孤宿の人(下) の商品レビュー
怨霊の訪問と共に蓄積された人々の不満と憎悪は、ついに決壊の時を迎える。狂乱の様相となる丸海藩。真の怨霊とはなんなのか?そして曇らぬ目で事件を見つめ続ける ほうと、彼女を取り囲む人々の運命は? 藩という社会機構とそこに住む人々は一心同体。人々が壊れた時、そのしくみも壊れる。社会が...
怨霊の訪問と共に蓄積された人々の不満と憎悪は、ついに決壊の時を迎える。狂乱の様相となる丸海藩。真の怨霊とはなんなのか?そして曇らぬ目で事件を見つめ続ける ほうと、彼女を取り囲む人々の運命は? 藩という社会機構とそこに住む人々は一心同体。人々が壊れた時、そのしくみも壊れる。社会があるから人がある、のではなく人があるから社会があるのである。いつの時代も安寧の時を壊すのは、人の原初的恐怖なわけで。結末はかなり衝撃的ですが、「後味が悪い」と好意的な意味で形容させていただきます。
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下巻はすべての場面がクライマックスのようでした。 特に渡部様がほうに与えたあの贈り物には涙でした。 登場人物それぞれの人生が、それぞれにまぶしくて。よかったです。
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いろんなことが起きて、一体どうおさまるのかと思いきや・・・。宇佐、ほう、啓一郎、渡部、住職など、人物が魅力的。もちろん「加賀様」も。最後に"ほう"に与えられた字に泣けた。 2008/3/21 読了。
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最後の方が悲しくてどうしてこんな事になっちゃうんだろう。。と 思ったりもしたけど最後の最後は読んでよかったと思えるような 救われた感もあって、重松清さんの【疾走】を思い出しました。 ちょっと号泣。それにしても面白かった!!!
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宮部さんは、時代ものの方が、人の心の輪郭が見えやすい気がする。 少し、救われない人が多くて悲しい話だったので、自分の名前をもらったほうが幸せになってほしい。
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下はラストで感動した。 途中まで『そこまで感動しないな』って思ってたけど、後半の終わりに近づけば近づくほど『終わってほしくない』という感情が出てきた。 特にラスト10ページくらいで感動した! 人の心は人が動かすものなんだと思った。
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宮部みゆきは、ファンタジーの装置として江戸時代を使うんだな。 そう思えばやけに今風の分別を持った登場人物も許容できるかも。時代劇としてのリアリズムを求めると、すっきりしない。 上下巻じゃなくって1冊の長さくらいのほうが話のテンポもよくまとまったんじゃないかな。 宮部みゆき...
宮部みゆきは、ファンタジーの装置として江戸時代を使うんだな。 そう思えばやけに今風の分別を持った登場人物も許容できるかも。時代劇としてのリアリズムを求めると、すっきりしない。 上下巻じゃなくって1冊の長さくらいのほうが話のテンポもよくまとまったんじゃないかな。 宮部みゆきの時代物でも、短編は面白いので、特にそう思う。
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http://diary.jp.aol.com/applet/3rcuku/20071027/archive
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【ネタバレ有?】●今までと傾向は違いました。 少女の視点で書かれているせいか、血まみれでも陰惨ってわけではないし、『理由』のようにどうしようもなく重いと言うわけではありません。 しかし、雰囲気は決して明るいとは言えない。 ●主人公は、「阿呆のほうからとって“ほう”と名づけられ」、...
【ネタバレ有?】●今までと傾向は違いました。 少女の視点で書かれているせいか、血まみれでも陰惨ってわけではないし、『理由』のようにどうしようもなく重いと言うわけではありません。 しかし、雰囲気は決して明るいとは言えない。 ●主人公は、「阿呆のほうからとって“ほう”と名づけられ」、生家からは追い出す口実のように金毘羅参りに出されたと言う、お世辞にも恵まれたとはいいがたい状況。 いちおう元気者の女子は他にいるのですが、彼女も岡引を志しているため、女だてらにと周囲からは疎ましがられるとは行かないまでも、あまり好意的には受け止められてはいないありさま。 読後、必ず元気になれると言う保証は(宮部みゆきにしては珍しく)出来ない部類かと思われます。それでも人は生きて行くのですが。皆が幸せになるために、いろいろと隠蔽が施されようとするコンセプトは、なんとなく京極堂シリーズを思い出しました。装置としての妖怪ですね。 ●ところであとがき読んで驚いた。 鳥居耀蔵って、実はそんな人生だったんですねー。てっきり・・・。
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上と下だけで終わってしまうのがとても残念。 でも、すっきりと終わらせるには、こうするしかなかったのか。 泣ける本です。
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