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模倣犯(4) の商品レビュー

4

190件のお客様レビュー

  1. 5つ

    50

  2. 4つ

    92

  3. 3つ

    37

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

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2015/09/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「犯人は高井和明と栗橋浩美である」と社会が認識した状況で進んで行く前半の展開がとても心苦しい。 和明の浩美を思う優しさと穏やかさの中の自分の意思を貫く強さを思うと、作中の登場人物たちに真実を怒鳴りつけてやりたい思いになる。 兄思いの由美子や真面目に暮らしていた家族が不当に苦しめられていることに涙が出そうになる。 後半、由美子の変貌ぶりが本当に不憫で、樋口めぐみと像が重なったときはこんなに残酷な話があっていいものかと本を握る手に力が入ってしまった。 最後にはきっと嫌疑は綺麗に晴れると分かっていても、事件に巻き込まれた人たちの壊れきってしまった暮らしのことを考えると今更何が解決するんだと憤りすら覚えてしまう これほどまでに世界に入り込んでしまうのはひとえに宮部みゆきの構築する世界が人物があまりにも緻密で真実的だからなのだろうけど、あまりにも入り込みすぎてしまって却って問題です。

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2014/05/23

事故で死んだ栗橋浩美と高井和明が連続誘拐殺人の犯人と断定?されて捜査が進められている。前畑滋子の事件ルポが評判となり、そこへ塚田真一と高井由美子までが転がり込んでくる。そんな中でピースこと網川浩一が現れ由美子と親しくなる。「由美子危うし」と思ったのだが・・・?

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2014/05/04

イライラしたり泣いたり忙しい巻だった。 カズのことを読んできているので、ホテルの支配人とか前畑とか真一にでさえ、「おまえらカズの無実証明されたら絶対謝れよ」と思いながら読んでた。 ピースの芝居がかった態度、今まで気にならなかったのにこの巻だとやけに幼く感じる。 由美子は気持ちは痛...

イライラしたり泣いたり忙しい巻だった。 カズのことを読んできているので、ホテルの支配人とか前畑とか真一にでさえ、「おまえらカズの無実証明されたら絶対謝れよ」と思いながら読んでた。 ピースの芝居がかった態度、今まで気にならなかったのにこの巻だとやけに幼く感じる。 由美子は気持ちは痛いほどわかるけど、どうしてもイライラさせられてしまった。 前畑は一巻から印象変わらず、ただのでしゃばりな女としか思えない。「女」って感じ。 義夫、真一、カズにとって少しでも明るい終わり方であったらいいなと思う

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2014/05/04

ルポ・ライターの前畑滋子は、栗橋浩美と高井和明の心の闇に迫るノンフィクションを連載し、世間の注目を集めます。 一方、和明の無実を信じる高井由美子は、滋子のもとを訪れ、話を聞いてほしいと訴えます。そんな由美子の態度に、殺人事件のサヴァイヴァーで現在も犯人の娘である樋口めぐみに悩ま...

ルポ・ライターの前畑滋子は、栗橋浩美と高井和明の心の闇に迫るノンフィクションを連載し、世間の注目を集めます。 一方、和明の無実を信じる高井由美子は、滋子のもとを訪れ、話を聞いてほしいと訴えます。そんな由美子の態度に、殺人事件のサヴァイヴァーで現在も犯人の娘である樋口めぐみに悩まされている塚田真一の心は揺さぶられます。 犯人2人の人物像や社会的背景についての設定は、やや単純にすぎるような気もしますが、真一の心の苦しみに迫っているところなどは、やはり名作というべきではないかと思います。

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2014/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読。4巻にして初めてピースの本名が出て、ピースが表舞台に登場しようか・・・というところ。これであと1巻で収束するのかと思うほど話は広がってる。そして5巻、最終巻へ。

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2014/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

沈黙を破り、最後に網川が出てくる4巻。 他の方が言うように、ちょっと冗長な感じがする。 特に前畑滋子とか、最初に腕を発見した真一が出てくると読み飛ばしたくなる。

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2013/10/10

これまでの3巻で描かれてきた「ピース」とこの4巻で描かれている「網川浩一」が同一人物とは思えない。大筋は同じだとは思うけれど、3巻までに説明されてきた「ピース」の外見上の人格である、人当たりが良くて誰にでも好かれるピースマーク顔のピース。それがこの4巻では今まで樋口めぐみが演じて...

これまでの3巻で描かれてきた「ピース」とこの4巻で描かれている「網川浩一」が同一人物とは思えない。大筋は同じだとは思うけれど、3巻までに説明されてきた「ピース」の外見上の人格である、人当たりが良くて誰にでも好かれるピースマーク顔のピース。それがこの4巻では今まで樋口めぐみが演じてきたような自己中心的で社会性を持たない人物になってしまっていて、すごく違和感を感じる。 それ以外の部分は事件の被害者の心情や、とてつもない偶然に絡まった登場人物たちの物語としてはとても面白いのに。

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2013/09/11

カズの妹がまさかあんな風になってしまうとは… 社会の恐ろしさをまざまざと感じた。自分もこうならないとは言い切れないという恐ろしさ。

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2013/08/19

読んでるこちら側はピースはどんな存在なのかわかっているだけにイライラする。というか読んでてこんなに登場人物にイライラしたのは初めてかもしれない。ピースにも由美子にも昭二にも、とにかくイライラさせられた。

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2013/12/26

宮部みゆきの代表作のひとつ。社会派ミステリ、というかスリラーってのはこういう感じ、というお手本のような長編。 所謂フーダニット、本格推理が好みの自分にとって社会派は純然たる「ミステリ」ではないと思っている。心理サスペンス、スリラーというカテゴリのほうが適切。でも、それはそれで面白...

宮部みゆきの代表作のひとつ。社会派ミステリ、というかスリラーってのはこういう感じ、というお手本のような長編。 所謂フーダニット、本格推理が好みの自分にとって社会派は純然たる「ミステリ」ではないと思っている。心理サスペンス、スリラーというカテゴリのほうが適切。でも、それはそれで面白いし好きなのね(笑)。 この長編は(以下若干ネタバレあり)、観衆=一般市民を驚嘆させ恐怖に陥れることに無上の喜びを感じるシアター型犯罪を「創作・演出する」愉快犯が中心。 人間的感情がどこかに行っちゃってる(精神的に壊れた)犯人と、共犯者、その家族。彼らの犠牲者たちとその家族、友人知人。遺体の発見者となってしまった人たちとその周辺。彼らの人生。大掛かりな捜査を展開する警察と、独自に犯人像を追いかけるマスコミ、ジャーナリスト。 同じ事件をリアルタイムで体験する、立場のちがう人々の異なる視点から、重層的に時間経過をなぞり、徐々に事件の真相に迫る。その過程はときに(繰り返しもあって)しんどいけど、なるほど犯罪というのは誰がどう見るかによって、様相が異なるものなのだ、と。被害者も加害者も、その家族も、見たいようにしか事件を見られないのだ、と。そう実感させる力作だと思います。 文句なしに面白いし、分厚い五冊も一気読み。 でも、瑕疵がないわけじゃないですね。取りこぼしと思われる伏線もあるし、細かいことですが1巻の季節感の描写の違和感とか、警察vsマスコミの構図の不自然さとか(書かれた時代の反映なのかもしれないが今ではちょっとないと思う)、彼女独特の表現「行けない」ではなく「行かれない」など・・・気になってしょうがない部分も多い。女性認識、女性ジャーナリスト認識なんかは、むしろ反フェミ的とすら感じるし。 とはいえ、上質の娯楽なのはまちがいない。お勧めです。

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