西洋音楽史 の商品レビュー
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西洋音楽を西洋社会の移り変わりと併せて解説した名著。 グレゴリオ聖歌~近代音楽までをコンパクトにおもしろく纏めてくれてる。 特にバッハの歴史的に微妙な立ち位置やモーツァルトやベートーベンのどこが大天才といわれるのかなどを分かりやすく解説してくれている。 聴衆の変化(教会音楽→貴族の音楽→大衆の音楽)とそれに伴う流行の変化。特に「乙女の祈り」辺りの音楽の世俗化は記憶に残っている。 時代と共に音楽や聴衆の意識は変化しているため現代の私たちは当時の聴衆と同じ音楽(感覚的な意味で)を聞くことが出来ないというのは目からうろこの感覚があった。
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友人の勧めで読んでみたが、思わぬ発見であった。昔はドレミが不協和音でドミソが望ましい音階であったことなど新鮮な知識が多かった。 クラシックとは程遠いたちであったので専門的なことは共感しづらいものが多かったが、時代背景を踏まえた音楽の変遷については刺激的であった。例えば、中世から近代になる過程で、聞き手がパトロンから公衆になりることで楽が享楽的になったことや、宗教色が薄まったり、一回限りの音楽を好む時代があったことなどである。 著者が述べるように音楽に「神聖なもの」を求めるとするならば、もはや音「楽」といった生半可なものではなく音「愕」という表現が似合うとさえ思ってしまった。 次読むときにはある程度、音楽の素養をみにつければより深く愉しめるに違いないだろう。
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音楽史がコンパクトにまとまっていて読みやすい本でした。細かい説明や作曲技法よりその時代の文化との関わりや全体の流れが重視されている印象です。
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イギリスに行ってPROMSに何度か行く中で、改めてクラシックを通史で知りたいな~。と思って読んだ本。評判がいいだけあってとてもよい本だった。
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私”なくして歴史は語り得ない、音楽と読者との”歴史的距離”を考慮する、といった著者のスタンスが心地好い。
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私はクラシック音楽に最近興味を持ち始めたばかりで、せっかくだから歴史についても触れようと思いこの本を手に取りました。知識が全くの皆無な私にとって非常に助かりました。人名を言われてもパッとしませんでしたが、細部にまで説明がされており分かりやすかったです。 宗教がキーワードですね。戦...
私はクラシック音楽に最近興味を持ち始めたばかりで、せっかくだから歴史についても触れようと思いこの本を手に取りました。知識が全くの皆無な私にとって非常に助かりました。人名を言われてもパッとしませんでしたが、細部にまで説明がされており分かりやすかったです。 宗教がキーワードですね。戦争などといった時代背景が関係しますが、根強いのが宗教です。他にも階級が壁となり音楽の幅が広がりにくかったのに、音楽はここまで発展してきました。それは作曲家の音楽に対する情熱と音楽をこよなく愛した人々のおかげでしょう。ただ、気になるのは引用文でも挙げている「感動」について私は少しだけ悲しいと感じました。それは読んでみて分かると思います。是非読んでみてくださいね。
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素晴らしい!! 西洋音楽の歴史に関する本は数多あれど、こんなに読みやすく、わかりやすく、ためにもなる本はないかも。 特定の作曲家や作品に偏らず、宗教、産業などの歴史にも触れているため、大きな流れがつかみやすい。 フィガロ第二幕フィナーレで出てくる主題は20以上あるのに、それを一つ...
素晴らしい!! 西洋音楽の歴史に関する本は数多あれど、こんなに読みやすく、わかりやすく、ためにもなる本はないかも。 特定の作曲家や作品に偏らず、宗教、産業などの歴史にも触れているため、大きな流れがつかみやすい。 フィガロ第二幕フィナーレで出てくる主題は20以上あるのに、それを一つの流れで聴かせるモーツァルトの才能、「軽いフィナーレ」で終わっていた交響曲を「限りない昂揚の追求」に変えたベートーヴェン、マーラーはクライマックスで大音響になっても内面性を失わない、などいちいち頷くことばかり。 手元に置いて何度も読み返したい。
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西洋音楽史をざっと概観できる本。 古典のその前、宗教音楽からバロック、古典、現代へ。 なぜ、そういう変遷を辿らねばならなかったのか、 そして各時代の音楽の特徴がさっくりと勉強できる。 感じとしては大学一年生が一般教養で取る授業のそれ。 雑学の引き出しを増やしたい方にはおすすめです...
