白蛇教異端審問 の商品レビュー
再読。当時、OUTが面白くてのエッセイ購入。懐かしい。今も同じ思いでいるのであろうか?特にリアルという項が良かった。日記を見ると、多忙過ぎで驚く。
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1994〜2005年のあいだに書かれた桐野夏生さんのエッセイ集。「エッセイは苦手」と本人は公言しているが、この小説家が日常的にどのような感覚・意識で過ごしていて、つまりどんなディスクールに乗っかっているのか、知りたくて読んだ。 意外と面白く、楽しめる内容だった。ジェンダーにおける...
1994〜2005年のあいだに書かれた桐野夏生さんのエッセイ集。「エッセイは苦手」と本人は公言しているが、この小説家が日常的にどのような感覚・意識で過ごしていて、つまりどんなディスクールに乗っかっているのか、知りたくて読んだ。 意外と面白く、楽しめる内容だった。ジェンダーにおける男性社会の無意識な差別や、権威主義、身勝手な文芸作品批判など、絶えず湧き起こってくる無数の「文句」がこのディスクールの基本にあって、しかし、離人症っぽいという意識体験、「時間」に関わる独自の感覚などが言及され、ギスギスしすぎるでもないこの人の内面世界を表象する。 理不尽なことへの怒りと抗いが通底する彼女の小説世界は、なるほどオプティミズムの強制に満ちた現在の社会では「傍流」になってしまうのだろうが、それでもそこには「現代」の一角を表出してみせる輝きがあるから、少ないとも言えない数のファンがついてくるのだろう。 図書館で借りてきて読んだ本だったが、手元に置いておきたいような、愛すべきエッセイ集だった。
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ショートショートも8篇入ってお得な気分。日々の様子を綴ってあるが、日ごろから観察眼の鋭いことがうかがい知れる。後半は白蛇教祖?としてマスコミ等に反発。オウムみたい。ニョロ。
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さらっと読めるようなエッセイじゃない。激しい。 私は「柔らかな頬」も「顔に降りかかる雨」も好きです!! 「玉蘭」の裏話が載ってて、嬉しかった。 桐野さんの大叔父さんが実際失踪していて玉蘭にまんま出てくる。
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桐野夏生の唯一のエッセイ集。ショートコラム、日記、エッセイ、書評・映画評、ショートストーリーに加え、表題の「白蛇教異端審問」という構成になっている。日記やエッセイも、ファンとしてはそれなりに楽しめるのだけど、この本の白眉は、やはり「白蛇教異端審問」の項である。これは、桐野夏生が、...
桐野夏生の唯一のエッセイ集。ショートコラム、日記、エッセイ、書評・映画評、ショートストーリーに加え、表題の「白蛇教異端審問」という構成になっている。日記やエッセイも、ファンとしてはそれなりに楽しめるのだけど、この本の白眉は、やはり「白蛇教異端審問」の項である。これは、桐野夏生が、自身の作品に対する匿名批評や、自身の作品に対する批判的批評に反論するというものである。反論相手からの再反論がないために(そのこと自体も桐野夏生の不満・批判の対象なのだけれども)、議論が深まらず、桐野夏生の一人相撲の印象が残ってしまう。そのこと自体が、桐野夏生を陥れる罠みたいなものだと、端からは見えてしまう。一読、印象に残るのは、桐野夏生という作家の信念と激しさだ。「私は言葉を限りなく大事にする職に就き、言葉と共に生きている。言葉が私の信仰だ。私は、私の言葉の名誉のために闘おうとした....。」正当な評論であればともかく、匿名、あるいは、相手からの再反論のない、言いっぱなしの批評に対しての筆者の、もって行き場のない怒りと憤りを強く感じた。こういった作家の態度に対して、おとなげない、とか、色々な感想はあるだろうけど、私自身は、桐野夏生に敬意を表したいと考える。
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