アレグザンダー・ハミルトン伝(下) の商品レビュー
最終巻は、ワシントン政権末期から、アダムズ、ジェファーソンの時代、そしてバーとの決闘での敗死、残されたイライザ夫人ら家族のその後を描いている。 ハミルトンは憲法、中央銀行、公債、税制、税関、沿岸警備、など合衆国の今に連なる国家の基礎を実質的に創り上げた男であり、その有能さ優秀...
最終巻は、ワシントン政権末期から、アダムズ、ジェファーソンの時代、そしてバーとの決闘での敗死、残されたイライザ夫人ら家族のその後を描いている。 ハミルトンは憲法、中央銀行、公債、税制、税関、沿岸警備、など合衆国の今に連なる国家の基礎を実質的に創り上げた男であり、その有能さ優秀さは葬儀のときの様子から当時の人でも理解していたことが分かる。にもかかわらず、政敵や利害相反する立場の人々からの、本を読んでいても不愉快なほどの誹謗中傷は、いつのまにか公より私で政治をする現代に通じるものを感じてしまう。たとえ、不倫があったとしても、その人をすべてを否定するのではなく、評価すべき点は評価できないものか。新聞を利用するなど、マスコミの影響も似ているように思う。 形骸化しつつあったとはいえ決闘で死んだのは、これだけは昔の話だと安堵するほどで、とても200年前の話とは思えないほどだ。
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