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もののたはむれ の商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

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この世にある、あらゆ…

この世にある、あらゆる事物のたわむれ。幻想的で陶酔を誘う筆致です。

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日常の延長にある夢の…

日常の延長にある夢の世界。中年男がふと下車した見知らぬ街で味わう夢か現か不可思議な出来事を14編集めた幻想小説集。幻想小説好きには物足りないが、浮世を離れたい文学好きの方へ。

文庫OFF

2024/06/08

10p弱の14の短編からなる作品。 現実と背中合わせにある異界に、ふと踏み込むような奇譚がメインだが、じっとりと孤独な内省を深めていくような作品もあり飽きず、ボリュームに全く物足りなさを感じさせない技術も感じる。 全篇通し、過度な修飾や下品なエロスが一切なく上品。処女作という事...

10p弱の14の短編からなる作品。 現実と背中合わせにある異界に、ふと踏み込むような奇譚がメインだが、じっとりと孤独な内省を深めていくような作品もあり飽きず、ボリュームに全く物足りなさを感じさせない技術も感じる。 全篇通し、過度な修飾や下品なエロスが一切なく上品。処女作という事だが、非常に良い作家だと思った。

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2020/06/17

「――とにかくあまり人の来ない閑散とした一室に置かれた参観客用のソファの端に、年取った警備の職員が制服制帽のまま座りこんで居眠りをしていて、そこには人を微笑に誘う何かがあり、しんと静まりかえった昼下がりの博物館の、時間が永遠に止まってしまったような感覚にいかにもそぐわしい光景だっ...

「――とにかくあまり人の来ない閑散とした一室に置かれた参観客用のソファの端に、年取った警備の職員が制服制帽のまま座りこんで居眠りをしていて、そこには人を微笑に誘う何かがあり、しんと静まりかえった昼下がりの博物館の、時間が永遠に止まってしまったような感覚にいかにもそぐわしい光景だった。巡回中の若い館員たちがやって来てその老人の姿を見てもべつだん苦々しく舌打ちするでもなく、困った爺さんだとでもいうように互いに笑みの籠った目配せを交わし合いながらむしろその小柄な皺だらけの老人の目を覚まさせないように気を遣っていて、そこには好意とともにそこはかとない敬意のようなものが感じられたのも良い印象だった。老人が老人であることだけで敬われるということがないのは今日の日本だけはないだろうか。――」 集中 『アノマロカリス』より。 他十四の短編が納められています。「芥川賞作家の処女小説にして、彫心鏤骨の連作集」と裏表紙に!

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2015/07/30

日常生活の中で、道を曲がったら、世界が少し違っている。自分の夢の中での出来事なのか、異なった世界に来てしまったのか。当惑気味になるのは、主人公たちもだが、読んでいる者も少し違う世界に案内してくれます。 読んでいて、この読後感は癖になりそうで、しばらくするとまた、この本を手にしたく...

日常生活の中で、道を曲がったら、世界が少し違っている。自分の夢の中での出来事なのか、異なった世界に来てしまったのか。当惑気味になるのは、主人公たちもだが、読んでいる者も少し違う世界に案内してくれます。 読んでいて、この読後感は癖になりそうで、しばらくするとまた、この本を手にしたくなると思えてきました。

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2013/11/26

処女小説。14篇。 詩人、評論家、教授、芥川賞。 インテリだけど時代と世界がよく見えている。 明治期の小説みたい。なんか雰囲気が。 文章も難解ではなくリズムも良い。 乳房を舐め回したり、そういう表現があるだけでぼくは読む気力が湧くしww 読み返してなかなかに味わえる作品...

処女小説。14篇。 詩人、評論家、教授、芥川賞。 インテリだけど時代と世界がよく見えている。 明治期の小説みたい。なんか雰囲気が。 文章も難解ではなくリズムも良い。 乳房を舐め回したり、そういう表現があるだけでぼくは読む気力が湧くしww 読み返してなかなかに味わえる作品集だなと思い返した。 捨てようと思っていたので。 5年後くらいに読み替えそうかな。 そうそう、大阪のしゃれた本屋「Berlin Books」で購入したのは 個人的にいい思い出。 「グラシン紙」につつまれた愛らしい一冊。

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2009/12/21

12/20 「空間芸術としての小説」 解説にもあるように、時間の流れ方が異質。 文体は好みだが、カギカッコが確かに浮いている。 留保つきでの評価。

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2009/10/04

正直、書店で題名にひかれて買いました。 読んでみてびっくり!私の大好きな作風なのです。 分類すると川上弘美のいとこって感じかなぁ・・ 2000年の芥川賞受賞者だとは後から気がつき、受賞作の花腐しと言う題名には覚えがありました。 何故、あの時に手に取らなかったのか、それはやっぱり...

正直、書店で題名にひかれて買いました。 読んでみてびっくり!私の大好きな作風なのです。 分類すると川上弘美のいとこって感じかなぁ・・ 2000年の芥川賞受賞者だとは後から気がつき、受賞作の花腐しと言う題名には覚えがありました。 何故、あの時に手に取らなかったのか、それはやっぱり縁なのですねぇ・・・ 生きていると、現実ともうつつともつかない事象ってあるでしょう。 それは物の怪だったり、霊象だったり、夢だったり・・・ そんなお話を14編集めた短編集です。 事象的に語れば恐ろしげなことも、彼の作風には少しもそれを感じさせず、ありのままを受け取ってしまう魔術なのかなんなのか・・ それはエロティックな描写を少しもいやらしさを感じさせず、すんなりと読めてしまうのに似ています。 川上弘美には路線が二つあると私は思うのだけど、本人はどっちも同じだとなんかのインタヴュで語っていました。 その摩訶不思議系な書き方が、いとこって感じたのかも・・ 松浦氏の別の世界も是非、覗いてみたい・・・

Posted byブクログ