昭和史発掘 新装版(7) の商品レビュー
昭和初期の出来事をま…
昭和初期の出来事をまとめたものの第七巻。遂に起きた二・二六事件の序盤を緻密な描写で描く。
文庫OFF
2.26の続き。戒厳令がしかれているところである。戒厳令とは何か、というのを初めて知った。戦前とはかくも激動の時代だったのだというのが、詳細な説明でよくわかる。
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二・二六事件のことが知りたくなった。30年くらい前に中公新書の「二・二六事件」を読んだが、事件の経過をもう少し詳しく知りたかった。調べてみると、本書がかなり詳しいらしい。いきなり「第7巻」から読むのも憚られたが、第1巻から読み始めると、いつまで経っても二・二六に辿り着かない気がし...
二・二六事件のことが知りたくなった。30年くらい前に中公新書の「二・二六事件」を読んだが、事件の経過をもう少し詳しく知りたかった。調べてみると、本書がかなり詳しいらしい。いきなり「第7巻」から読むのも憚られたが、第1巻から読み始めると、いつまで経っても二・二六に辿り着かない気がして、本当は、その前の出来事も見ておくべきと思ったが、目をつぶって、いきなり事件勃発からの出来事を読んだ。それにしても、様々な場面・当事者について多数の資料から観察して記述しているので、非常に詳細で臨場感もあり、とても面白い。もちろん、著者の主観や歴史観も入ってはいるのだろうが、これだけの資料を並べて書かれると、これこそが事実という気がしてくる。松本清張は凄いなと改めて思った。
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2・26事件の決行後の諸氏の有様が、生々しく新資料で綴られる。皇道派青年将校のよく言えば、純情の念、悪く言えば、世間知らずの無私の行動を清張が執拗に負っていく・・・。執念の執筆であることが、大部な一冊に占められている。登場人物の一言、一言に、肉薄する資料的手さばきと推測は、ある種...
2・26事件の決行後の諸氏の有様が、生々しく新資料で綴られる。皇道派青年将校のよく言えば、純情の念、悪く言えば、世間知らずの無私の行動を清張が執拗に負っていく・・・。執念の執筆であることが、大部な一冊に占められている。登場人物の一言、一言に、肉薄する資料的手さばきと推測は、ある種の凄みさえ併せ持って読むものに迫ってくる。清張が、歴史に、すなわち、その事件に関係した者たちの 「思想」「意思」「欲望」「嘘」「デマ」陰謀、裏切りなどなど、ぐつぐつと煮えたぎる人の情念を、潜り抜け対決し執筆している姿勢までが、この執筆には残されているように思える。何度も読んでも新たなる新鮮さ、発見があるように思えるのは私だけだろうか。
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