ユージニア の商品レビュー
印象的なフレーズがあった。 「この世界がぎっしりと本の詰まった図書館みたいで・・・ 一人の老人が死ぬことは、一つの図書館がなくなることだという言葉があります」 人はその内にさまざまな情報をもっている。 それは決してみな同じではない。 知識、経験、感情・・・それらは1つの本のようで...
印象的なフレーズがあった。 「この世界がぎっしりと本の詰まった図書館みたいで・・・ 一人の老人が死ぬことは、一つの図書館がなくなることだという言葉があります」 人はその内にさまざまな情報をもっている。 それは決してみな同じではない。 知識、経験、感情・・・それらは1つの本のようでもあると。
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ストーリー紹介を読んだだけだと、あんまり面白くなさそうだけど、実際読むと面白かった。ラストもそんなに悪くないです。
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「月の裏側」読んだ直後に読んだ一冊。この本がまたあたしハマりすぎて、「月の裏側」がどんな話だったか思い出せなかったくらい。 またもや、素敵な人がいて、その人が話の中核を成してるから(主人公とは、、違う筈)話に凄く惹き込まれた。しかも物語の舞台が地元で、すっごく親近感あったのもある...
「月の裏側」読んだ直後に読んだ一冊。この本がまたあたしハマりすぎて、「月の裏側」がどんな話だったか思い出せなかったくらい。 またもや、素敵な人がいて、その人が話の中核を成してるから(主人公とは、、違う筈)話に凄く惹き込まれた。しかも物語の舞台が地元で、すっごく親近感あったのもある(しかし、物語の中には地名としては出て来ない。Kというアルファベットのみ。しかし、解る人にはわかる。名所とか載ってるし) この話は描き方が変わってた。初めはちょっと読みづらかったけれども、それがまた新鮮で、よかった。 不思議な話。ミステリーやけど、ファンタジー。現実的やけれども、非現実。
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あの夏、青沢家で催された米寿を祝う席で、 十七人が毒殺された。 ある男の遺書によって、一応の解決をみたはずの事件。町の記憶の底に埋もれた 大量殺人事件が、年月を経てさまざまな視点から再構成される。
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恩田陸さんの作品って読み終わってみると特別好きじゃないなぁって感じなのに読んでる最中は止められないというか、早く続きを読まなくちゃって思ってあせって読んじゃうんですよね。
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恩田さんの作品はこの他に『夜のピクニック』を読みました。 はまってしまいそうです(o^−’b) この本はストーリーを分かったうえでもう一度読んでみたいと思いました
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2月、学校の図書館。 恩田陸を読むのははじめて。雰囲気のある作家さんですね。こういう構成はわりと好き。
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言葉が綺麗で印象深く、うっとりと陶酔しながら読んでいました。 結構書いてある文章が面白い。 「そう、奇術の「奇」、幻想と怪奇の「奇」、よ。 あたしの個人的な意見だけど、「奇」というのは日本文化には結構重要な隠し味だと思うの。いびつなもの、気味悪いものを一歩引いて愛でる。ああ...