西洋音楽史をざっと概観できる本。 古典のその前、宗教音楽からバロック、古典、現代へ。 なぜ、そういう変遷を辿らねばならなかったのか、 そして各時代の音楽の特徴がさっくりと勉強できる。 感じとしては大学一年生が一般教養で取る授業のそれ。 雑学の引き出しを増やしたい方にはおすすめです。
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きちんと学校で教わらない西洋音楽史ですが、はじめて通史的な流れがわかりました。 特に19世紀以降、現代までの章は岡田先生の筆も絶好調という感じで、熱くロマンチックな記述で、こちらもひきこまれてしまいました。 ポピュラー音楽といわゆるクラシック音楽の相似性や歴史的つながりもわかって...
きちんと学校で教わらない西洋音楽史ですが、はじめて通史的な流れがわかりました。 特に19世紀以降、現代までの章は岡田先生の筆も絶好調という感じで、熱くロマンチックな記述で、こちらもひきこまれてしまいました。 ポピュラー音楽といわゆるクラシック音楽の相似性や歴史的つながりもわかって、読んで本当に良かったです。岡田先生の他の本もまとめてアマゾンに注文しちゃいました。
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小学生の頃、何故現代にはベートーヴェンやショパンみたいな作曲家がいないんだろう、と思っていた。作曲家自体は日本人でもいるし、皆無ではないのだろうが、現代の人が作った曲って知名度ないよなぁ…、と感じていた。今まで忘れていたが、この本を読んで思い出したこと。 ピアノしか習っていなかったし、私自身の興味も偏っていたので、本書に例示されていた曲名はほとんど知らなかった。大まかな流れをとらえるにはいい本だろう。とは思うが、なかなか初心者には読み難く(多分)、分量の割に1日で読みきれなかった。 ☆中世音楽(フランス音楽最初の黄金時代) グレゴリオ聖歌→グレゴリオ聖歌の編曲・オルガヌム→モテット ☆ルネサンス(15~16世紀) 無伴奏の宗教合唱曲(15世紀) 世俗曲から宗教曲をつくる。 無伴奏合唱曲に倣った鍵盤曲(16世紀)はバロック時代のフーガの原型 作曲家・作品の誕生(芸術家としての自意識が芽生える) 16世紀以後バロック時代にかけて、イタリアがヨーロッパの音楽の中心 ☆バロック ヴィヴァルディ(1678-1741) ヘンデル(1685-1759) バッハ(1685-1750) 三和音・短調/長調の区別・拍子感など基本ルールの確立 統一的なイメージに収斂されない 祝典のためのBGMの大量生産(ヘンデル『王宮の花火の音楽』) オペラの黄金時代(ヘンデル『メサイア』バッハ『マタイ受難曲』) 通奏低音と協奏曲の時代 音楽後進国だったドイツ(プロテスタント)の音楽文化勃興 →宗教音楽とフーガを創作の中心としたバッハはこの時代の例外的存在 ☆ウィーン古典派 ハイドン(1732-1809)交響曲の父・弦楽四重奏曲の父 モーツァルト(1756-1791) ベートーヴェン(1770-1827)…多くの作品が初期ロマン派とかぶる 18世紀中頃からの急速な市民階級の勃興および「啓蒙主義」が背景 「市民による、市民のための、市民の心に訴える音楽」 旋律と和音伴奏(通奏低音の廃止) ソナタ形式の誕生 「演奏会」と「楽譜出版」による作曲家の自立 ☆ロマン派 シューベルト(1797-1828) リスト(1811-1886) ヴェルディ(1813-1901) スメタナ(1824-1884) ドボルザーク(1841-1904) チャイコフスキー(1840-1893) ・シューマン(1810-1856)ド ・ブラームス(1833-1897)イ ・ワーグナー(1813-1883)ツ 音楽学校という制度の定着 後世に残すべき作品の選定 永続的に残るレパートリーを残るものを書こうという意識 演奏技術の開発→練習曲の大量生産 グランド・オペラ&ショパンとリストを頂点とするサロン音楽(パリ)と真面目な芸術音楽(ドイツ) ※無言歌(器楽だけで奏でられる歌/詩) シューマン『謝肉祭』『子供の情景』メンデルスゾーン『無言歌』 ※標題音楽(理念的で哲学的なものの表現) リスト、ベルリオーズ ※絶対音楽(文学的なものを徹底的に排除) ブラームス ☆世紀転換期から第一次世界大戦前 マーラー(1860-1911)ドイツ シュトラウス(1864-1949)ドイツ ドビュッシー(1862-1918)フランス印象派 ラヴェル(1875-1937)フランス印象派 ラフマニノフ(1873-1943) 1000年以上にわたる西洋音楽史の最後の輝き フランス近代音楽=ワグネリズム+サロン音楽+場末の酒場の音楽+擬古典的傾向+エキゾチズム 第一次大戦直前には「調性」「拍子の一定性」「音楽の素材=楽音」といった伝統的な枠組みの破壊(『春の祭典』スキャンダル)
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