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西洋音楽史 の商品レビュー

4.2

99件のお客様レビュー

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    35

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2011/06/13

内容が専門的すぎて西洋音楽史の概要を容易に把握できない既刊本へのアンチテーゼとして、クラシック音楽の初心者向けに書かれた本だが、厳密にいえば初心者向けではないと思う。 正直なところ、この本の情報をすべて理解するのは初心者には難しい。文中に挿入される「あの作曲家のあの作品が……」...

内容が専門的すぎて西洋音楽史の概要を容易に把握できない既刊本へのアンチテーゼとして、クラシック音楽の初心者向けに書かれた本だが、厳密にいえば初心者向けではないと思う。 正直なところ、この本の情報をすべて理解するのは初心者には難しい。文中に挿入される「あの作曲家のあの作品が……」という情報が、初心者にはピンと来ないからだ。私自身、全くの門外漢というわけではないが、それでも知らない情報がたくさんあった。 それでも、この本は初心者でも読む価値がある。細かいところを読み飛ばせば、西洋音楽の流れが十分理解できるからだ。 だから、内容を100%理解しようとせずに、大ざっぱに歴史の流れをつかむつもりで読むといい。

Posted byブクログ

2011/11/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

音楽史というものを初めて読んだ。 この本には目から鱗なるものがたくさんちりばめられていた。 例えば、今でこそ「ドミソ」は和音であったが中世の頃は不協和音であったという。それは中世においては禁欲的で峻厳で威嚇するような響きこそが求められていたためである。現在では音楽とはどこかしら甘美な存在といったように思われがちであるが、このことから自分たちに響く音楽というのは時代が決めている、といったことがわかる。

Posted byブクログ

2011/04/24

現・京都大学人文科学研究所准教授の岡田暁生による、クラシック音楽の通史。同じく中公新書の『オペラの運命』の姉妹編とも言うべき作品。 【構成】  第1章 謎めいた中世音楽  第2章 ルネサンスと「音楽」の始まり  第3章 バロック-既視感と違和感  第4章 ウィーン古典はと啓蒙の...

現・京都大学人文科学研究所准教授の岡田暁生による、クラシック音楽の通史。同じく中公新書の『オペラの運命』の姉妹編とも言うべき作品。 【構成】  第1章 謎めいた中世音楽  第2章 ルネサンスと「音楽」の始まり  第3章 バロック-既視感と違和感  第4章 ウィーン古典はと啓蒙のユートピア  第5章 ロマン派音楽の偉大さと矛盾  第6章 爛熟と崩壊-世紀転換期から第一次世界大戦へ  第7章 二〇世紀に何が起きたのか  本書は、いわゆる「クラシック音楽」と呼ばれるジャンルの歴史を中世から20世紀前半に至るまで描いた通史である。とは言え、今日の我々が演奏会場やCDで耳にする「クラシック音楽」の圧倒的多数は第4章から第6章で取り上げられる古典派→ロマン派・国民楽派といった18世紀後半から19世紀までの音楽である。  教会儀式や王侯貴族の社交場のBGMではなく、音楽が確固たる意志を持った芸術表現として開花したのが19世紀であったが、なぜその時期にクラシックが絶頂を迎え、そして限界性が明るみに出たのか。その疑問が本書で十分説明されているわけではないが、全体像を俯瞰することで個々の問題を考えるきっかけとなる良書である。

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2011/03/30

絵の解説本が一段落したところで、音楽解説ブームが来ている(気がする)。今まで音楽史の本は、音大生向けに書かれたものや、作曲家に特化したものなど専門書的なものが多かったので、通史を新書で一般人向けに呈示してくれる本として価値ある一冊だと思う。 ルーツを辿れば、神に捧げるものだった...

