太陽と毒ぐも の商品レビュー
共感できます!?
どれだけお互いを好きでも、全て許しあえるわけじゃない。11の短篇は全部、パートナーの「我慢ならない癖」に苦悩する男女が主人公。読みながら「イヤだなー」と思いつつ「わかるなー」とも思ってしまう。味わい深い。
yoko
恋人たちの関係性の中に芽生えた『違和感』に光を当てた作品。付き合いはじめた時には意識が低かった事ごとが、二人の関係性を維持していく中で大きな『違和感』となっていく様は恋人関係にも限らないことでもあり得る。恋愛小説の大半みたく困難を乗り越え理解し合った関係を書いているものとは違う...
恋人たちの関係性の中に芽生えた『違和感』に光を当てた作品。付き合いはじめた時には意識が低かった事ごとが、二人の関係性を維持していく中で大きな『違和感』となっていく様は恋人関係にも限らないことでもあり得る。恋愛小説の大半みたく困難を乗り越え理解し合った関係を書いているものとは違うので読んでいて内容が上手く飲み込めて面白かった。
Posted by
とても面白い短編小説なんだけど、読み終わるそばから内容を忘れてしまう。登場人物の印象が強過ぎて、ストーリーが頭に入ってこないのだ。 でも読んでいる最中は「そうだそうだ」とうなづいたり、「そんなもんかしら」と首を捻ったり、過去の自分と重ねて懐かしく、または恥ずかしく思ったりした。 ...
とても面白い短編小説なんだけど、読み終わるそばから内容を忘れてしまう。登場人物の印象が強過ぎて、ストーリーが頭に入ってこないのだ。 でも読んでいる最中は「そうだそうだ」とうなづいたり、「そんなもんかしら」と首を捻ったり、過去の自分と重ねて懐かしく、または恥ずかしく思ったりした。 一番好きなのは『雨と爪』というタイトルの話で、迷信をとことん重んじる彼女と同棲している男の子の葛藤を描く話。 時々思うことがある。 今のわたしがこうなってしまったのは、あの朝蜘蛛を殺してしまったからなのではないだろうかと。例えば夜中に口笛を吹いたから電車の中で財布を盗まれてしまったのかと。いろんな不幸が起こるのは、その裏で気がつかずにやってしまった全く関係のない何かが糸を引いているのか。 おれたちは自分の意思で何かを決めて、少なくとも決めようとはして、そのとおりに日々を過ごしているのか。それとも、もうひとつの世界で決定される何ごとかに従って、自分自身に決定権すら持たぬまま翻弄されるように行きているのか。(雨と爪より) 作者の感性が自分にあまりにも近くて、文章のリズムも選ぶ言葉もすっと入ってき過ぎるので、多分何も残らないような気分になるのだろうと思う。 あとがきを読んで、これはハッピーエンドからだらだら続くしあわせな恋人たちの日常を書いたと知った。もしこれを日常と呼ぶなら、それは結構ハードだ。
Posted by
108:登場人物たちには皆それぞれ恋人がいて、付き合い始めたばかりのキャッキャウフフの時期を越えています。同棲したり、結婚しようかと考えていたり、これだけ聞くとお腹いっぱいな話なのですが、それで丸くおさめないのが角田さん流。ともに過ごす時間が増えるにつれて、相手のことを深く知る。...
108:登場人物たちには皆それぞれ恋人がいて、付き合い始めたばかりのキャッキャウフフの時期を越えています。同棲したり、結婚しようかと考えていたり、これだけ聞くとお腹いっぱいな話なのですが、それで丸くおさめないのが角田さん流。ともに過ごす時間が増えるにつれて、相手のことを深く知る。その中には気に食わないことも多々あって、すれ違いや妥協や我慢を強いられることもあるわけです。それでも、それらの感情とは矛盾しない気持ちがあるということ。しくしくと胸に迫る鋭さと同時に、温かさも残した短編集。「100%」がお気に入り。
Posted by
17/06/29 (51) 誰かを好きになって、相手もこちらを好いてくれて、とりあえず関係性としてはハッピーエンド。そのハッピーエンドからだらだら続くしあわせな恋人たちの日常を書いた。とあとがきにあるけども、なんだろうこのどこかしらさみしくてどうにも他人なのだよなあと思わせるこの...
17/06/29 (51) 誰かを好きになって、相手もこちらを好いてくれて、とりあえず関係性としてはハッピーエンド。そのハッピーエンドからだらだら続くしあわせな恋人たちの日常を書いた。とあとがきにあるけども、なんだろうこのどこかしらさみしくてどうにも他人なのだよなあと思わせるこの諦念感。でもふふっと軽くなるようなそんな読後感。角田さんの小説はやっぱりすごい。やっぱりすき。 ・「キクちゃんと別れたとしても、きっとあたしはなんにも思い出さないだろうなって思う」(P94 昨日、今日、明日)
Posted by
短編集。 どのお話も色んなカップルが登場する。 彼らに共通しているのは交際していく中で見えてきた、どうしようもなくしょうもないけど、唯一受け入れられない相手の価値観に悩む姿。 それ以外なら価値観も合うし一緒にいて楽しいのに。と。 それで別れを選ぶかそこも含めて認めようとするか...
短編集。 どのお話も色んなカップルが登場する。 彼らに共通しているのは交際していく中で見えてきた、どうしようもなくしょうもないけど、唯一受け入れられない相手の価値観に悩む姿。 それ以外なら価値観も合うし一緒にいて楽しいのに。と。 それで別れを選ぶかそこも含めて認めようとするかはお話によって勿論違うのだけど読んでてなんだかちょう胸が苦しくなっちゃった。 あとね、作品で使われる若者言葉に若干の違和感を感じたら2004年出版だった。 あ、言葉が変化してる!と思ってにやりとしました。
Posted by
2016.6.26 ジャケ借り。カップルの話が11編。登場人物似たり寄ったり、話が繋がってるわけでもないし…。 あとがきでばっかみたいなカップルの話と書いているので、この読んでてうんざりするのも込みなのか。うんざりしたぁ。
Posted by
一癖どころではない自分とか恋人とか 自分らしく生きたいし、けど我慢も必要やし それらをうまーくこなすのは難しい なんかお話は滑稽なんやけど、やっぱ人間みんな個性的やから、一生ついてまわるまわる。 永遠のテーマ 哲学!
Posted by
目についたレビューが、結構悪い評価ばかりだったので、気構えて読んだからか、「そんなに言うほど不快じゃないな」という印象。でも、とびきり面白い! と思えるようなおはなしも特になかったかな。可もなく不可もなくという印象。
Posted by
当初はお互いに痘痕もえくぼだった恋人同士が、痘痕が痘痕になってきて葛藤するお話しを集めた短編集。こんなバカ臭いことで?ということで愛が壊れていく人々を見てると身近に実例があるわけではないけど他人事に思えず共感すら覚える。100%自分に合った相手などいないというのはあながち間違いで...
当初はお互いに痘痕もえくぼだった恋人同士が、痘痕が痘痕になってきて葛藤するお話しを集めた短編集。こんなバカ臭いことで?ということで愛が壊れていく人々を見てると身近に実例があるわけではないけど他人事に思えず共感すら覚える。100%自分に合った相手などいないというのはあながち間違いではないのかも。
Posted by