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モーダルな事象 の商品レビュー

3.3

28件のお客様レビュー

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2023/04/23

推理小説というよりはSFっぽい感じというか怪奇というか、いややっぱSFかなぁという色々とぶち込まれた感もあり。このごった煮感が好きかどうかは分からんけど、語り口がけっこう好きなんよね。いちいち無駄口というか無駄にトリビア的なものを交えるというか、いやトリビアでもなく単なるコメント...

推理小説というよりはSFっぽい感じというか怪奇というか、いややっぱSFかなぁという色々とぶち込まれた感もあり。このごった煮感が好きかどうかは分からんけど、語り口がけっこう好きなんよね。いちいち無駄口というか無駄にトリビア的なものを交えるというか、いやトリビアでもなく単なるコメントではあるんだけど、そういうのって文学の素養とかSFの素養とか、ちっと難しいネタだったりするけど、今作では特に小難しくもなくてどうでも良いネタを挟んでくるから好きなんかもねぇ。まぁジャズミュージシャンの名前とかは知らんけどね。 そういうどうでも良いネタをつっこむその極地が駄洒落マスターへの道なんかもしれんよね。クワコーの小市民っぷりが楽しげだったのに、最後には解脱しててわたしゃ残念だよ。

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2021/07/01

その後の「クワコーシリーズ(たらちね国際大に籍を移している)」とは全然違う作品(だから大学を移ったんだね)。クワコーシリーズが抱腹絶倒の仕上がりなのに対して、こちらは意欲的な本格ミステリーだ。 文体や小説の構造に趣向を凝らした一作で、その仕掛けが楽しい。けどこのスタイルで続編が書...

その後の「クワコーシリーズ(たらちね国際大に籍を移している)」とは全然違う作品(だから大学を移ったんだね)。クワコーシリーズが抱腹絶倒の仕上がりなのに対して、こちらは意欲的な本格ミステリーだ。 文体や小説の構造に趣向を凝らした一作で、その仕掛けが楽しい。けどこのスタイルで続編が書かれなかったってことは、読者受けは悪かったのかなぁ。濃密だし紙数も相当なものだしね。

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2018/08/13

「スタイリッシュな生活」からの読書になったので、同じような展開かと思いきや 全然違うではないか! そのやる気のなさは相も変わらずではあったが、事件解決するのは女子大生ではない。当然、「スタイリッシュな生活」とは大学が違うわけで、活躍する女子大生が出てくるわけではない。 そしてこれ...

「スタイリッシュな生活」からの読書になったので、同じような展開かと思いきや 全然違うではないか! そのやる気のなさは相も変わらずではあったが、事件解決するのは女子大生ではない。当然、「スタイリッシュな生活」とは大学が違うわけで、活躍する女子大生が出てくるわけではない。 そしてこれもまた、桑潟幸一ことクワコーが物語を解決するわけではない、 本の表題にここまで登場人物の名前を出しながら、事件を解決する本人でないのは初めての展開である。 「スタイリッシュな生活」とは違って、本格ミステリーというスタイルではあるのだが、ほの中核にある、アトランティスのコインに関する内容がちょっと手薄だったかと思われる。

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2015/06/12

小説の手法を駆使したミステリー小説。此処まで語る事が出来るのかと畏怖すら感じる。作家の読書経験を召喚して、多様な語り部を交錯展開する物語作りだが、煩雑に成らずスイスイ読み進めてしまう面白さが奥泉の世界。 副題の助教授が堪らなく小市民の小心者なのだが、本人が意識する以上に物語に関与...

小説の手法を駆使したミステリー小説。此処まで語る事が出来るのかと畏怖すら感じる。作家の読書経験を召喚して、多様な語り部を交錯展開する物語作りだが、煩雑に成らずスイスイ読み進めてしまう面白さが奥泉の世界。 副題の助教授が堪らなく小市民の小心者なのだが、本人が意識する以上に物語に関与するにも係わらず、謎解きには無関係なのがアイロニーか? 途中から参画した元夫婦が探偵を引き受けて真相に迫る。過去の謎とも交錯しながら虚構の世界も醸し出す。何でもありにみえながら文章に現実性は保持されている。作家が意図して描く物語を共有出来る作品で有る事には首肯出来る。要は面白い!

Posted byブクログ

2015/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

斎藤美奈子『文芸誤報』より、市図書館にて。 筒井康隆『文学部唯野教授』ほどひどくはないが、日本文学研究者を馬鹿にする書き口は楽しいものである。SF要素を含む広義のミステリであると思うが、登場人物がどんどんつながり深層を探っていくのは本格モノということか。後半は人物のつながりが覚えられず、人物相関図を作りながらの作業様の読書となった。そんな作業の内に真相が明かされていったためか、終わりの印象はあっけなかった。

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2013/11/05

クワコー物は、先に「准教授」2作を読んでいたので、遡ってこの本を読むことになった。奥泉のミステリ・伝奇・SFがないまぜになったテイストは、「『吾輩は猫である』殺人事件」と同じで、十分に楽しめた。ただ、クワコーのキャラを楽しむには、「准教授」2作の方がよい。奥泉もそのつもりで書いて...

