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影との戦い の商品レビュー

4.4

108件のお客様レビュー

  1. 5つ

    57

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

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2014/03/01

魔法や魔法使いというファンタジーですが、誰もが持っている傲慢・見栄・後悔・恐怖などなど主人公に感情移入しやすかったです。 ジブリ映画「ゲド戦記」を観てモヤモヤしたので、モヤモヤ解消したくて原作を読みました。 読んだ感想は、“全くの別物”ということです。 原作の方が命の大切さにつ...

魔法や魔法使いというファンタジーですが、誰もが持っている傲慢・見栄・後悔・恐怖などなど主人公に感情移入しやすかったです。 ジブリ映画「ゲド戦記」を観てモヤモヤしたので、モヤモヤ解消したくて原作を読みました。 読んだ感想は、“全くの別物”ということです。 原作の方が命の大切さについて説教臭くなく、ストーリーもつかみやすいと感じました。

Posted byブクログ

2014/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ゲド戦記一作目。心理学の理解のため、進められて手にとる。 「影との戦い」とは主人公ゲドの自己成長のための物語である。あとがきにも言及されているが、分析心理学においては、自我や自己、アニマ、影、老賢人等元型という概念がある。それらは自分の中にある普遍的なイメージのひとつでもあり、その衝突・葛藤・受容や統合によってコンプレックスや自己実現が成されると考えられている。簡単に言ってしまえばこうなのだが、もっとわかりやすく言えば「太古からのイメージ」に近いかもしれない。「影との戦い」はその中における自我や影との葛藤をよく表していることがわかった。 ゲドは傲慢でありながら高い能力をもった選ばれた人間である。それらがその能力を行使し、世界を破滅させることはいとも容易い。魔法使いとしての才をかわれ、修行に出るときからそれは繰り返し師から述べられていたことである。 そんな自身の破壊性をただ単純に拒否することだけではなく、自らの一側面として受け入れることによって彼は全き存在になった。少なくとも彼は自分の欲望や浅はかな願望のままに、その能力を自分勝手に行使することはしないだろう。いつだってほの暗い側面は自我の視界の端に漂っている。それは自分ではすべて認識できるものでもないが、必ず誰よりも近くに寄り添っているものだ。嫉妬や欺瞞や憎悪などといったものをいっさいに感じることなく生きていくことは不可能であることは、いうまでもないことである。それらに対して苦悩し、葛藤しながらも、消化していく様を、社会の中でも、あるいはこういった文学作品の中でも幾度となく描かれひとつとした正当を探り出したものは誰一人としていない。それは千差万別であり存在は不透明だからだ。ゲドのように受容することが正解だともいえない。ゲドがそれを成し遂げることができたのは、彼自身の意思の強さや能力によってそれが出来るものだったからだ。時には逃げることも誤魔化すことも拒絶することも必要だろう。その選択肢をとって「あなたは弱いからそうすることしかできない」というわけでもない。それぞれが苦悩の中から導き出された最善策である。 今回この作品においては〈戦い〉という場をもって集約した。ゲドは影との戦いによって自らの〈負〉ともいうべき部分すら受け止めまたひとまわり大きくなった。大魔法使いとしての威厳を手に入れることができたのである。 このアスーシーの世界はファンタジーとして描かれているが、牧歌的で素朴でありながらどこかやわらかい世界観を作り出せるのは、児童文学を差し置いてほかにはないだろう。それぞれの年代に合わせた文学形態というものが仮にあるのだとしたら、どれよりも穏やかでやわらかいのは、見守られながらも道をたどる児童期ならではの特徴なのかもしれない。とうに成人も過ぎている私の心をそれでもなお打つのは、未熟である証明である可能性は捨てきれないものの、あるいは記憶の中にある過去の幻想として、それらはいつまで経っても輝き続けているからだ。

Posted byブクログ

2014/01/17

図書館。 ナルニアより好きかな。でも指輪ほどではのめり込めない。せっかく予備知識なく読んだのに、訳者あとがきに今後のストーリーが描かれてしまってたのが残念。

Posted byブクログ

2013/10/28

神話の叙述形態。 青年の傲慢、煌めき、危うさ、克己。 いつの時代も普遍的な一人の人間の成長が描かれる。

Posted byブクログ

2013/07/15

いつか読もうと思ってずっと読んでなかったシリーズ。 ものすごく評価されてるし、とっつきづらかったり読みづらいかなと思ったけど、そんなことはなくぐいぐい読めた。ふつうに面白い! はやく続きを読もうと思う。

Posted byブクログ

2013/02/15

これ、児童書かな 孤独な戦う青年の物語だよね ちょっと重いテーマかも それでもアースシーの世界に 浸り込める魅力があります その辺りが、映画化されたツボかな 自分は映画を見ていないけど sadonに聞いたら、 全然そんな話じゃないって言ってた 続編にその秘密がありそうだよね

Posted byブクログ

2012/10/28

ゲド戦記全6作品の1作目、本作は大賢人ゲドの少年時代の物語。 多島世界アースシーを舞台としたファンタジーの傑作。 このシリーズは魔法使いゲドが主人公なのですが、 魔法でドンパチやり合う場面はほとんどなく、 心に焦点を当てた描写が多いのも特徴。 自分が本の世界に魅了された内の1...

ゲド戦記全6作品の1作目、本作は大賢人ゲドの少年時代の物語。 多島世界アースシーを舞台としたファンタジーの傑作。 このシリーズは魔法使いゲドが主人公なのですが、 魔法でドンパチやり合う場面はほとんどなく、 心に焦点を当てた描写が多いのも特徴。 自分が本の世界に魅了された内の1冊で、 もっと早くこの物語に出会っていればと思いました。 魔法世界の入り口として最適な内容。 [1968年、アメリカ、278P]

Posted byブクログ

2013/06/29

影との戦い。それは誰もが心のうちに抱えているもの。影を受け入れることができてはじめて全き者になれる。 影を恐れ、見ないようにするのではなく、しかと見つめなければいけないのだ。それは現代の社会を表しているようにも思える。 私が読書を好きになった始まりとも言えるこの本は私にとってかけ...

影との戦い。それは誰もが心のうちに抱えているもの。影を受け入れることができてはじめて全き者になれる。 影を恐れ、見ないようにするのではなく、しかと見つめなければいけないのだ。それは現代の社会を表しているようにも思える。 私が読書を好きになった始まりとも言えるこの本は私にとってかけがえがないもの。

Posted byブクログ

2012/09/21

映画のゲド戦記を見たことがあったけど、それとは全く異なるストーリーだった。 自分の影との戦いというテーマのもと展開されて行く物語が、人間のこころの弱さやそこから逃げないことなど、大切なことに気づかせてくれる。魔法使いの冒険ファンタジーだけど、それだけにとどまらない、深みのある、大...

映画のゲド戦記を見たことがあったけど、それとは全く異なるストーリーだった。 自分の影との戦いというテーマのもと展開されて行く物語が、人間のこころの弱さやそこから逃げないことなど、大切なことに気づかせてくれる。魔法使いの冒険ファンタジーだけど、それだけにとどまらない、深みのある、大人も楽しめる本。

Posted byブクログ

2012/09/04

小学生6年生の息子も何とか読了。私も最初からぐいぐいと引き込まれました。少年ゲドから青年ゲドへの成長の痛み、そしてこの大魔法使いの試練を自分のことのように受け止めながら読んでいきました。 中学生、高校生時代にはぜひ読んでおきたい物語の一つだと思います。

Posted byブクログ