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2019/11/29

腰巻きにはノーベル文学賞受賞が謳ってあるが抵抗文学ではない。プロレタリアート文化大革命とそれ以降を描いた現代文学ではあるが、共産党支配の現状を淡々と述べるにとどまる。(中共支配の)大陸の雑誌で発表された短編集が1989年2月台湾で出版された。6月・運命の天安門大量虐殺事件の際、フ...

腰巻きにはノーベル文学賞受賞が謳ってあるが抵抗文学ではない。プロレタリアート文化大革命とそれ以降を描いた現代文学ではあるが、共産党支配の現状を淡々と述べるにとどまる。(中共支配の)大陸の雑誌で発表された短編集が1989年2月台湾で出版された。6月・運命の天安門大量虐殺事件の際、フランスに幸運にも(?)居た著者は亡命を選び、作品は中共支配下地域では発禁となった。2000年ノーベル文学賞にも党政府は沈黙のまま。戯曲で世に出た著者は、『花豆』で書簡体で独白的に話を進める。対話=施行の対決になるのに不足しているのは主人公の恋心が対決する相手。それは毛沢東

Posted byブクログ

2009/10/04

文革という大きな歴史の濁流のなかで時に 歪められ時にいっそう瑞々しい青春の回想録。作者・高行健はフランスに亡命し中国では一切の著作を発禁されているというからよりいっそうノスタルジックさが悲壮になる。 痛切になってくるのはもはや記憶にも記憶にも残ってない母を回想する「母」と数十年...

文革という大きな歴史の濁流のなかで時に 歪められ時にいっそう瑞々しい青春の回想録。作者・高行健はフランスに亡命し中国では一切の著作を発禁されているというからよりいっそうノスタルジックさが悲壮になる。 痛切になってくるのはもはや記憶にも記憶にも残ってない母を回想する「母」と数十年前の初恋を描いた「花豆」。 そして純粋に巧いのが「おじいさんに買った釣竿」。主人公がTVでサッカー中継を見ながら少年時代を回想するという二つのストーリーの流れが見事に小説という表現手段で成功している。

Posted byブクログ