三浦綾子に出会う本 の商品レビュー
この夏の北海道旅行で知った三浦綾子さん、そして氷点。肺結核という難病に始まり、信仰への帰依、配偶者三浦光世さんの支え。三浦さんの世界観を支えたものが、北海道の風景とともに。
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肺結核、脊椎カリエスで24歳から37歳の13年間を床に臥して過ごした堀田綾子。1955年6月、2つ下のクリスチャン、三浦光世と出会い、1959年5月24日挙式。新郎35歳、新婦37歳。「病める時」から出発した二人の愛と信頼。1964.7.10、朝日新聞の懸賞小説「氷点」が第一席に。新聞に連載が始まると氷点ブームに。テレビ・ドラマ化、映画化。綾子の生活は一変。1967年四作目の「塩狩峠」は、綾子の口述、光世の筆記スタイルが定着。以来30年このスタイルが。1922.4.25~1999.10.12。
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三浦綾子ほど「正統的」なキリスト教作家はいないだろう。遠藤周作をはじめ他のキリスト教作家たちは、その作品の多くで、信仰の葛藤やキリスト教信仰の「破れ」(と見える)部分を抉ろうとしている。しかし三浦綾子の作品は、多くが極めて正統的立場に立っている。それを表層的と言って軽んじる向きも...
三浦綾子ほど「正統的」なキリスト教作家はいないだろう。遠藤周作をはじめ他のキリスト教作家たちは、その作品の多くで、信仰の葛藤やキリスト教信仰の「破れ」(と見える)部分を抉ろうとしている。しかし三浦綾子の作品は、多くが極めて正統的立場に立っている。それを表層的と言って軽んじる向きもあるだろうが、キリストの福音を真っ直ぐに指し示す彼女の作品は、混沌として迷える現代のキリスト教的言説を一刀両断する力を持っているように思える。この本は三浦綾子の世界に分け入るための、手ごろな手引書となっている。
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