クワコー物は、先に「准教授」2作を読んでいたので、遡ってこの本を読むことになった。奥泉のミステリ・伝奇・SFがないまぜになったテイストは、「『吾輩は猫である』殺人事件」と同じで、十分に楽しめた。ただ、クワコーのキャラを楽しむには、「准教授」2作の方がよい。奥泉もそのつもりで書いているのだと思う。

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2013/09/20

読もうと思った時は気軽だったのに、厚さをみてちょっとひいた^^;))))))。久々の奥泉光は、やっぱり不思議色の強い(伝奇っていうのか)ミステリー。 くわこーの、饒舌な小物ぶりをくすくす笑いながら、彼が巻き込まれるのっぴきならない状況をともに楽しむべし。 現在・過去・妄想・複数...

読もうと思った時は気軽だったのに、厚さをみてちょっとひいた^^;))))))。久々の奥泉光は、やっぱり不思議色の強い(伝奇っていうのか)ミステリー。 くわこーの、饒舌な小物ぶりをくすくす笑いながら、彼が巻き込まれるのっぴきならない状況をともに楽しむべし。 現在・過去・妄想・複数視点で心地よく混乱するので、攻略の志でもって読まねば。なんか、これ読んだら、積んである『ドグラマグラ』を読める気がしてきた。

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2013/09/06

うーん。サブタイトルとか「桑幸」の語りからしてもっとお気楽なお話を想像していたんですけどね。なんか話が急に重たくなってちょっと面喰いました。その重たい話もおもしろいか?と言われるとどうも微妙で。急に変な風呂敷広げだして・・大丈夫か?と思いました。ていうかミスリードだと思ったらそう...

うーん。サブタイトルとか「桑幸」の語りからしてもっとお気楽なお話を想像していたんですけどね。なんか話が急に重たくなってちょっと面喰いました。その重たい話もおもしろいか?と言われるとどうも微妙で。急に変な風呂敷広げだして・・大丈夫か?と思いました。ていうかミスリードだと思ったらそうでもないという。ちょっと自分にはあわないかな。 なんか今までの作品といろいろつながりがあるようで、そっちを先に読んだら楽しめたのかもしれませんけども。。 続編がいろいろでてるようで、そっちはお気楽なお話なんだろうか?この終わり方でどうお気楽路線に戻すのかちょっと気になるところではありますが、読むかどうかはちょっと微妙。

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2013/03/02

なんかもうイマイチな人たちばかりでミステリやるとこうなる 【内容】 イマイチな大学のイマイチな助教授がとあるイマイチな童話作家の遺稿を発見したということになってイマイチなわりにはそれが流行ってなぜか成り上がってしまうのだがイマイチな童話作家の謎の人生のせいなのかなんだか殺人事件...

なんかもうイマイチな人たちばかりでミステリやるとこうなる 【内容】 イマイチな大学のイマイチな助教授がとあるイマイチな童話作家の遺稿を発見したということになってイマイチなわりにはそれが流行ってなぜか成り上がってしまうのだがイマイチな童話作家の謎の人生のせいなのかなんだか殺人事件が身近で起こっていてその結果イマイチな探偵(役)が無理矢理登場してきて少しずつ謎が現れて解かれていってるのかどうか・・・ 【感想】 問題なくおもしろいのだけどよくよく考えてみればおもしろいのは文章とかキャラクタなのであってイマイチな探偵たちのせいか物語の進行はきわめて遅く全体としてはなんせ長くて退屈なのかもしれないとすら思えてきたのだがそういうのは純文学系の特徴でもあるわけでこの作品はもしかして純文学?なんてことはなくやはりちょっと変わったミステリなのだろうということにしておこう。 ま、基本楽しいです。 ボクにとっては今暮らしている大阪や故郷の岡山なんかが舞台になってて親近感もあるし。 物語自体はイマイチだけど、登場人物もイマイチな人たちばかりなのだけど、この作者自身はとっても頭がいい人なんだなと思った。賢こすぎる人の書くモノは物語としては面白くなくなりやすいかもね。でも面白さはその賢さに発生してると思う。 この著者はほとんど読んでなくて、最初新聞で(たぶんいくつもの新聞に配信されていたと思う)「プラトン学園」を読んでヘンなのと思い、『「吾輩は猫である」殺人事件』をこれは単行本で読み普通におもしろいと思い、今回のが三作品目。あ、いやたしか朝日新聞に連載されたヤツもこの人の作品だっけか?なら四作目かも。いずれにせよちょっと変わった作風の人という印象が強いです。どういうタイプの作家かつかみきれてないのだけど、これは作者自身がそう意図しているフシ。 今回の単行本で解説があったのもちとびっくり。 でもこれも、その後のインタビューも含めて作品の一部のような気もする。書いてる千野帽子という人が架空の人物で奥泉光さんの文章だったとしても驚きはしませんが、昔、中日新聞・東京新聞の夕刊でこんな名前の人が連載していたような記憶もおぼろにあります。 (2013年03月01日読了)

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2014/02/07

とある作家の遺稿を扱うこととなった底辺教授クワコーが巻き込まれる、サスペンス小説。読むのは大変だったが細に張り巡らされた伏線や無駄知識も豊富で面白かった。

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