言葉が綺麗で印象深く、うっとりと陶酔しながら読んでいました。 結構書いてある文章が面白い。 「そう、奇術の「奇」、幻想と怪奇の「奇」、よ。 あたしの個人的な意見だけど、「奇」というのは日本文化には結構重要な隠し味だと思うの。いびつなもの、気味悪いものを一歩引いて愛でる。ああ嫌だ気持ち悪いと目を逸らさずに、冷徹に観察して、美の一つとして鑑賞する、面白がる。これは興味深い心理だと思う。「奇」という文字には、あやしいもの、めずらしいもの、という意味があるんだけれど、あたしはこの文字にグロテスクなユーモアを感じるわ。自虐的な諧謔、ひどく醒めた、突き放した視線みたいなものを。」 「ああいう、あたしたちの理解を超えた事件というのは、誤解を恐れずに言うと、ほとんど事故に近いものなんじゃないかしら。 何かの拍子に、雪玉が坂を転がり始めて、どんどん雪だるまみたいに加速していく。それはみるみるうちに大きくなって、麓で作業していた人たちをあっというまになぎ倒す。もちろん、雪玉の中心には、人為的なたくらみもあるし、押し殺していた感情もあるでしょう。けれど、何かのきっかけと偶然の連続が噛みあわさって、人為的なものを凌駕して恐ろしいことが起きてしまうということがあると思うの。人間のちっぽけな思惑など嘲笑うかのように、大きな災厄で返される。 あの事件もそういうものだったような気がして。」 「一つの出来事を、たくさんの人の口から聞くというのは、興味深かった。 逆に、事実って何だろう、と何度も考えましたよ。 それぞれの人はみな事実だと思って喋ってるけど、現実に起きた出来事を、見たまま話すのって、難しい。というよりも、不可能ですよ。その人の先入観とか、見間違いとか、記憶違いがあって、同じことを複数の人から聞いたら、どれも必ず少しずつ違う。その人の知識とか、受けてきた教育とか、性格で、見方も異なるわけでしょ。 だから、実際に起きたことを、本当に知るのは絶対に無理なんだなぁと思いました。そうやって考えると、新聞の記事や、教科書に載っている歴史っていうのは本当に大まかな、最大公約数の情報なんだなって。誰かが誰かを殺した、というのは事実かもしれないけど、その時の状況や、そこに至るまでの経緯なんて、たぶん当事者どうしにも分っていない。いったい何が真実なのかなんて、それこそ全能の神にしか分からない---まぁ、そういう存在があるとして、ですが。」 「時々考えるんですよ。 理解できないというのは罪なのか、って。 親でも子でも、きょうだいでも、理解できないものはできない。それっていけないことなのか。理解できないならできないと認めて、あきらめることだって理解の一つなんじゃないのか。そんなことを考えるんです。 だけど、今日び、世界は理解できないものを許さないでしょう。分からないと言ってはいじめ、得体が知れない、説得不能だと言って攻撃してしまう。何でも簡略化・マニュアル化が進む。人が腹を立てるのは、理解できないからのことが多い。 本当は、理解できるもののほうがよっぽど少数派ですよね。理解したからって、何かが解決できるわけでもない。だから、理解できない世界で生きてくことを考える方が現実的だと思うのは間違いでしょうかね。 時々考えるんですよ。 妹は、何をああまでして理解したかったのかと。 なぜ、ああも他人になりたかったのかと。」 私は隣にいる誰かにも他の誰にも、 私以外の誰にもなれないのだと、 分った時の衝撃を今も忘れてはいない。 凄く不思議で、今も何故なんだか分からないけど、 なれないことはとうに分ってしまった。 「人間は罪深いの。生まれながらに犯している罪も沢山ある。この世に生まれ落ちたことがその証拠なの。人間は罪を悔い改めながら生きていくの。ごらんなさい、この世がどんなに苦悩に満ち、血と暴力に満ちていることか。こんな世界に生まれ落ちることか罪でなくていったい何だというの?これが人間が罪深いことの何よりの証拠よ。歓びはほんのつかのま。苦しみの海につかのま射し込む弱い光に過ぎないの。 悔い改めなさい。孤独に生まれ落ちた瞬間から、罪は罪。自分の背負う罪を自覚することが大切なのよ。祈りなさい。必ず誰かが見ている。罪を犯したところを、誰かがきっと。 罪深き堕落を、邪な意志を。 そんなあなたを、誰かが必ず見ている。」 何の罪の許しを乞うて居たのか、 誰か幸せになったのか、 分からない。
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ある一家の毒殺事件を各章ごとに違った人が語り継いでいく作風になっている。読んでいて不安が大きくなっていくというか、どんどん狂わされていくような感じがした。少し後味の悪い作品だと思った。
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じっとりとした不安感が取り巻く不安定ですっきりしない話。 夏の雨の日のイメージ。装丁が素敵すぎる。
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