絵の解説本が一段落したところで、音楽解説ブームが来ている(気がする)。今まで音楽史の本は、音大生向けに書かれたものや、作曲家に特化したものなど専門書的なものが多かったので、通史を新書で一般人向けに呈示してくれる本として価値ある一冊だと思う。 ルーツを辿れば、神に捧げるものだった音楽。それから数千年が経ち、現代に響くラッパーやヒップホッパーやロッカーたちの歌声を、神様はどのような気持ちで聞いているのだろうか。

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2011/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。 この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」と呼ばれている。 本書は、「クラシック音楽」の歴史と、その前史である中世、ルネサンス、バロックで何が用意されたのか、そして、「クラシック後」には何がどう変質したのかを大胆に位置づける試みである。 音楽史という大河を一望のもとに眺めわたす。 [ 目次 ] 第1章 謎めいた中世音楽 第2章 ルネサンスと「音楽」の始まり 第3章 バロック―既視感と違和感 第4章 ウィーン古典派と啓蒙のユートピア 第5章 ロマン派音楽の偉大さと矛盾 第6章 爛熟と崩壊―世紀転換期から第一次世界大戦へ 第7章 二〇世紀に何が起きたのか [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2011/02/09

西洋芸術音楽=クラシック音楽の歴史を中世から現代まで楽しく読める本。クラシック音楽ファンにはぜひとも読んでもらいたい。音楽鑑賞がさらに楽しくなる。

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2010/11/28

あちこちからつまみ食いするように聞いていたクラシックですが、これで全体の流れが大方掴めたように思います。各章の内容量のバランスもよく、コンパクトにまとまっていて、とても読みやすかったです。

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2010/10/04

「事実」に「意味」を与えるのは、結局のところ「私」の主観以外ありえない。 筆者はあとがきで「浅学非才を承知の上であえて音楽史を一人で書く」と言っているが、そのためか簡潔で、専門的なりすぎないように配慮されているので音楽史に興味のある初学者には恰好の入門書になると思う。また、ただ...

「事実」に「意味」を与えるのは、結局のところ「私」の主観以外ありえない。 筆者はあとがきで「浅学非才を承知の上であえて音楽史を一人で書く」と言っているが、そのためか簡潔で、専門的なりすぎないように配慮されているので音楽史に興味のある初学者には恰好の入門書になると思う。また、ただの史実の羅列にとどまらず、筆者の音楽に対する姿勢、考えが読み取れ、最後まで飽きることなく読むことができた。

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2010/10/04

帯に「流れを一望」って書いてあるけど、本当にその通りだった。著者があとがきにも書いているが、西洋音楽史というのは時代別に各時代の専門家が、思いっきり分厚い本を書いたりして、その歴史を研究してる人しか跨げないほど敷居が高くなっている。それではちょっと歴史の流れをおさらいしたい人や、...

帯に「流れを一望」って書いてあるけど、本当にその通りだった。著者があとがきにも書いているが、西洋音楽史というのは時代別に各時代の専門家が、思いっきり分厚い本を書いたりして、その歴史を研究してる人しか跨げないほど敷居が高くなっている。それではちょっと歴史の流れをおさらいしたい人や、音楽鑑賞が好きで、その一環で歴史に触れてみたい人が触れられないという問題が生じる。その状況は自分としても面白くない事だったので、とても共感した。内容も、時代別の作曲家、時代背景、思想、音楽の特徴非常に分かりやすく簡潔にまとめてあった。時折五線譜なんかも挿入されて、より分かりやすい(特に十二音技法)。ちょっと著者の印象感想が多く入り過ぎてるきらいがあったけど、それも含めて面白かった。 ・20世紀の現代音楽は、ロマン派からの脱却、ロマン派以降も音楽の発展を目指す道、ポップカルチャー路線の三つに分岐した。 ・ロマン派音楽は、ロマンが排除されていく資本、産業主義の世界を背景に生まれた。 ・初期西洋音楽はイタリア、フランスで発展した。 ・ドイツは時代背景からするとかなり異質な発展を遂げたが、与える影響は強大だった。 ・ドイツ音楽はフランスやイタリアを、庶民の感性に迎合した薄っぺらい音楽として蔑視した(今もしてるっぽい)。

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2018/08/31

図書館の本 中央図書館 内容(「BOOK」データベースより) 一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」と呼ばれている。本書は、「クラシック音楽」の歴史と、その前史である中世、ルネサンス...

図書館の本 中央図書館 内容(「BOOK」データベースより) 一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」と呼ばれている。本書は、「クラシック音楽」の歴史と、その前史である中世、ルネサンス、バロックで何が用意されたのか、そして、「クラシック後」には何がどう変質したのかを大胆に位置づける試みである。音楽史という大河を一望のもとに眺めわたす。

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