ピルはなぜ歓迎されないのか の商品レビュー
社会情勢、海外からの外圧、医師、家族計画関係者、フェミ…それぞれの立場からの「避妊ピル認可」を書いた本。国内ピル史としては秀逸。ピルユーザーの生の声も資料として使ってはいたものの、社会的政治的側面からの分析が多い。
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タイトルが示すように、本書はピルがなぜ歓迎されないのかを、様々な運動、社会の動きを丹念に資料から追ったものである。ピルが反対されるのはその副作用が未知ということもあるが、それより、中絶の楽な日本で、中絶が減ることにより不利益を蒙るがゆえに反対する人たちもいたのである。しかし、ピル...
タイトルが示すように、本書はピルがなぜ歓迎されないのかを、様々な運動、社会の動きを丹念に資料から追ったものである。ピルが反対されるのはその副作用が未知ということもあるが、それより、中絶の楽な日本で、中絶が減ることにより不利益を蒙るがゆえに反対する人たちもいたのである。しかし、ピルが解禁されると、それを売ることにより利益を得る人たちも出てくる。建前と本音がピル解禁をめぐって複雑に交錯している。女性にとってピルは本当に女性を妊娠の恐怖から解放するものか。体内に異物を取り入れれば、なにかが生じる。そうした不安を女性だけに負わせながら、男性が避妊責任から免除されることの方が問題だろう。本書はお茶の水女子大生の修論である。力作だ。ただ、よく調べたという感じは伝わるものの、論としては今一パンチが弱い感じがした。
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