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絵巻で読む中世 の商品レビュー

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2022/10/28

『鳥獣人物戯画』『年中行事絵巻』『伴大納言絵巻』『信貴山縁起絵巻』の四つの絵巻をとりあげ、そこにえがかれている内容から中世という時代についての考察を展開している本です。 地の文による説明と、二人の人物による対話が交互に配置されて、絵巻についての考察が展開されるという、一風変わっ...

『鳥獣人物戯画』『年中行事絵巻』『伴大納言絵巻』『信貴山縁起絵巻』の四つの絵巻をとりあげ、そこにえがかれている内容から中世という時代についての考察を展開している本です。 地の文による説明と、二人の人物による対話が交互に配置されて、絵巻についての考察が展開されるという、一風変わった叙述のしかたが採用されています。とくに対話のパートでは、歴史学者である著者が地の文による説明では述べることがむずかしいと思われるような大胆な仮説が提示されており、おもしろく読むことができました。 また最後の章では、『今昔物語集』の説話を題材にとって、それにもとづく絵巻を想像するという興味深い試みがなされています。できることならば、じっさいにイラストレーターを起用して、絵を掲載してほしかったところではあります。

Posted byブクログ