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箪笥のなか の商品レビュー

3.8

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2010/10/15

文体は自由。でも全体的に出来すぎてるウソのおかげで「整って」いて「品」があるような錯覚。出来すぎてるウソをかかせたらピカイチだなあ。心地よく浸れる。

Posted byブクログ

2010/06/17

古い紅い箪笥をめぐる不思議ワールド 弟は少年のとなりへ布団を敷く。久しぶりに紅い箪笥のそばで眠るのを愉快がる。幼い日の晩のように見知らぬ人物が枕もとに佇つのを期待している。頭からすっぽりかぶる黒い雨合羽を着たその人物は、弟の耳に手のひらをあてた。電車の音が聞こえてきたと云う。小学...

古い紅い箪笥をめぐる不思議ワールド 弟は少年のとなりへ布団を敷く。久しぶりに紅い箪笥のそばで眠るのを愉快がる。幼い日の晩のように見知らぬ人物が枕もとに佇つのを期待している。頭からすっぽりかぶる黒い雨合羽を着たその人物は、弟の耳に手のひらをあてた。電車の音が聞こえてきたと云う。小学生だった弟は、怖いだの気味悪いだのとは感じなかったらしい。 <本文より>

Posted byブクログ

2010/02/28

短編集。 箪笥を親戚の家から譲ってもらうところから話が始まり、 箪笥を中心に話が進んで行く。 主人公と弟の過去の不思議な体験の回想を挟みながら、 箪笥の引き出しの中に突然何かが入っていたり、不思議なものに遭遇したり。 登場人物みんなが、そういう不思議な出来事もすんなりと受け入...

短編集。 箪笥を親戚の家から譲ってもらうところから話が始まり、 箪笥を中心に話が進んで行く。 主人公と弟の過去の不思議な体験の回想を挟みながら、 箪笥の引き出しの中に突然何かが入っていたり、不思議なものに遭遇したり。 登場人物みんなが、そういう不思議な出来事もすんなりと受け入れてしまう感じが好き。 長野まゆみの作品にしては、珍しく主人公が女性です。

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2010/01/18

赤い箪笥、と聞くと実家にある赤いピアノを思い浮かべてしまった。 本に出てくる箪笥も赤茶色の木目の綺麗な箪笥だと言う。 箪笥が引き連れてくる不思議な者たち、あの赤いピアノは海を渡って来たと聞いたから、もし尋ね人があるとしたら言葉が分かるのかな…そんな空想をさせてくれる本でした。

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2009/11/11

箪笥のなか 鳩のパン 真珠採り 岸辺 函屋 蛇の眼 琥珀 雪鳥 梔子 貝雛 花零る

Posted byブクログ

2012/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

  箪笥のなかには世界が詰まってる。 長野まゆみ作品で一番好きな本。人によって大きく分かれると思う。 ゆったりした世界。流麗な表現。小物やレトロな雰囲気が素敵だ。 真珠を買いたくなってくる。 あえて改行を使っておらず、それがよんでいくうちに深みをましていく。 消えていった迷信たちがすぐうしろから覗き込んでくるような 不思議な感覚に浸ることができる。 ミステリーではないしサスペンスでもない、かといって日常的でほのぼのなだけではけっしてない。 ということでノン・ジャンルに分類してみる

Posted byブクログ

2009/10/04

親戚の家からゆずりうけてきた、古い紅い箪笥。年ふりたそのひきだしからは、時に不思議なものたちがあらわれる。そして箪笥によばれるように、この界ならぬ人びとがわたしを訪ねてやってくる―。現実と非現実のあわいの世界をたゆたうものものを細やかな筆致で描き出し、著者の新境地を示す連作小説集...

親戚の家からゆずりうけてきた、古い紅い箪笥。年ふりたそのひきだしからは、時に不思議なものたちがあらわれる。そして箪笥によばれるように、この界ならぬ人びとがわたしを訪ねてやってくる―。現実と非現実のあわいの世界をたゆたうものものを細やかな筆致で描き出し、著者の新境地を示す連作小説集。(e-hon) 本の開けばそこには、長野まゆみらしい、不思議な世界が漂っていた。 箪笥の引出しに、思いもよらないものが入っていたり。箪笥に呼ばれるように、見ず知らずの人が訪れたり。 こうやって言葉にしてしまえばどうってことのない話だけれど、作品を読んでいるときはなんだか不思議でしょうがない気分になる。 ホラーでもなく、恋愛小説でもなく。ただただ箪笥に関係した人々、物の物語。

Posted byブクログ

2009/10/04

小さいころ、今考えると 「あれはいったい何だったんだろう?」 夢だったのかなあ、それとも本当に起こったことなのかな…、 と疑問が残るような、不思議なことが数回ありました。 輪郭がぼんやりしていて、親に訊いてもわからなくて、 ぼやけたまま頭の隅に残っている妙な記憶。 小さいころだけ...

小さいころ、今考えると 「あれはいったい何だったんだろう?」 夢だったのかなあ、それとも本当に起こったことなのかな…、 と疑問が残るような、不思議なことが数回ありました。 輪郭がぼんやりしていて、親に訊いてもわからなくて、 ぼやけたまま頭の隅に残っている妙な記憶。 小さいころだけではなくて、今もたまにあるのかもしれません。 きっと年数を経ると、不思議におもえることが時々起こっているかも。 この本は、一つの古い箪笥をゆずりうけてから 日常の中にそんな奇妙な出来事が、ふっとまぎれこむという話です。 半分夢をみているような、気持ちになりました。 そして長野まゆみさんの小説の中でも、ちょっと異質な感じです。 描写や言葉、頭に浮かぶ映像が、幻想、というより幻惑という感じ、 とても美しい小説でした。

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2009/10/07

この作家さんの本はこれで3冊目ですが…すべて文体が同じなのはどうなんでしょう^^; お話自体は不思議で面白いと思うんだけど、読んでるとすごく眠くなってきてなかなか進まなかったです。

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2009/10/04

主人公(女性!)が親戚宅から譲り受けた古い箪笥の小抽斗には、不思議なものが住み着いている。 この世ならざる場所で起こっていることを、箪笥を通じて見ている様な和風幻想譚。 梨木香歩『家守奇譚』と通ずる雰囲気ではあるが、それよりも淫らでつやっぽい感じがするのはさすが長野まゆみ。 メル...

主人公(女性!)が親戚宅から譲り受けた古い箪笥の小抽斗には、不思議なものが住み着いている。 この世ならざる場所で起こっていることを、箪笥を通じて見ている様な和風幻想譚。 梨木香歩『家守奇譚』と通ずる雰囲気ではあるが、それよりも淫らでつやっぽい感じがするのはさすが長野まゆみ。 メルヘンから少年の絶滅への危惧、そして和の香り。 20年歩んできた作者の抽斗の多さに脱帽。不思議なのは、物語の箪笥よりも作者であると思う。

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