれます。

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