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演技と演出 の商品レビュー

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29件のお客様レビュー

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2024/02/23

(01) 演劇は生きることそのものではないが,生きることに少し似ていると著者は締め括る.その似る姿は,この人間はあの人間に似ていながら,かつ互いに他者であり続けることに相似している.人間社会と個人生活を映し出す演劇ではあるが,それは観るものにとっても演じるものにとって,社会や個人...

(01) 演劇は生きることそのものではないが,生きることに少し似ていると著者は締め括る.その似る姿は,この人間はあの人間に似ていながら,かつ互いに他者であり続けることに相似している.人間社会と個人生活を映し出す演劇ではあるが,それは観るものにとっても演じるものにとって,社会や個人そのものではないが,似たものとして舞台において提示されている.ワークショップの試みは,他者を通じて社会や個人を探る行為でもあり,そのものの延長に演劇があるとも言える. 著者の経験的な理論から近代演劇史に基づいた理論(*02)までが,テスト的なテキストを用い,ワークショップ成功のポイントを示しながら論じられていく.動作や言葉が織りなす他者との関係性がワークショップには現れており,その関係性に介入するのが演出の役割とも考えられ,同時にそれは社会の改革や個人のカウンセリングにも通じる手法でもあるのかもしれない. (02) スタニスラフスキーが俎上に,あるいは槍玉に挙げられる.また,ブレヒトの演劇理論についても触れられる.宗教とカルト,ワークショップとメソッドは,時に人生を壊し,社会を壊す危険性があることを示している.人は木になることはできないが,木を強制させられ,その強制に演者自らの意志を集中し,没入する危険は,演技という行為のどこかにいつも潜んでいる.ブレヒトの「なーんちゃって」という覚醒は,その洗脳や没入から救い出す手立てとして論じられていく.集団や社会の現代的な問題を視野に入れた指摘と言えるだろう.

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2023/02/06

演劇を長くやっている事のあるけど、あらためてなるほど、と思う事が多かった。ことばにするむずかさを感じる事もある中で、オリザさんのことばは端的でわかりやすくしてくれる。わかりやすく感じるのは演劇をやっていることもあると思いますが。

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2021/03/24

演出家平田オリザさん著作イプセン人形の家、チェーホフかもめ等の等身大の演劇により約140年前位に誕生した 演出家。漫画ガラスの仮面的スタニスラフスキー的内面探究重視演技か小劇的観客の感情移入を拒否するブレストのなーんちゃって演技かいい演技、いい演出とかよくわからない。

Posted byブクログ

2019/05/03

演技とは何か?演出とは何か?◆イメージを共有する◆意識を分散する◆コンテクストを摺り合わせる◆観客の想像力を誘導する◆実験を繰り返す◆演出とは何か?

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2019/03/14

セリフに解釈はせず、カオスをカオスのまま提示する平田オリザの演出論。内面の作り込みではなく、どうすればリアルに聞こえるセリフが言えるような環境が作れるかという理論を興味深く読んだ。

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2017/11/07

20代の頃によく演劇を観ていましたが、このような芝居を作る側のマニュアルを読むことで演劇への理解がさらに理解が深まると思いました。 プロではない学生演劇、翻訳もののお芝居も観たことがありますが、その時の違和感はこういうことだったのねと納得しました。 翻訳ものは単に役の名前がエリー...

20代の頃によく演劇を観ていましたが、このような芝居を作る側のマニュアルを読むことで演劇への理解がさらに理解が深まると思いました。 プロではない学生演劇、翻訳もののお芝居も観たことがありますが、その時の違和感はこういうことだったのねと納得しました。 翻訳ものは単に役の名前がエリーだのトニーだのと日本人同士で呼び合うから違和感があるのかと思っていましたが、それだけではなく、この本でいうところの西洋のコンテクストと日本人のコンテクストは違うからなのですね。 脚本をつくり、役者とコンテクストのすり合わせを組み立てていく脚本家のお仕事の大変さもよく分かりました。

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2017/01/09

ここ1年くらいで「劇」というものを見に行くことが増えて、ここらでちゃんと演劇というものを知りたいな、と思って手に取った本。言われてみれば確かに「演出家」って何をする人なのかあいまいなイメージしかなかったけれど、コンテキストを埋めること、と言われるとなるほど納得した。 文中でガラス...

ここ1年くらいで「劇」というものを見に行くことが増えて、ここらでちゃんと演劇というものを知りたいな、と思って手に取った本。言われてみれば確かに「演出家」って何をする人なのかあいまいなイメージしかなかったけれど、コンテキストを埋めること、と言われるとなるほど納得した。 文中でガラスの仮面が特定の年代の女性に刷り込んだ、演劇に関する誤謬の悪影響を語っているけれど、私まさにそれだ・・・。

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2016/01/03

平田オリザさんの本は二つ目。そのどちらにも出てくる『コンテクスト』というキーワードは、平田オリザさんの本を読む度に味わい深くなりますね。その人物が使う言葉の背景、生み出される環境に想いを巡らすことが他者理解への一歩なのかなと思います。また、演劇や映画、舞台を見るときにどういう演出...

平田オリザさんの本は二つ目。そのどちらにも出てくる『コンテクスト』というキーワードは、平田オリザさんの本を読む度に味わい深くなりますね。その人物が使う言葉の背景、生み出される環境に想いを巡らすことが他者理解への一歩なのかなと思います。また、演劇や映画、舞台を見るときにどういう演出をしようとしているか、これからは意識してみたいです。と同時に、演出で挑戦を続けるオリザさんを応援したくなりました。

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2015/11/12

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA67518097

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2014/01/27

これはかなりタメになった。出来ればそのうち手元にしっかりと置いておきたいぐらい。平田オリザさんの戯曲は恥ずかしながら未読なのだけど、そのうち読みたいとは思った。

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